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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ポワトー/シャランテ、34

サン・サヴァン修道院Abbaye de Saint-Savin sur Gartempeその3
せっかくの世界遺産なので、ちょっとしつこく。
ここは、フレスコ画があまりに重要視されている分、前回紹介した後陣にしても、教会そのものに対する敬意にちょいと欠ける状況になっています。
普段、教会全体を鑑賞することが習い性になっているわたしとしては、やはり全体確認しておきたいので、裏側にも回ってみました。
ショップから、どうやら後ろ側のほうにいけそうです。




ショップの場所から、後陣を横から見る位置に出ることができます。しかし、木が茂りすぎで、後陣の姿すら見えませんねぇ。
この中庭には、なんだか、変な現代美術インスタレーションみたいのがあったんですよね。




わたし現代美術好きですけれど、場にもそぐわないし何のスピリットも感じない、こういう作品は、邪魔なだけで意味がない(=自分が好きじゃない)と一刀両断に切り捨ててしまうタイプなので、なんだかむっとしましたねぇ。半端な現代美術くらいむかつくものはないって感じ。ただの鑑賞者だからこその発言ですが。

結局、表に回って、教会を回りこんで、正当な道から後陣を拝むことになりました。

まず表に出て。




そいから、教会を正面から見て。鐘楼、チェック!




軒送りに面白いフィギュアがたくさん並んでいるのは、地域性ですね~!別にサン・サヴァンが特別ってわけではないのが、こういうところからわかります。それに、フレスコ画だけじゃなくて、こういうところにも注目していこうよ、とついおせっかいに思いました。
そして、横から回り込み、後陣。
ちゃんと、往時の姿、ありました。




しかし、ここって木が茂っていてじめじめしていて、大歓迎します、という表の顔との落差激しいのです。鳥の糞も盛大に落ちてるしにおってるしね。
せっかく修復もそれなりにされていて、アーチにしろ、その柱頭にしろ、見るべきものがしっかりとちゃんとあるにもかかわらず。確かに、ここに来るほとんどの人は、世界遺産の元になっているフレスコ画だけ見て、満足して帰るのでしょうけれど、これは寂しいことだし、コンセプトとして間違っていますよねぇ。
フレスコ画を中心とする中世の遺産を、本気で見たくて来る人は、フレスコ画のみならず、周辺すべてを訪ねてくるわけで、でも、今の現実のサン・サヴァンは、まったくそういう対応をしていない。これは寂しいことです。
前回も書きましたが、教会のある広場の、美しいはずの広場が駐車場化している寂しさ、本堂が無料ならいいだろう的に、いい加減なコンセプトでの有料ガイド・ツアーを行うさもしさ、英語をしゃべればそれでいいだろう的な表面的な観光的対応。なんだか世界遺産になった際の負の部分ばかりが目立つ場所でしたねぇ。
本来あるものが素晴らしいだけに、本当に悲しい気分にもなりました。っていうか、こういう場所を世界遺産にして、実際それが世界遺産になる意味を理解しない一般大衆を呼び寄せる意味があるんでしょうかねぇ。わからないです。

わからないといえば、自分。
最後にもう一度、本堂に戻ったんですよ、これが見たくて。




後陣と反対側。入り口近辺の円柱に描かれたフレスコ画。動物の絵がたくさん。
本堂をじっくりと見た際、妙に動物フィギュア満載だな、と確かに思ったのですが、後から、何かその場で入手した資料を見たか何かで、おお、これは改めて見直さなければ、と思って、わざわざ戻って、改めてみて、改めて撮影したのですが、さて、今残っている資料を見ても、一体何を見て、わざわざ戻ったのかがわからない…!




今、改めて、手持ちの資料をかき回したのですが、やっぱりわからない。旅行中、メモはかなりまめに細かくするようにしているのですが、このあたりあいまいで。あああ。何だったのかなぁ。既に思い出す、ということはなさそうな。今後サイトを作るかもしれないときに、何か発見するでしょうかねぇ。いやはや、自分の記憶力には、もともとまったく信頼がないのですが、こういう風に、一部覚えていて、という状態には、いろんな意味でお手上げですね。われとわが身に、あきれています。

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