ポワトー/シャランテ、50
昨日の記事で、大嘘してしまいました。 教会内の彩色は、どうやら19世紀になされたものらしいです。 昨日、現地で購入したフランス語の本をパラパラしていたら、多分そういうことが書かれていました。記事を書く前に読め、というところですが、まぁフランスに関しては完全な門外漢なので、許してくださいね~。
さて、次に訪ねたのは、ポワティエの町の端っこにあるサン・ジャン洗礼堂Le Baptistere Sait-Jeanです。
町の中心部は、観光客も含めて人であふれかえるようでしたが、ちょっと町外れに来たら、ほとんど誰もいない状態です。 洗礼堂は、今は博物館のようになっており、お隣にはサント・クロワ博物館Musee St Croixがあります。理由は覚えていませんが、休館していて、残念ながら、この博物館を訪ねることはかないませんでした。
この洗礼堂の歴史は大変古いです。そもそもの建物は、なんと4世紀、初期キリスト教の時代のもので、下の図では、黒い線が、その当時の壁となります。
今の姿は、一番右側で、外壁のほとんどは10/11世紀のものとなり、規模も若干縮小しています。創建時の造作としては、一部の壁と、洗礼の桶の後。当時は全身浸かるタイプだったので、大きなもので、フランス語では「プール」という表現になっていますね。中央にある八角形の図がそれです。
今更ですが、現地の立て看板の説明によれば、この4世紀のプールを含む洗礼堂は、フランス革命で国に接収されて、危うく破壊されるところが有志のおかげで助かったとかそういうことらしいです。実はつい最近訪ねたルシヨンの多くの場所で、フランス革命時に破壊されそうになったり、実際に売却や破壊の憂き目にあった場所がたくさんあり、フランス革命ってなんだったんだろう、とほとんど知らないフランスの近代史が気になっています。
これが今ある建物の入り口側。かなり新しくなっていますね。上の図で見ると、北西に向いていることになります。初期キリスト教時代あたりは、まだ教会の方向は結構ばらばらなんですよね。
そしてこちらが後陣側。
本来はまっすぐな壁で、背も低かったようですが、6世紀頃に半円の後陣(といっても、今ある外壁は、明らかに後代の再建のようですが)、そして屋根が高くされた分、装飾も施されたようです。 上は半分以上、ロマネスク時代の付け足しのようです。
修復もされていますが、アーチや、その中にある浮き彫り、小さな付け柱やその柱頭等、いかにもプリミティブな装飾は、初期のロマネスクのもののようです。
続きます。
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2013/07/26(金) 05:30:47 |
ポワトー・シャランテ・ロマネスク
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教会内の彩色、うっすら残っている色から もとはこうだったのだろうと近年改ためて塗られたところはよくありますよね。(イソワールの サンオストロモワンヌなどぎょっとしました)びっくりするほどどぎつい。ノトルダム・ド・グランド教会。 95年に行ったときはお化粧直し中で前面は白く横壁は煤だらけでした。 洗礼堂も これ細きれいではありませんでした。何だかまっさらな感じですね。
2013/07/26(金) 01:51:00 |
URL |
yk #79D/WHSg
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ykさん
修復の度合いも難しいし、彩色については、なんだかよく分かりません。フランスは、もうブログでアップでおしまいと思っていたけれど、意外と資料が出てこないものも多いので、やっぱりちゃんと勉強して、いつかサイトにまとめてみたいという野心に駆られて困っています。
2013/07/26(金) 21:59:00 |
URL |
corsa #79D/WHSg
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今Hpをつくっていて参考にさせていただいています。 これは後陣側ではなく南側です。平面図をみると 半円アプシスは南北、後陣は角型アプシス。
でもこの南壁がいいのですよね。そうして私はとっても悔しいことにこの側の写真を撮っていなくてグーグルストリートビューを借りることにしたのですが、それもよく撮れていない。南壁が一番すばらしいのに。 ただこの部分は修復なのか、内部に断片がたくさんありますね。
フレスコ画も素晴らしいですよね。
2020/05/27(水) 14:35:38 |
URL |
yk #C8Q1CD3g
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YKさん、おっしゃる通りですね。平面図を見ながらも、写真の雰囲気で後陣としちゃったようですね。ご指摘ありがとうございます。
ふふふ、今の今まで、ここまで行ったことを忘れてました。サン・ジャンって別の教会を髣髴としていました。情けなや、の記憶力ですが、ずいぶん昔だから、仕方ないですね~、笑。この夏、国境が開いて、フランスに行ければ、この辺り、再訪がかなうかもしれません。
2020/05/30(土) 15:18:46 |
URL |
Notaromanica #-
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