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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

中世へ中世へ、行ってしまう。

イタリア王道観光旅行5

王道旅行といいながら、振り返ると、どんだけ中世に引きずられているんだ、自分、とびっくりです。ローマの遺構を見に来ている人をほとんど無意識に中世に引きずりでいたわけで、いやはや、自己中もいいところ!すまん。

といいつつも、抑えるところはきっちり抑えて、とうことで、フォロ・ロマーノの後は、ミケランジェロ広場もしっかり登りました。




ミケランジェロが設計したという広場の床面の幾何学模様は、もう少し高いところに登らないと、きれいに見えないんですよね。そのためには、周囲を取り囲む博物館に入るしかなさそうです。
中央にある騎馬像は、かつて長い修復で、いつ行ってもお留守でしたけど、いつ戻ってきたんでしたっけねぇ。ここに行くといつだって、思い出すのは映画「ノスタルジア」で、イタリア語を始めた頃のことがセットになって思い出されて、なんとなく懐かしいような切ないような気持ちになります。

そんな完成度の高い広場の美しさよりも、いかにもローマ的な風景は、実はこっちでした。




建物の影で涼しいスペースに、次々とお巡りさんが集まってきて、なんだか楽しそうにおしゃべりしてるんです。休憩時間かもしれないし、連絡場所なのかもしれないけど、絶対仕事の話してないし!楽しそうでいいけどね、本当に次々と集まってきてたんですよ。

広場を降りたら、また前回見逃している場所に気付きました。姉が、あ、これは古そうじゃない、というので見てみたら、




姉も、わたしの激しい古いもの好きに感化されたのかしらん。
これ、ローマ時代の遺跡なんですね。ベネチア広場のヴィットリオ・エマヌエレの真っ白な建物の麓にひっそりと残っているんです。2世紀のもの。
もともとこのあたりにあった岩場にくっつけて、人口爆発したローマ市民のための集合住宅として建てられたレンガの建物らしいです。近いにはお店屋さんも入っていたとか。今も昔のローマの中心地だったのに、ずっと壊されないままに、中世には教会も付け足されて、教会内部のフレスコ画まで残っています。




ローマは、結構な時間をすごした街のひとつではありますが、隅々まで見たわけではないし、行けばいつも発見があります。

とか何とか言いながら、再び中世へのいざないをするわたくし。
だってここまで来たら、サン・マルコのモザイクは必見ですから。




他は全部バロックになってしまっているのに、後陣モザイクだけは往時のまま光り輝いています。やっぱり美しいですねぇ。この教会は、日中でもかなり暗いんですが、モザイクを照らす明かりを灯すと、言葉通り輝いて浮き上がってくる効果がたまりません。
今回、オペラグラスで鑑賞できたので、アニェーゼさんを発見することができました。




アニェーゼさんったらこんなところにもいて、やっぱりすごく大人っぽいんですね。サンタニェーゼのモザイクよりもっと女っぽいかもしれない。衣装も宝石満載で豪華だし。

そして、こんなかわいらしい鳩。




キリストの足元にちっちゃく、かわいらしい花とともにいらっしゃいます。こういうものは、オペラグラスでなめるように見ないと、なかなかその場では見られないですね。なんだか嬉しくなりました。

こんなのんびり歩いていると、なかなか旅が先に進まないですね。ま、急ぐ旅ではないし、いっか。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2013/08/23(金) 03:12:39|
  2. 旅歩き
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

お姉さまも時間への旅の面白さに惹かれ始めたようですね。いよいよ海外旅行が楽しくなっていらしたのではありませんか。
4枚目のフレスコ画に注目です。こういうピエタが描かれるのは13世紀末以降と思いますが。これは普通に通りすがりにでも 見られるようなところにあるのでしょうか。行けるかわかりませんが教会の名前もお願いします。
『イタリア・ルネサンス美術の水脈』塚本博著 三元社 この著者の講座は長く受講していたことがあり、この本についても 1年くらい講座がありました。死せるキリストの図像の変遷を追ったものです。(後半は眠れる幼児キリスト)それに出ている シモーヌ・マルティーニの ホーン美術館所蔵のディプティックとちょっと似ていましたので。
  1. 2013/08/23(金) 01:16:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

そうですね、海外はちょっと慣れてくると、面白さが変わってきますよね。またきてくれると、わたしも嬉しいのですが。
フレスコ画は、結構新しいものだと思います。14世紀くらいになるんじゃないかな。ベネチア広場で、通りすがりもいいところって言う場所ですよ。近づいてみようとしたら、屋台のおみやげやサンに嫌がられるような場所。笑。ローマに行けば、必ず立ち寄る場所なので、絶対に行けますよ。
シモーネ・マルティニはシエナのなじみで、結構好きな人なのですが、今回久しぶりのウフィッツィで受胎告知を見て、あらためて、この人好きだわ~と思いました。
このフレスコ画は、もっとずっと稚拙でございました。
  1. 2013/08/23(金) 22:22:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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