ポワトー/シャランテ、45
その昔、ロマネスクを本格的に訪ねだした頃、本屋さんで大判のロマネスク教会の写真満載書籍を見つけて、その重さによろけるようにして家に帰り、早速ぱらぱらとページをめくった際、目に付いたのが、ポワティエの、ロマネスクの世界では超有名なノートル・ダム教会のファサードでした。
その激しい装飾性に、ただ呆然と見入ってしまったのを、今でも覚えております。当時は、ミラノから日帰りで行ける場所中心に、いたって地味に回っていた時代なので、いつか行きたいものだけど、そんな日はこないだろうなぁ、と漠然と思ったものです。
だから今回の旅の中でも、ポワティエ、特にノートル・ダムに対する思い入れ、憧れは相当強く持っておりました。「ポワティエではノートル・ダム」としか思っていなかったので、直前まで、同じ町の中にこれほどたくさんの見所があることすら知りませんでしたし、町の様子なども何一つ知らないままでした。ただ、イメージと違って、結構大きい町でありそうな雰囲気は、地図から想像していましたけれど。
宿泊したポワティエ南部の村から、北上して町を目指しました。
そしてのっけから、得意の彷徨いドライブ。というのも、駐車場がわからない。まずは町の東側からアタックしたのだと思います。旧市街は、全体に丘の上にあることは、あとからわかるのですが、東側は比較的なだらかにアクセスできます。でも、一方通行が多く、ナビのいうことを聞いていたら、ちょっと街中に入っては、また出る羽目に。ぐるぐる同じところを二度ばかり走ってあきらめ、目に付いた無料駐車場に入りましたが、いかにも町が遠い。
ちょうど車を取りに来た地元の人風の女性に尋ねると、ここから旧市街は遠いから、もっと街中に行った方がいいわよ、と英語で道を教えてくれたのですが、まったくわからず。結局町の周囲を取り巻く環状線のような道を進むと、鉄道駅前に出ました。
駅の脇に、大きな立体駐車場があります。入る前に、やはり通行人に尋ねると、町まではさほど遠くないということなので、ここに駐車することにしましたが、ここが、怖かった~!
というのも、一階ごとのスペースはかなり小さくて、結局3階か4階まで登る羽目になったのですが、その、登り道が、角度は急だし、狭っ!
実は今回、空港で聞かれなかったのを幸い、保険のフル・カバーをつけなかったんですよねぇ。あれ高いし。でもここで、大後悔です。傷つけたら全額負担ですからね。前からも後ろからも誰も来なかったのを幸い慎重の上に慎重を期して、とにかくそろそろと、ひたすらゆるゆると、すっごく時間をかけて駐車しました。今思い出しても冷や汗ものです。
例によって前振り長すぎですが、いざ、町へ。
これが駅前の風景。この建物群の後ろに緑がありますが、その高台が旧市街ということなんですね。最初に駐車した反対側は、この部分が緩やかな坂道で、建物が並んでいる様子でしたが、こちら側は、完全に崖地形のようです。
こんな、急で結構長い階段で、一気に旧市街へ入ります。こういう地形だと、今のイタリアの多くの町には、駐車場と旧市街を結ぶエレベーターやエスカレーターが作られていますけれど、ここでは見当たりませんでした。イタリア、変なところで進んでいるかも。っていうか、坂道嫌いのわたしには優しいです、イタリアのシステム。
旧市街は、全体に中世の香り漂う、雰囲気のある町並みが続きます。
全体として、中世的な街づくりを意識的にしている様子がうかがえます。
たとえば、こんな看板に。
糸針。お直し屋さんか、または仕立て屋さんか。
こんなのも。
こちらは紙屋さん。確か同じ通りの看板ですから、通りを上げて、「かわいい看板」が売りになっているのかも。
町は結構広くて、一日かけて歩きました。見るべき場所も予想以上に多かったです。そして、町並みは美しいし、かわいらしいお店があったり、楽しい散歩ができる町です。
本当に古い中心部には、こんな木組みの建物も。
そういう意味で、黙っていても観光客が来るせいもあるのか、観光局はいたって愛想がなくて、資料もほとんどなくて、がっかりでした。
よかったのは、お手ごろなレストランがたくさんあって、安くておいしいランチがいただけたことかな。卵とハムのガレット。フランスのランチでは、あればたいていガレット。これってイタリアのピッツァと同じ感覚でいただけて、ピッツァほど重くないので、ランチに最適ですね。
では、次回から、教会をじっくりと。
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- 2013/07/12(金) 05:30:18|
- ポワトー・シャランテ・ロマネスク
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