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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ポワトー/シャランテ、37

ショウヴィニーChauvigny、サン・ピエール参事会教会Collegiate Saint-Pierreその3

内陣は、ちょっと狭いですが、やはり周回廊のあるスタイルです。




派手ですよねぇ。なんせ、地が真っ白なので、インパクト強いです。それも、ペンキ塗り状態の修復を繰り返し行っているのか、たまたま修復されてから間がないのか、ぴかぴかなので、目に痛いような彩色です。とはいっても、なんだか不思議にかわいらしいんですけどね。
この内陣部分の柱頭は、相当気合の入った作品ばかり。身廊を区切るアーチ下の柱頭に、前回紹介した変な生き物たちが生息しているのに比して、こちらは、本来の教会らしい聖書のエピソードが多く彫りこまれています。




バビロンのお話のようなんですけれど、旧約聖書でしょうか。右側には大天使ミカエルさんが、悪魔をあしらっている図。
彩色のない石のままだったら、余りよくわからない絵が、これだとわかりやすいですねぇ。文字も鮮明です(学がなくて読めないんですけれども…)。これは、信者の方々にも受けたのではないでしょうかね。それで、こういう彩色スタイルが広まったのかも。

これは、光背にしっかりとマリアと彫られているので、受胎告知でしょうか。




手がすっごく大きくて、天使の光背がビスケットみたいになっているのがチャーミングです。
マギの祝福。




他の教会の例から言っても、本来はもっと全体に多色彩色だったのでしょう。今は、あせたまま、輪郭線くらいしか彩色されていませんけれど。
これは、羊飼いへのお告げですね。




足元に素朴な牧夫がいて、羊たちがかわいらしいんです。ハレルヤ状態の天使が、とても威厳があって光り輝くようで、翼も立派で、実に説得力のある作品です。

楽しいでしょう。見てたら、本当にきりがないです、ここの彫り物は。名残惜しいけれど、いい加減引き上げないと。
身廊分割の壁の付け柱の根元も注目。




こんなのって、珍しい。この場所でこれほど凝るって、見たことないかも。

帰り際、改めて外観を観察。
入り口の側柱柱頭。




石だと、これは外だからますますとはいえ、やはりこうやって摩滅し傷んでしまうものですよね。内部のものも、ペンキ(と言うか漆喰ですが)の下は、一体どうなっているんでしょうか。常に彩色されている分、意外としっかりと彫り物が残っているのかな。

ここでもまた、この地域の教会らしく、軒送りに、また面白いものたちが隠れています。




宝探し、と言うよりも、とにかく目に入る中にたくさん面白いフィギュアが散らばっていて、集中しているのか気が散っているのか、意味もなくあわあわしてしまいます。




ここの軒送りは、今回訪ねた教会の中でも、一番面白いかも。
坂道が恐ろしいけれど、いつかまた訪ねてみたい場所のひとつです。またいけるとしたら、一日の終りじゃなく始め、元気のある時間にじっくりと堪能したい…。

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  1. 2013/05/31(金) 05:37:24|
  2. ポワトー・シャランテ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

ショウヴィニーは昔からこんな感じでしたね。定期的に修復をしないとこのような白主体の彩色は保てないでしょうね。

坂道があったのは覚えていますが、アクセスにはそんな苦労しなかったかなと。もうかなりうる覚えですが。
  1. 2013/05/31(金) 11:15:00 |
  2. URL |
  3. クリス #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

おもしろいですね~!

ハレルヤ状態の天使いいね!
  1. 2013/05/31(金) 12:32:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

クリスさん
きっと坂道でも何でも問題なく運転できるクリスさんには分からないんですよ~!マルケもすいすいでしたもんね~!
このペンキ塗り状態は、やはり相当マメに塗りなおしているんでしょうねぇ。
  1. 2013/05/31(金) 22:08:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ガヴィさん、
ハレルヤ天使さんは、写真をみていて、あらためていいなぁと思わされた作品なんです。現地では、どうしても不思議な怪獣に眼が言ってしまって。しかし、このお告げ天使は、本当にかっこいいんですよ。
  1. 2013/05/31(金) 22:10:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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