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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

世界遺産になると。

フリウリの中世その9

素敵な博物館の次は、チヴィダーレの代表的なロンゴバルド芸術が見られるテンピエット(神殿)に移動します。
驚きました。以前訪ねたときとは様変わりで、テンピエットを含むかつての修道院のほとんどの部分が訪問可能になっていたんです。以前は、テンピエットのある一角が開放されていただけでした。
Monastero di Santa Maria in Valle e Tempietto Longobardo
名称も、「サンタ・マリア・イン・ヴァッレ修道院と、ロンゴバルドの神殿」となっており、入り口から何から、まったく違う場所になっていて、最初は自分の記憶力を疑ったくらいです。




入ってすぐの場所には、教会があります。
この一帯は、ロンゴバルドの時代の町の中心地で、お城があったりした場所だったらしいんです。つまり7/8世紀頃から、すでに一連の巨大建物が建っていたもの。
全体の構造は、こうなっています。




下にあるのが、教会、サン・ジョバンニ・バッティスタで、右上の黒枠がテンピエット(神殿)、上の方は修道院の居住部分で、大きな中庭を取り巻く回廊になっています。教会とテンピエットの後ろ側は、ナティソーネ川を見下ろす断崖ぎりぎりというすごいロケーションです。
構造はよく残っているのですが、長い歴史の経過する間に、建物的には、残念ながら、テンピエット以外は、創建当時の姿とは様変わりしてしまったもの。
教会内部は、まったく新しくて、無愛想な姿でした。




教会前に受付があり、そこからテンピエットに続く中庭に入ります。ここはびっくりするくらい広い回廊で、変形した不思議な形。多分土地の形に合わせたのでしょう。




とてもよくお手入れされた庭になっています。
訪ねたときは、時代物の自転車を展示する展覧会場でもあったので、あちこちにアンティークっぽい自転車がたくさん置いてありました。
イタリアの自転車は、今でも高いクオリティを誇りますが、昔からすごかったんですね。日本の自動車会社のスタートは織機がほとんどと思いますが、そういえばイタリアはどうなんでしょう。もしかして自転車?




修道院は、今はありません。長い間女子修道院だったようですが、ずっと放置されていて、最近修復されたものの、展示会用や物置に、一部のスペースが使われているだけ。内部がどういう状態かは分かりませんが、相当広いので、もったいないみたいです。

そして、いよいよテンピエットに移ろうか、という頃に、博物館で見かけた数十人の団体がどやどやと入ってきましたので、のろのろしている暇はない!と大急ぎで向かいました。
というのも、テンピエットはとても狭いので、団体なんかと一緒になったら大変なのが分かっていたのです。
それでも、入場前に、この絶景は、無視できませんでした。




教会の側壁に当たる部分に、ちょっとだけお休憩スペースが設けられていて、断崖絶壁からナティソーネ側と町の一部を見ることができたのです。カメラのレベルおよび写真の腕がいまひとつで、こういう風景は、素晴らしさを伝えるのが難しいですねぇ。気持ちよい風が吹いて、いつまでものんびりしたくなる場所ですが、団体が気になります。
といいながら、これはなんだろう?




教会の下に温室でもあるのかしら。チェーンが滑車で窓につなげられていて、錘があって。何らかの作業で開けられるようになっているのでしょうけれど、からきし理系の頭がないわたしには、からくりがまったく分かりませんでした。
でも、こういう単純でシンプルなからくりの姿って、ちょっとアートっぽくて好きなんです。
おっと、団体が来ちまうぜ~!

テンピエット。




ここは、以前来たときと変わってないです。ただ、観光化が進んだおかげか、撮影禁止になっていました。ではこの写真は…。以前撮影禁止じゃなかった時代のもの、ということにしておきましょう~!




この小さなスペースでは、ロンゴバルド芸術のレベルの高さが感じられます。結構、ギリシャやローマ風のテイストも持っていたんだ~、ということなど、他では見ることができないので、びっくりします。建物の手前側天井には、14世紀頃のフレスコ画がびっしりあるのですが、少なくともわたしにとっては、その天井画はまったく意味がない作品で。もちろん、大いに好みの問題ですけれどね。とにかく、このテンピエットは、良くぞここまで素晴らしい状態で残った、ということも含めて、本当に素晴らしく、多くの人にお勧めしたい場所です。
そういえば、ロンゴバルド遺産ということで、イタリアのいくつかの地域がまとめて、ユネスコの世界遺産に登録されています。そのひとつが、ここチヴィダーレですね。

出口から、建物を振り返って、気付きました。




昔は、こっちが入り口兼出口だったんです。あーよかった。記憶力の問題じゃなくて、本当に以前とは違ってしまったんだな、とちょっと安心しました。
この道も、すっかり美しく整備されていますが、以前は、こんなところでいいのかしら、というような小道だった気がします。ラベンナの例もあるように、やはり世界遺産になってから、いろいろ整備も進んだのかしら。嬉しい反面、人が押し寄せて困る面もありますけど。いや、観光地としては困らないのかな。
昔の写真、引っ張り出したくなりました。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2013/11/27(水) 04:01:49|
  2. フリウリの中世
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

No title

おお綺麗になってる。私が行ったときは見るにはみれましたが、足場があって修復中でしたからね。綺麗になりすぎかもしれませんが。
  1. 2013/11/26(火) 23:20:00 |
  2. URL |
  3. クリス #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

くりすさん
修復って、テンピエット内部ですか?または建物全部かしら。いつ頃だったんでしょう。
本当に様変わりしていて、びっくりしました。どこでも、久しぶりに行って、すごく変わっていると、自分の記憶力が心配になったりします。本当に記憶にないこともあるんですが、実際にすごく変わっていることも多いですね。観光地化が、どこでも進んでいるということなんでしょう。
  1. 2013/11/27(水) 22:22:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

そう内部です、もう3年前ですよ。外観はあまり変わってませんね。
  1. 2013/11/28(木) 23:18:00 |
  2. URL |
  3. クリス #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

あまり観光地化されてしまうと・・・再度訪ねることはないと思いました。あの時の記憶のまま封印です。最後の写真のアプローチも、8年前は誰も通ってなくて。。。
  1. 2013/11/30(土) 05:05:00 |
  2. URL |
  3. Teruteru #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

クリスさん
内部の修復ですか。でも、以前に訪ねたときも、漆喰の女神たちは白かったですけどね。まぁ、遠目でしか見られないから、実は傷んでいたのかもですね。
いや、変わったのは外観なんですよ。もう本当にびっくり。
  1. 2013/12/01(日) 23:13:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

Aliceさん
多分、Aliceさんの記憶にあるテンピエットと、わたしの記憶にあるテンピエットは同じようなものだったんだと思います。この観光地化ぶりにはびっくりしました。まぁ、ひどいことになっているわけではないのですが、当時のひなびた風情とは天地の差。
個人的には勿論、独り占めしたいところですが、でも、他の多くの観光地化してとんでもないことになっている場所に比べれば、全然オウケイですから、再訪もありですよ。
  1. 2013/12/01(日) 23:16:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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