イタリア王道観光旅行14
ルッカ続きです。
この町でわたしが好きなポイントは、広場がたくさんあること。イタリアの町は、城壁で囲まれていて、その内部は建物ばかりで緑が少なかったりするんですが、その代わりに要所要所に広場があって、バール(カフェ)はもちろんのこと、ベンチがあったり階段に座ったりして、くつろげる仕組みになっています。
そして、一見、緑が少ないけれど、実は大きな建物は、緑滴る中庭を隠し持っていたりもするんですよね。
たくさんあるルッカの広場の中で、最も有名で観光地にもなっているのが、この円形の広場です。
写真で円形感を出すのは、とっても難しいですね。見事に、まあるくぐるりと建物に囲まれた広場なんですよ。多くの建物は、地上階はお店屋さんが多いですが、上階はアパートと思われ増す。高さがまちまちだったり、窓の様子や窓辺のお花や、どのファサードにも味わいがあります。
これ、ローマの円形劇場跡が、そのまま広場に流用されたものなんですね。名称も、アンフィテアトロ広場。地方の町村には時々見られますが、こういう町並みの再利用って面白いです。ローマの名残は遺跡の中にしか見られない、つまり町としては終わってしまったケースが多いわけですから、こうしてローマ時代から、いろいろな時代を経て、今も現役で町として繁栄している例というのは、すごい歴史の集積を抱えているわけで、そういう集積の真ん中に立つと、何か感じるものがあります。
すっかりのびのび落ち着いちゃっているこの子の下にも、歴史どっさりなんですよねぇ。
広場で、とても楽しいお店に遭遇しました。
ウィンドウは、正直ダサかったのですが、子供向けの商品が並んでいて、何かお土産になりそうな小物がありそうな雰囲気もあったので入ってみたら。
絵付けがすごくかわいらしいシンプルな陶器が並んでいたのです。
パステル・カラーで、どの絵もヘタウマといったらよいのか、とにかくわたし好みだったんです。売る気もなさそうなオバサンが、「陶器だったら上にもあるからよかったら見たら」と勧めてくれたので見たところ、ああああ!あれもこれもほしい!状態で、困ってしまいました。
かわいい上に、お値段もとってもお安いんです。
迷いに迷った挙句、わたしが選んだのはこちら。
かわいいでしょ~!
エスプレッソのカップ&ソーサー、直径5センチほどの小さな小鉢、佃煮なんか入れるのによさそうな蓋付き小鉢、お惣菜入れによさそうな小鉢。お土産用と思いつつ小物を選びましたが、実は全部自分にほしいくらい。車の旅だったら、大物も含めて、どっさり買ったと思います。
オバサンとちょっとお話したんですが、実はここ、障がい者の方々が作っている商品を売る、非営利組織団体の主催するお店だったんです。陶器の絵付けも、主に知的障がい者の方々の作品ということでした。誰もが自分の好きなモチーフや色を持っていて、たとえばこの子はいつも青い猫を入れるのよ、とか、お菓子の絵が大好きなのよ、とか。
包む袋にも、それぞれサインペンで直筆の絵が描かれているという、贅沢なものでした。
ルッカを訪ねられ、ちょっとしたお土産を探すなら、是非立ち寄ってみてください。
Cose e Persone - Social Cooperative r.l.
Piazza Anfiteatro 25, Lucca
www.coseepersone.org
お土産もゲットして、既に大満足のルッカ。
丸い広場を後にして、町の散策に戻ります。
天辺に樹木が植わっている塔を目指します。その途中の道沿いに、ふと、気になる建物がありました。
次々と、びっくりするくらいひきもきらずにご老人が入っていくので、目に留まったのです。今は老人向けのソーシャル・サービス・センターみたいなものになっているようだったんですが、ちょっと古めでおしゃれな建物の正面には、BAGNI COMUNALIって記されていたんです。公衆トイレってこともないだろうし、公衆浴場?
このあたりって、あちこち温泉が湧いていたりする地域で、かつてはそういう施設だったと思われるんですけれど、でも、そういう建物、他で見たことがありません。
窓の格子なんかも妙にお洒落で、町中のリゾートみたいな時代があったんでしょうかねぇ。ちょっと中をのぞいてみたかったです。
そしてその先に、グイジーニの塔。
観光客の皆さんがこぞって撮影しているのが、ちょっと面白くて、後ろからパチリ。
細い小路の先の風景って、つい撮影したくなりますよね。特にルッカのような中世の町並みが続く町は、いい写真が取れそうな気がして。実際はなかなか、なんですけれどね。
結構こんもりしています。
登っている人もいますけれど、ここは下からで十分でしょう(わたし的には)。わたしが気に入ったのは、根元にある建物の下部。
ベンチみたいになっていて、実際多くの観光客がくつろいでいました。すべすべの石が、時代を感じさせて、とても好ましくて。これって、もともとベンチとして作られているんですかね?でも、この建物はもともと名士の住まいで、実際に名士が住まわれている頃、町人が座ったりって考えにいです。でも、建物がこういう付属物つけているのって結構あるような気がします。何のためだったんだろう?それとも後付?
そろそろ時間切れ。ちょうどよさそうな列車があるので、急ぎ足で駅に向かいました。途中、廃業してそうな教会ファサードを通り過ぎたら、あらら、また中世ものが。
教会の名前も書きとめませんでしたが、いかにもルッカ風の彫り物。やっぱり中世に呼ばれちゃうなぁ、と思いながら、フィレンツェに戻りました。
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- 2013/09/10(火) 05:27:35|
- 旅歩き
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| コメント:4
陶器を見てやっぱりイタリアの色は違うなあ、と思いました。やはり行かないと駄目ですね。
- 2013/09/09(月) 22:40:00 |
- URL |
- チビッコ未来発電所 #79D/WHSg
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たかしさん
この陶器はほんとにかわいいんです。なんかもったいなくて、まだ使ってないんですけど。笑。是非いつか、訪ねてほしいと思いますよ。
- 2013/09/11(水) 21:50:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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私の賃貸のネームプレートはイタリアの工房に焼いてもらったタイルなんですけど、色が鮮やかで綺麗です。
写真の陶器も雰囲気が違いますね。
- 2013/09/12(木) 11:13:00 |
- URL |
- Takumi #79D/WHSg
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Takumiさん
ネームプレートがそんな凝った陶器なんて、素敵ですね。
わたしは日本の焼き物が好きなんですが、焼き物はやはり日本にあこがれる人も多いようですよ。工房兼お店、というようなところで、わたしが惹かれるのは、たいてい日本っぽいテイストを持っているもので、そういうお店で話すと、たいてい日本の焼き物はすごいって言う話になるんです。お互いに惹かれる何かがあるって面白いですね。
- 2013/09/13(金) 22:27:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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