ラツィオ北部のロマネスク その29
道なり、という感じでさくさくと次に訪ねたのは、ネピNepiです。訪ねるべきは、この町のドゥオモDuomo。ネピって言うと、吟遊詩人?ゲーテ?森鷗外?なんかいろいろと文学が頭を駆け回ります。でも、到着した町は、意外と普通でした。
町は、幹線から、川を隔てたところにあるのですけれど、まずは、見事な水道橋に目を引かれました。
ローマの治水は本当にすごいですね。こんなところにある水道橋、名前もないし、誰も知らない。ローマ時代の道や水道橋、ありすぎて名所としても陳腐って言うか、そういうレベルで、今でもただ普通に残っている建造物。そうは言っても、ここの水道橋、かなり立派だと思うんですけれど。どうですか、ね。
これだけの水道橋があるんだし、こっち行けば街なんだろうな、と素直にナビの指示に従って、一応町に入ったのですが、坂道連続の上に、どうやら穏やかに駐車できる場所はなさそう。ということで、すごすごとあと返り、改めて川を渡って、町に入る前の道端に路駐することに決定。
これ、川向こうの建物の前にちんまりと停めたのが、このときのレンタカー、地味なグレーの500です。
こういうさり気な路上駐車も、十年前はできなかったなぁ、と感無量のわたくし…。それはともかくとして、前回に引き続き天候は不安定で、時折雨がぱらつく中、ネピの町に向かいました。
町のとっつきに、目的のドゥオモはあったのですが、なんと思いっきり、ミサの最中。目的は教会というよりもクリプタなので、ミサではどうしようもありません。とりあえず、町をぶらぶらとすることとしました。
雨上がりで晴れ晴れと美しい町。メインの広場では、イースターのイベントの始まるところでした。大人の背丈よりも大きなイースター・エッグ(多分チョコレート製)が、何かのコンテストの賞品になっているようで、市庁舎前に、人々が集まりつつあるところでした。「ハレ」の気配が濃厚で、町中が嬉しそうに笑っているような、そういう空気の充満で、なんだか嬉しくなってきたものです。
ゆるゆると、嬉しい気分でドゥオモに戻ると、おりしもミサがはねた(?)ところ、信者が続々と出てきます。逆流で無理やり入り込むと、教会内部は、これです。
ぎょへ~!目を射るような金銀のバロック装飾満載!
事前に調べていなければ、とてもロマネスクには到達できない現実です。はぁ。
わき目もふらずに小走りで内陣へ。
ミサ終了と同時に、教会を閉めるといわれたら困るし、実際、ランチの時間(12時半)なので、いつ閉められてもおかしくない状態ですからね、一人であせる一方です。
それにしても、近づいた内陣、クリプタへのアクセス、これでっせ?本当にあるんか、ロマネスク?と戸惑いながら、階段を降りました。
案じるよりうむがやすし、ですかねぇ~。
嬉しかったなぁ、明かりが灯ったときの、このクリプタの姿は。
かわいいでしょぉ~。
とにかく必死で撮影して、目に焼き付けて、という作業を行いましたですよ。
わたしが小銭を入れて点灯した明かりに引かれて、わたしのあとから、地元のお嬢さんたちが入ってきたりもしましたけどね、実際、本当に短時間で、閉めますから~、と声をかけられえてしまったので、アセアセの気持ち、正しかったんですよ。
見られた以上は、見る価値があったし、このためだけでもネピに立ち寄る価値はあると思いますけれど、なんか追い立てられるように見て、本当のところどうだったんだろう、という気持ちは、ちょっとあります。
少なくとも、外見は普通ながら中身は超バロック、でもクリプタに中世、というミスマッチ的には、かなり落差が激しい=面白味のある教会であることは確かですね。
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- 2013/10/21(月) 06:37:19|
- ラツィオ・ロマネスク
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