イタリア王道観光旅行7
今回のローマ訪問、一番暑い時期の旅、ということで、まず怖かったのが暑さ。次は、日本人二人旅ということで、スリやかっぱらい、ジプシー。それから、観光産業、特にレストランにだまされることの三つが三大懸案事項でございました。
幸いなことに、日中の気温は高かったものの、湿度がとても低かったので、日陰に入ればすっとする気候で、まず第一の暑さの問題はクリア。第二の問題は、地下鉄の駅で、駅員さんに、「あんたら鞄は抱えてね。スリ多いから、マジ気をつけてね!」と注意されましたけれど、バチカンに向かう地下鉄には観光客しか乗ってないし、昔と違ってジプシーなど影も形もなかったんでクリア。しかし、レストラン…。やっぱりやられたわ~。
といっても、数年前にあったように、何十万円も取られたとかそんな豪勢な話ではないんですけども。
バチカンのそばでランチ・タイムとなりまして、暑さとそれまでの歩行でかなり疲れてきっておりまして。
そういうところで出会ったこの並び、どう見てもだめだよね、というレストラン三軒。どこも客引きさんが出ていて、それも含めて、いかにもだめだよね、だったのに、味付けも自分任せのサラダとかだったら、どこでも似たようなものだし、簡単に手早く済ませましょう、と中でもマシそうな一軒のテラス席に座りましたとさ。
わたしはサラダ、姉は肉と付け合せの一皿盛を頼みましたとさ。とりあえずビールは、ま、特に問題もなく冷えていたし、まぁよかったよかった、と乾杯。一皿盛の肉、到着。見るからにまずそう。いつももりもりと躊躇なく食べる姉なのに、箸の進まない様子が明らか。わたしのサラダも到着。ま、見た目普通。
しゃくしゃくといただいていたら、なんか不審な、小さな茶色い物体が…。
これはもしや。よく見えないけど、見たくないし。見るとどうも虫ではないかという…。
すぐにカメリエーレ(ウェイター)を呼んで、「ちょっとこれ」と指差し。カメリエーレは「あ」と言って、皿を持ち去りました。
そこで、普通だったら、何か言ってきますよね?
そのまま、それっきり、無視です。
その頃になって姉も、「実はこの肉、ひどい…」と告白。いつ焼いたものか、グリルの後まで付いているけど、冷たい、と。
ビールは飲み干しているし、お会計を頼んだら、なんと、すべて何事もなかった状態フル・プライスのお会計なんですよねぇ。びっくりして、カメリエーレに、「ちょっとちょっと、さっき、わたしのサラダに虫がいたの見たよね。あのサラダにお金払うつもりないんだけど、これ何?」と訪ねたところ、「あ、ああ、もごもご」と言って、引っ込みました。改めて持ってきたお会計、サラダが8ユーロ(そもそも高すぎ!)のところ、半額の4ユーロになっていました。
これって火に油状態の対応ですよ。ムカ~!
「だから、払わないって言ってるんでしょ~」、対してカメリエーレ、かなりの小声で、「いや、僕はこれ以上できないので、では会計と話してください…」。「おお、望むところよ!」というわけで、店の中のレジに行く私。えらそうなオヤジが座っております。
「あのさ、わたし、虫入りのサラダにお金払う気ないから。半額とかありえないから。」
から始まったバトル…。まったく持って、信じがたい対応でした。オヤジ、謝るどころか、正当なことを言っているわたしに問題があるかのような態度。「テラスで食べる以上、ごみやほこりや髪の毛が入るのは当たり前!そういうのは、わしらの責任じゃないし!」と断言しましたよ…。
ローマって、いくら観光客相手でも、今でもこれなんだ~。確かにほとんどの客が一見さんで、二度と来なくてもよくて、その場限りなんだろうけど、それでも情報社会のこの世の中で、やっぱりこれなんだ~。
心底びっくりしました。あきれて、笑っちゃうくらい。
最後は、捨て台詞的に、じゃぁいいよ!俺らの責任じゃないけどな!とサラダ代はひきましたけれど、他のお皿もクオリティを考えたらありえないお値段だったので、気持ちは収まらないまま、店を後にしました。
あんなにまずいお皿を、他の観光客は、別に文句も言わずにもくもくと食していて、わたしが怒鳴っているのも、聞こえているんだか聞こえていないんだか。まるでわたし一人が異端のような有様でした。観光客って、辛いよなぁ。
イタリアでご飯がまずかった、という体験者は、意外と多かったりするんですよね。運悪く、こういう店に出会ったら、そういうことになるし、印象も最悪だし、そりゃまずかった以上の体験となるでしょう。店主がああいう対応をしたと言うことは、実際、文句を言う人もいなくて、回っているということなんでしょうねぇ。あんな料理であの値段を取っていたら、そりゃ儲かりますわ。
でも、わたしが喧嘩しているのを見て聞いている厨房では、調理人たちが、みんな、気まずそうに下を向いていました。使われているものは辛いよな。彼らが一番、店の理不尽さをわかっているわけで。でも生活のために、仕事と割り切るしかないわけで。
むかつきながら、ちょっと歩いたところのバールで食後のカフェをいただき、ついでにトイレを借りたのですが、そこの人たちは明るくて、気さくで、慰められました。これだからイタリアってずるい、と初心に返る思いでしたよ。こうやって、飴と鞭にだまされて二十年…。自分が情けない…。
もとい、今回のローマ、ホテルはとってもよかったんです。テルミニ駅5分強のベスト・ウェスタン・チェーン。オペラ座のお隣。
Best Western Hotel Mondial
via Torino 127 Roma
四星ですが、ツインが85ユーロで清潔、バスルームも広々。朝ごはんボリュームたっぷり。部屋はフローリングで、スペースもたっぷりの上に天井が高いので、もともとは古い建物なのかもしれません。対応も、しっかりしているし、なんせ、メトロもバスも近くて、便利度が半端なし。
一泊目は、ホテルの横にあったレストランで簡単に。今風のモダンな内装のお店で、可もなく不可もなく、というところですか。
大麦のサラダと、タリアータ。お値段とのバランスはまぁまぁと言ったところですが、黙っていればパンも持ってこないし、やはりローマって、と思うところはありました。調子はいいんですけどね。観光客相手って、そうなっちゃうのかな。ミラノはビジネスの町だけに、外人を見ても観光客というよりはビジネス客の方が多いので、調子より質や実になるんですよね。だからぼったくりとかそういうのがなくって、その点ではローマの現実って、いやはや状態なんですよねぇ。
そういう意味で、ローマでおいしい生活をするには、しっかりと調べないとだめなんでしょうね。
それでも、町歩きの最中に、珍しくいただいたジェラート、すっごくおいしかったです。
Gelateria del Teatro(Via dei Coronari)というお店で、厨房がガラス張りになっているんです。
通り過ぎそうになったのですが、メロンや桃などの果物を使ってジェラートを作っている姿が目に入ったら、食べずにいられないというやつで。普段ジェラート等めったにいただかないのですが、ここのジェラートはいかにも自家製という素朴なお味で、とってもおいしかったです。この通りはレストランもひしめいていて激戦区らしく、おいしいものが食べられそうです。
もう一晩のご飯も、やはりホテルから近い場所にしたんですが、やはり可もなく不可もなく、程度でした。お隣も向こうも日本人、って感じ。ホテル街の割りには、夏休みでしまっているお店も多かったからね。
ジェラート屋の他によかったのは、ホテル近所にあったバール。レストランのあと、食後酒グラッパを飲みに立ち寄って、そこでいただいたバリックのグラッパはとってもおいしかったです。二晩目には、グラッパの客、と認知されていました。
ローマではちょっと残念だったイタ飯ですが、この後トスカーナでがっちりリベンジ、お楽しみに。
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- 2013/08/25(日) 05:49:47|
- 旅歩き
-
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| コメント:4
たしかにそれだけ酷い店なら文句言いたくなりますよね…。口コミサイトとかでどんな評価なんだろう…と知りたくなります。
でもイタリア語で反論できるのがすごいです。向こうは観光客だと思ってふっかけたけど、ところがどっこい!って感じでかっこいいです!
- 2013/08/25(日) 05:44:00 |
- URL |
- さちぞう #79D/WHSg
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三原色さん
言いますよぉ。そういうこと言うためにイタリア語勉強したみたいなとこありますから~。そんな環境なのに20年いるって、まさにあめとムチと思う今日この頃なんです。
- 2013/08/30(金) 23:30:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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さちこさん
そういう店って、きっと文句言う人いないんですよね。そりゃ言ってもどうしようもないって分かるようなどうしようもない店だし。でも、言うべきことは言わないと、と思うんですよぉ。
イタリア語が通じる場所では、怖いもん無しですよ、わたし。イタリア人より、外人である分余計にに強かったりしますから!いざとなったら、外人だから戸惑いもなく、四文字言葉も、平気で言えちゃいますから!笑
- 2013/08/30(金) 23:33:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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