コモ湖攻略第二弾、サン・ベネデット修道院に行ってきました。
コモ湖畔の町OssuccioまたはLennoから、標高800メートル超の修道院まで、かなりの急坂を歩くこと1時間半。想像していたよりもよほどきつくて、最後の方は、もうだめだ…、という感じでした。暑いので、汗もだらだら、まさに滝のように流れます。
他に歩いている人もなく、完全な山の静寂の中。時折聞こえるのは鳥の声、川のせせらぎ。雰囲気はすばらしいのですが、身体は悲鳴を上げています。もう本当にこれ以上はだめ、と思ったちょっと先に、あ、見える、あれ?それとも幻?と一瞬元気になって、急ぎ足で近づくと、うれしいことに本物でした。
しかし!扉が閉ざされています。
インターネットでの情報では、夏季は毎月第一日曜と最後の日曜にオープンしているとあり、今日はまさに最後の日曜日。なぜ?どういうこと?と外部の写真を撮りながらも納得できず、修道院のちょっと手前に、家があり人がいたのが見えたので、鍵のことを訊ねに戻りました。
その家はさらに上ったところにあるので、下の方から大声で、修道院の鍵はこちらで預かっているのですかぁ!?と叫んでみます。そうすると、「いや、あそこは年に数回しかあかないんだよ!鍵の保管者は僕たちじゃないし。でもちょっと待ってて」、と返ってきました。待ってて、それでどうなるのかな?と思っていると、若者二人降りてきて、「たまたま今日は預かっていたんだ!」とにっこりしながら、鍵を見せてくれました。なんてラッキー!早速彼らと一緒に戻り、教会に入ります。
中は、資料で読んでいたので、知ってはいたけど、実にシンプルで、でもとてもうまく修復してあって、心落ち着く素敵な空間でした。これは外からだけでは分からないことで、あけてもらえて、本当にラッキーでした。その上、鍵を持っていた若者は修道院のことにとても詳しくて、その歴史から修復の話まで、かなり細かくガイドしてくれたのでした。
はるばる遠い国の人が、わざわざこれを目指して来てくれるなんて、すばらしいことだよ、地元の人すら来ないのに!と鍵を開けてくれた彼は彼で、うれしかったみたいで、みんながハッピー、何より。遠慮せず、頼んでみてよかった!
教会を見ながら、持参のおにぎりを食べ、木陰で休み、いざ下り道。これがまた実に厳しい急坂で、登山靴でもずりずり滑りそうな。最後の方は、もう足がいうことを聞かない状態になっていて、へろへろ。ここは、二度と行かない、というかいけないだろうなって思います。
教会の写真や資料は、またロマネスクのサイトの方にアップします。いつになるやら分かりませんが。
Author:Notaromanica
ミラノ在住で、ロマネスクが大好きで、主にイタリア、フランス、スペインを回っています。