夏休み、番外編
昨年に続き遊びに来てくれた姉ですが、今年もどっさりと漫画を担いできてくれましたので、ちょっとそのことを。
いやはや、最近の日本の漫画、本当にすごいですねぇ。なんていうか、どんどん深みに入り込むというのか。昨年出会い、心底びっくりしたのが、これ。
チェーザレ。いわずと知れたチェーザレ・ボルジアの伝記ものです。
わたしの世代、というか、同じような時代にイタリアに来ている人は、多かれ少なかれ塩野七生さんの著作の影響を受けているケースが多くて、チェーザレといえば、彼女の著作で知ったり、またファンになった人も多いはず。
わたしなど、超のつくミーハーですから、まさにその王道で、チェーザレもそうだし、ベネチアについても、コンスタンティノーポリにしても、最初は塩野さんでした。今は好みが中世に行っちゃってますから、塩野さんとは完全に袂を分かってしまいましたが(というのも変ですが)、でも、きっと今でも、イタリアに関しての彼女の影響力は、それなりに大きいものがあるのではないかと思います。
とはいえ、ローマ人の物語も完結してしまったし、やはり最初の頃ほどの普及度はなくなっているようで、若い人では、イタリアに来る人にして、読んだこともないとか聞いたこともない、という人がいる時代です。
そんな中、このチェーザレ。
ニッチな漫画かと思っていたら、実はかなりメジャーな人気作品だということを知り、二度びっくり。最近も化粧品大手と広告コラボをしたとか言う記事をウェブで見ました。
今回、最新の9/10巻が届きまして、ますます面白い。絵もきれいだし、登場人物が魅力的。とにかく歴史公証もすごくて、ただ感心。今後も楽しみな作品。
一方、ちょっと前に友人が最新刊を送ってくれた「大奥」。
これも、もはや説明の要らないほど有名な作品ですよね。
実は、友人に貸していて、つい昨日、数ヶ月ぶりに返って来たばかり。この最新刊、持っているのを忘れていて、改めて読み直してしまい、改めて面白かった!時代があちこち飛んだりするので、時々読み返すたびに、毎回楽しめるのも魅力。ってこれは物忘れの激しいわたし特有の事情かしらん。
戻ってきた作品中には、これもすっかり忘れていましたが、大好きな「聖お兄さん」もありました。人に長期間借りていただくのも、改めて楽しむのによい方法かもね。
こちらは、どの程度著名なんでしょうか。「時の地平線」。
三国志ですが、諸葛孔明にポイントを当てた歴史物。
一年ほど前、遠方の友人宅で見つけて、必ず返すから、ということで5巻借りてきました。約束どおり、ほぼ一年たって、つい最近遊びに行ったときに返してきたんですが、借りている間に、漫画仲間に又貸したところ、彼女大変気に入って、日本に一時帰国した際、不足していた続きから完結編までを持ってきてくれました。
最後がちょっとはしょった感があるのですが、それでも面白いです。これも絵がきれい、って言うか諸葛孔明がとってもイケメンで、全体にお洒落感もあって、それでいて曹操を始めとして登場人物それぞれが面白くって、やっぱり漫画ならではなんですよね。
また、全然タイプの違うこちら。「深夜食堂」。
ずいぶん昔に、日本の友人が1/2巻を送ってくれて、これはいい漫画だなぁ、とジーンと読んでいたものですが、まさかまだ連載が続いていたなんて。ちょっとテンション落ちてて、長く続けすぎじゃないのかと思いましたけれど、よくできたお話ですよね。
よくできた話といえば、これ。ほろりと来ます。
こういう、ホロリ感は、まさに漫画でしか表現できないんじゃないのかなぁ、と思う作品です。手塚治虫文化賞というのがどういう賞なのか知らないですが、確かにヒューマニストの手塚さんぽいかも。何度読んでもホロリ。
その他もたくさん。
我が家の漫画蔵書、本棚には限りがありますから、増えすぎると友人にプレゼントしたりもしてきていますが、どうしても手放したくない漫画ってありますね。それは本とまったく同じ。
わたしは、どちらかといえば本をよく読む方だと思うのですが、本を読む人はほぼ漫画も大好きな人が多いですね。逆は必ずしもそうではないのですが。とにかく今の漫画は読まないともったいないくらい面白い。漫画家さんって本当にすごいです。お話を作って、絵を描いて、演出して…。
よい漫画にめぐり合うと、よい本にめぐり合う以上に、日本語ができてよかった、とつくづく思います。だって、日本の漫画文化って、やっぱり独特。
といいながら、自分で日本から持ってくるのはなかなか難しいんです。同じ容量なら、漫画って一気に読めてしまうので、やはり本を選んでしまうんです。だから、わざわざ重いのに運んでくれる姉や、時々どっさりと郵送してくれる友人たちには、本当に感謝しております。他はなんともいえませんが、漫画好きな友人については、少なくともこの点は友人でよかった、と思ってくれてるかも。
日本にいても、読まない人は読まないんでしょうねぇ、きっと。もったいないことです。
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- 2013/09/18(水) 05:56:07|
- ミラノ徒然
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| コメント:4
漫画の紹介をありがとう。
私もマンが好きでよく読んできたのですが、最近のものを知らないのか知らないものばかりでした。
チェーザレ 興味ありますね。
「天才 柳沢教授の生活」ごぞんじですか
好きなので何度も読んでしまいます。
- 2013/09/18(水) 01:26:00 |
- URL |
- ガビィ #79D/WHSg
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に上に並んでいる漫画、どれも歴史の世界に浸り、学ぶこともできて、おもしろそうですね。恥ずかしながら(?)知っている作品が一つもありませんでした。機会かがれば、特に最初の作品はぜひ読んでみたいと思います。最近時々とチェーザレ・ボルジアゆかりの地を訪ねる機会があったからです。絵もそれぞれ個性的すね。
単なる娯楽に終わらない、歴史の上でも精神の上でも奥深い、そういうものが漫画にもあるのだなと、記事のおかげで知ることができました。興味深い記事をありがとうございます
- 2013/09/18(水) 12:18:00 |
- URL |
- なおこ #79D/WHSg
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ガヴィさん
マンが好きとは嬉しいお言葉です。やっぱり下に見る人もいますからね。チェーザレは、とってもお勧め。
天才柳沢教授の生活、知れないです~。今度一時帰国したときに本屋で見てみます。ありがとぉ。
- 2013/09/19(木) 19:27:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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なおこさん
こんにちは、コメントありがとうございます。
紹介したのは、比較的最近の漫画ばかりだから、きっと知らなくて当たり前ですよ~。わたしも、いただいて初めて知る物ばかり。日本の雑誌などで書評を読んでも、実際に目にしないと、忘れちゃいますよね。
チェーザレは面白いです。ゆかりの土地ってどこを訪ねられたのでしょう。ルネサンスは最近全然ですけれど、この漫画を読んだりすると、なんかやっぱり面白いかもと思ったりします。
是非、チャンスがあったら読んでみてくださいね~。
ブログ、お邪魔したことあります。また遊びに行きますね。
- 2013/09/19(木) 19:32:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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