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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

金と力の見える化、バチカン

イタリア王道観光旅行9
バチカン博物館、続きです。
システィーナをとってもじっくりゆっくり見て、かなり疲れ果てて、もういいよね状態だけれども、せっかくだから順路は全部見たい!という貧乏根性で、なかなか出口にたどり着けません。
そうこうするうちに、近現代美術のコーナーへ。




おお!マティスがいたんですね。
これは、南仏にあるマティスの教会のモチーフです。懐かしい。あそこは本当に気持ちのよい空間でした。まさかバチカンにこういうコーナーがあったとは、まったく記憶になかったです。
実際、近代ものも、小品ばかりですが、かなりの数持っているんです。
この人、イタリアの作家さん。




結構好きで、たまに目にすると、あ、いいなぁ、この人の絵は、家にあっても邪魔にならなくて、ちょっとほしいなぁ、と思うんですが、名前を覚えていない人…。
ちょっと前にフォロ・ロマーノで見たばかりのパラディーノさんの作品もありました。




角の生えた人。いいなぁ、このパラディーノ。ひとつほしい~。

そうかと思うと、いきなりロンゴバルド・ビスケット文様に遭遇。




これなんて、ほぼ出口に近い場所に、石彫り系のスペースがあって、うんざりするくらいの数の碑文、石棺、彫刻がずらずらと並べられているんですねぇ。これは見なければ、と修行モードが入り、何とか一周、一通り見ましたけれど、真剣に辛くなるくらいの数でした。それも出口近くで、相当へたっているところですからねぇ。それでも見る!

ここで姉がたち止り、ガイドブックを見だしました。「なんか、有名な絵画を見てない気がする…。」
ガイドブックの写真を見ると、確かにまだ見ていない有名な絵が何点もあります。
おかしいね、と館内の表示を見直して、また逆流。
絵画館、発見!




おお~!頭そりそりのイケメン発見!(リッピですよん。)




そして、思いっきり好みのイケメン発見!(ラファエロですよん。)こんなかっけー洗礼者ヨハネはめったに見られませんよ。絵の主役はヨハネが右手でさしている上部の聖母子なんですけどね、見ちゃいない。

激しく反射しちゃってますが、これも有名なサン・ジロラモさん。地獄の死者みたいで気持ち悪い絵ですが、レオナルドですよん。




そして、こちらはカラヴァッジョですよねぇ。




カラヴァッジョの絵は、今でも教会に置かれているケースも多いのですが、教会だとたいてい暗くて、絵がもともと暗いからほとんど見えなかったりして、イライラします。かといって、美術館で適度な照明で見るように描かれた絵ではないかもね。

バチカンの財産って、本当にすごい。
考えたら、教会の権力と財力を「見える化」したのが、この博物館ですね。バチカンを舞台にした犯罪(マネーロンダリングとか怪しい投資とか)って定期的に表面化しますが、そりゃそういう事件も発生しますわな。財務管理がどうなっているのか知りませんが、宗教施設ってどこの国だって非課税とか優遇措置がある現実で、宗教施設イコール国なんだから、やりたい放題みたいなところありますよねぇ。昔から、清貧を叫ぶ坊さんが出てきては異端とされてきたのが、カトリックの歴史でもありますもんね。そう考えると恐ろしいどろどろの結果が、この博物館を形作っているともいえますねぇ。
いや、宗教のおかげで美術は発展してきていますから、決してそれを否定するものではありませんけれども。わたしの愛するロマネスクは、キリスト教なかりせばありえなかったものですから。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
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  1. 2013/09/03(火) 04:53:38|
  2. 旅歩き
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

ヴァチカン美術館にいったのは はるか昔、有名どころをみて くたびれきった足でかなり階段を下りて行った先に 現代ものがあるのですよね。ヴァチカンで ビュッフェを見るなんて 思ってもみませんでした。ツアーでは絶対に行かないところですよね。私が行ったときは主人と二人だけ。ずっと誰もきませんでした。
4番目、ロンゴバルド やっぱりいいですねえ。
  1. 2013/09/03(火) 00:27:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

当時の貧富の格差たるやすごかったんでしょうね~坊主が威張っちゃったりしてね~まあ、すげ~時代です。


バチカンね、独特の空気感ですね。
アタシも「宗教ってなに?」って疑問持ちましたから。

たしかにイケメン~!
  1. 2013/09/03(火) 06:32:00 |
  2. URL |
  3. はなさん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ykさん
やっぱりロンゴバルドに眼が行きますね!笑
ツアーは、やっぱり相当駆け足で見るのでしょうね。今回は姉がどうしても見たかったシスティーナだったので、相当ゆっくりと見て、ミケの天井がのみならず、側壁のリッピとかの絵までオペラグラスで堪能して、あそこは人が多くても見通しがよいですから、それはよかったです。ルネサンスのアーティストたちの我慢強い仕事には、ほとほと感心しました。
  1. 2013/09/03(火) 21:17:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

洋吉さん
この時代、キリスト教は教会宗教化してだめになってますからね~。
わたしが今回感心したのは、とにかくリッピのイケメン坊主と、ラファの洗礼者ヨハネの色男ぶりです。いつもらくだの皮を来て、よれよれになっているヨハネさんなのに~。
なんて言っていると、クリスチャンの方に怒られそうですけど…。
  1. 2013/09/03(火) 21:19:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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