イタリア王道観光旅行6 ちゃんと王道旅行をしなくちゃね、とトレヴィの泉に向かってコルソ通りを歩いているとき、道に面して排気ガスで真っ黒になったすすけたファサードの、よく見れば教会らしき建物に、人がたかっていました。 今、上ものは、サンタ・マリア・イン・ラータSanta Maria in Via Lataという教会になっているのですが、その下に、ローマ時代からの古い遺跡が残されている場所だったんです。
たまたま美術系学校の若者の団体がいたので気付いたわけですが、そうでもなければ、何かあることすら気付かないような場所です。 基本的にミーハーなので、何かあるのかしら、と近づいてみたら、地下遺跡。それも案内板には、中世らしきフレスコ画の写真が使われているし、入場料は2ユーロぽっきり。よくわからないけれど、これはとりあえず見ないと、と団体にくっつくようにして入場しました。
何のことはない、これ、前回の修行旅で訪ねたクリプタ・バルビという博物館の中世部門に展示されている多くのフレスコ画が、もともとあった場所だったんです。入り口に、「フレスコ画のオリジナルは、バルビに展示されている」という但し書きがあったので、気付きました。 そういえば、中世のものがあるというので、当時わざわざ訪ねたクリプタ・バルビでは、そのフレスコ画のある教会がどこにあるものなのか、今はどうなっているのかわからず、戸惑った記憶があるのですよ。
どうやら、もともとは異教の神殿だったらしい場所。
今でも、また一部しか発掘されていないようです。 実際、ローマみたいな土地でも、いや、都会となってしまった土地の方が、逆に発掘が大変なのかもしれませんが、なかなか調査が進まないでいる場所って、結構あるようです。掘れば何かが出てくるのは必至ですから、これからだって、ローマから世紀の発見みたいなことがあるのかも知れませんねぇ。ここでは、神殿の一部が完全に未発掘のようなので、今後多くのフレスコ画などが出てくる可能性大。まだまだ、人目に触れぬまま、二千年から眠っているお宝があるんです。だから、ローマは美しいのかもしれないです。
剥ぎ取られて博物館に持っていかれたフレスコ画の写真が貼ってありましたけれど、せめて複製を作るなりしてほしいもんです。かなりしょぼくて、がっかり。ただ、地下の雰囲気は、かなりありまして、教会を見るというよりは地下遺跡にもぐりこんだ風情です。
これは、4年前、クリプタ・バルビで撮影したオリジナルのフレスコ画。
なんか、当時に対して、リベンジしたような気持ちにはなりました。 本来はオリジナルの場所にあってほしい装飾美術ではありますが、ここは湿気がひどかったのか、傷みが激しく、剥ぎ取られた理由がわかる気がしました。だって、地下に、今でもしっかりと井戸があります。
とても透明度の高い水が見えて、びっくりしました。壁もなんとなくじとじとした感じで、地下だから涼しいのだけれども、地上よりも湿度が高いように思えました。 今回のフレスコのオリジナル場所訪問は、是非、サイト(ロマネスクのおと)に反映させたいと思います。
おっとおっと、また中世に偏りつつあります。 慌てて、王道旅に戻りましょう。唐突ですが、トレヴィの泉。
この旅の直前に、たまたまオードリー・ヘップバーンのことをニュースで何か言っていたために、ふと「ローマの休日」のDVDを見ていました。映画におけるトレヴィの泉の印象は、なんといっても「ドルチェ・ヴィータ」のアニタ・エグバーグなんでしょうけれども、現実的なトレヴィの泉は、「ローマの休日」で映し出された観光客で鈴なりの下世話なイメージ。今回もまさにそれ。
びっしり…。 でもローマの休日の時点でも、余り変わらない混雑振りでした。まさにローマ旅行における王道中の王道という場所、ということですよね。オードリーはこのあたりで髪を切ったんですよねぇ。基本変わってないからすごいなぁ。 とにかく狭いんですよね、この広場は。
王道といえば、ついでにもうひとつ。
スペイン階段。 この階段下にある船の泉の周りは、まさにいつ行ってもびっしりですね。近くで泉を見ていたら、われわれの前で泉の縁に、ジェラートなめなめ腰をかけていた中国人の5歳くらいの男の子が、「キャンユー…」と言いながら横にどけ、というジェスチャーをしたのです。なんだと思ったら、われわれの後ろで親がカメラを構えていたという。 実に生意気なガキでしたが、堂々としてたいしたもんではあり、中国人恐るべし、と思わされた一件です。ある意味、日本人もそのくらいずうずうしく振舞えるといいんですけどね~(親は申し訳なさそうに縮こまっていましたけどね、いまどきの中国の子供、って感じなのかな)。
もひとつついでにポポロ広場。
双子の教会をバックにしたオベリスク。 この広場、今は歩行者天国になっていたんですね。昔は自動車天国でした。ここって、おなじみの散歩道の途中だったんで、とっても懐かしい。この広場を見下ろすピンチョの丘からの眺めが大好きで、ローマ散歩はいつもそこを通っていたんです。 オードリーがシャンペンを飲んだのも、この広場のバールじゃなかったですっけ。わたしにとって、ローマだなぁ、って実感する場所のひとつ。しみじみ。
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2013/08/24(土) 06:02:07 |
旅歩き
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