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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

黙れ、黙れ~!のシスティーナ

イタリア王道観光旅行8
バチカン博物館、訪ねるのは何年振りとなることでしょうか。
最近は大変混雑するということを聞いていましたので、もちろん事前に予約しておりました。予約の手数料が取られるとはいえ、炎天下、延々と並ぶのはごめんこうむりたいので、必要経費です。
予約は、午前10時でしたけれども、若干早め、9時半ごろ近づいたところで、なんと既にこれです。




いやはや、かなりびっくりです。こういうメジャーな観光地については、せいぜいが20年前の記憶がほとんどでして、その頃は混んでいるといっても高が知れていたもので、こういう光景というのは、本当になかったんで、純粋にびっくりいたしますよ。




先頭はかなり先。われわれは予約があるので先頭に向かっていき、予約者の行列に並んだところ、別に時間に関係なく、どんどん入れました。予約なしの人々の列は、まったく進まず状態だったので、いやはや、わたしだったら、到着時にこの行列だったら即決あきらめる、と思うのですけれど、皆さん忍耐強い。感心しました。

入場して、またびっくり。とにかく全然違うんですから。20年くらいご無沙汰なので、変わっているのは当然としても、それにしてもびっくりしちゃいますよぉ。そして、どこも人、人、人、で、人に酔ってしまう状態なのも、参りました。
人ごみを掻き分けてたどり着いた広場。




やっと人心地付いた感じ。広場の中央に輝くのは、大好きなポモドーロさんの現代アート。これは以前もあった気がします。でも以前は、ここにたどり着くまでに人に疲れちゃうような状況がなかったので、このアートに癒しを求めることもなかった分、多くを感じなかったのも事実。今回初めて、この球がじっくりとぐるぐる回ることを知りました!そこにあるだけでもかっこいいのに、回った日には、本当にかっこいい!ポモドーロ、すごいぞ!癒されました。しょっぱなから、癒し必要だったし。




そういう仕掛けつきの現代アートって、色物系でもあったりするけれど、インパクトはやっぱりすごいんですよね。これも、どういうタイミングで動くのかよくわからないんですけれど、あるだけでも存在感があって、それなりにみな興味を持つんだけど、動き出した日には、おおお~、という感じで、おそらくバチカン博物館を見学しに来た人々の多くは、現代美術とは違う世界に生きていると思うんですが、みんな、おおおお~、と同じように思って、同じようにインパクトを受けて。うち何人か、すごく少ない何人か、と思うけれども、現代アートに興味を持ったりするのかと思うと、こういうパブリック・アートの意味を感じたり。
ほんと、おおお~、ですよ、これに関しては。

感心ついでに、まさに王道、バチカン博物館見学開始。




人々がたかっているし、のぞいてみると、確かに教科書的にも有名よねぇ、という作品の数々。実際素晴らしいのですけれど、意外と、こういう方に目が向いたり。




美しいハス系の葉がしげしげと緑滴る泉。こんな建物の池にこういう自然物を美しく飼っているということが、まさにかつての(おそらく今でも)バチカンとか貴族の栄華をしのばせる光景ではないかとか思っちゃうわけです。

とにかく、持っちゃってますから、おしみがない。床モザイクなんかも、普通の通路のモザイクなんかは、普通に平気に今でも歩けちゃうわけですな。




バチカンは、さりげなくたくさん貴重なものを持ってたりするわけで、うかうかして歩いているといきなり、わたし的に気になる中世に関係するものがいたりするのです。たとえばこれ。




コスタンツァの石棺。これは、以前ローマ中世散歩をしたときに訪ねた、コスタンツァの霊廟にもともとあったものですよねぇ。バチカンにいらっしゃったのですね、それも博物館。こういうとき、もしかして中にあったものは、どうなるんでしょう。信心深かったコスタンツァさん、今はどこに眠っていらっしゃるのか。

バチカンは、やっぱりきりがありません。疲れたなぁ、もういい加減にしてほしいよなぁ、と思った頃、やっとラファエロの間。




これは、ミラノのサンタンブロージョ美術館に下絵がありますが、デッサン好きなわたしとしては、実はその下絵の方が好きだったり。本物は、余りに絵の具もべたで、美しく残りすぎな感じがあって、逆に現実味に乏しいって言うか。変な感想ですが。それにしてもラファエロの天才振りって、やはり誰が見ても天才としか形容しようのないのがすごいです。
この後、システィーナ礼拝堂。もちろん撮影禁止で、それも異常にぴりぴりした雰囲気で、疲れました。5分に一回くらい、監視員が、「静かに!ここは宗教施設です!」と叫ぶんですから、疲れますよ。
そこにいる人々の大多数はクリスチャンのはずで、宗教施設の何たるかをわかっているはずなのに、みんな自分だけはオウケイ、みたいな感じで小声でおしゃべりするんですよね。それがざわざわの原因なのに、誰も、自分が原因だとは思ってない。
こっちにすれば、監視員の声がうるさいし、自分だけは免れていると思って小声でおしゃべりする人々の声がたまらずうるさい。黙って見られないものは出て行け、と思うほど。静謐の中に生まれた美術を鑑賞するためには、静謐の中で鑑賞したいと思うので、本来の静けさがほしいんです、わたしなんかは。宗教云々でもなく。でも、本来宗教って、自分を見つめる場でしょうよ。おしゃべり必要ないでしょうよ。ねぇ。ミーハー美術鑑賞趣味のわたしでもそう思うのによ。っていう意味では、現実のクリスチャンって、全然宗教やってないんですよねぇ。

もうちょっとだけ、バチカン、続きます。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
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  1. 2013/09/01(日) 05:53:20|
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