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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

装飾ぎっちぎち、ノートル・ダム・ラ・グラン教会(ポワティエ)

ポワトー/シャランテ、47




この教会のファサードを、初めて本で見たときは度肝を抜かれました。ロマネスクのイメージとかけ離れたごたごた状態。これ、ありなんだ~!と。
そしてまた、激しい装飾の割りに、全体がこじんまりしている印象だったのも、とても不思議でした。
そんなわけで、初めて買ったロマネスク関係の大分の書籍に出てくる写真の教会の、どこよりも印象が強くて、いつか是非訪ねてみたいと思ったものでした。
それが実現したのですから、ある意味感無量…。

一応ここを目指して歩いてきて、かなり開けた広場に、ぽっつりとたたずんでいる姿には、やっぱりびっくりしました。旧市街の真ん中なので、そのたたずまいは、おそらく中世の時代から、さほど変わっていないのではないかと思われますが、やっぱりなんとも違和感があるっていうのか。このあたりのロマネスク全体が装飾的ではありますが、とにかくこのノートル・ダムほど、すべてのスペースに、もう嫌って言うくらいに装飾を盛り込んだファサードは、おそらくないですからねぇ。一体なぜここまでやってしまうことになったんでしょう。

一番天辺。




ここは比較的すっきり。やはり中央に置かれたアーモンドのキリストを際立たせるためでしょうか。または、石工が力尽きたのか…。
それにしても巨大なアーモンドで、こんなの、めったにないですね。キリスト始め、彫像ほとんどから頭部がなくなっているのは寂しい限りです。




普通タンパンなどに置かれた小さいアーモンドのキリストだと、足が爪先立っている感じが多いように思いますが、このキリストは、地面にしっかりと立っている足です。かなり傷んでいますが、周囲には、四福音書家のシンボル、植物モチーフの帯などは、比較的きれいに残っています。

真ん中の壇の左側。




そして右側。




各アーチの中に、人物フィギュアが一体ずつ。すごい数です。それにしても、見事に頭部がない。これはやっぱり、頭部だけもって行かれちゃったりしているのですかね。朽ち果てたどこぞのお屋敷の庭なんかに、人知れず、転がっていたりするのかもしれないですね。上段の人たち(一部が十二使徒)は立ち姿で、下段の人たち(十二使徒)は座っています。鍵を持っているピエトロくらいしかわからないな~。あれ、鍵はピエトロでよかったかな。
どのアーチも、それを支える小円柱の柱頭も、聖人や預言者たちの背後にも、とにかく細かに様々な意匠が施されているのには、ただびっくりするばかり。

そして、一番下、メインの扉周囲の様子。




このあたりの高さだと、何とか見えたりしますが、他は肉眼では余りよく見えないのが残念です。
アダムとイブとか、




これは受胎告知でしょうか。




ところどころで、既にゴシック・テイストのあるフィギュアも結構見受けられる気がしました。
改めて見直してみると、やっぱり面白いので、じっくり続けます。
この旅では、ほとんど資料が入手できなかったので、詳細は調べないとわからないのが残念。やっぱり紙の書籍で、じっくりと読んだりするのが本来的には好きなんですよねぇ。

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  1. 2013/07/23(火) 05:49:31|
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