フリウリの中世その16
アクイレイア、続きです。
カテドラルの正面向かって左側に、教会とはずいぶんと離れて、一人建っている鐘楼。
堂々と立派な、実に巨大な塔です。カテドラルも相当巨大なので、バランスが悪いということはないのですが、それにしても「存在感主張しすぎ」感は、若干あるかも。いや、塔を下に見るわけじゃないけど、所詮塔は塔だしねぇ。
ここ、前回はクローズしていたので近寄りもせずでしたし、今回も、ま、塔だし、どっちかといえば外から見てもう十分と思ってはいたのですが、なんせ共通入場券買ってしまったし(もったいない病)、次回はいつになるか分からないし(貧乏性)、当然階段で登るわけだから、体力ないと上れないし、ということは、もう一生登れないかもしれないし、とどうでもいいことを考えて、結局入ってみることにしました。
また戻ってくるために見残しをとっとくのもひとつですが、同時に、必ずしも次あることに期待してはいけない、というのも現実です。
って、そこまで深刻になることもないのですが、要はちょっと疲れていたし、階段辛いなぁ、と言うことで、登らない言い訳を考えていたわけなんです。
まず、塔の入り口までの階段が、既に体力というより気力を奪う迫力。
一段が30センチくらいあって、足を置くスペースは、極狭…。バランス崩したら派手な階段落ちで確実に怪我する…。
場をわきまえないイタリア人のおばちゃんとかが、サンダルでふらふら登るのを、阻止したい気持ちになりました。
実際、本堂を訪れる観光客の数に比べると、鐘楼に来る人はわずかでしたが。
しかし、ここもやっぱり、登ってよかったです。
いきなりこれ。
塔の下部には、古い時代の教会や住居の遺構があって、床モザイクがびっしりなのを紹介していますが、どうもその一部が見えるようになっているんです。高いところから全体を見下ろすので、モザイクがより印象的。
この塔は、このモザイクがあることで、一応「ポッポーネ鐘楼博物館」という博物館の位置づけになっているんです。ちなみに、ポッポーネは当時の司教さんの名前。
このモザイク、発見は1962年だけど、整備されて修復されて、今の姿で公開されているのは2012年から、とあったので、このアクイレイアの考古学地域でも、最も新しい展示物のひとつ、ということになるようです。階段登り嫌さに、危うく見逃すところ!
動物の姿が生き生きしていて、素晴らしいものです。
しかし、このモザイクのあとは、狭い石の階段をひたすら登るのみ。途中辛くて、写真を撮る余裕もゼロ、ぜえぜえで天辺にたどり着きました。
遠くに海!
おそらく、古い教会の建てられた4世紀頃、海はもっと近くにあったのです。そう遠くない場所に、港の遺跡とかありますからね。家が立ち並んでいるあたりは、もう海だったのかもしれない。海のそんな近くに建てられたということは、穏やかな海だったのでしょう。灯台的な役目もになっていたかも。
遺跡発掘現場、発見!
全体、教会っぽいですね。もしくは住居?どうやらモザイクがあるようです。
野ざらしで公開されているモザイクも。
考古学地域は、今回も全部は回っていませんが、あちこちにこういうものがあるようです。地域一帯、もしかすると歴史地区ということで、今後の発掘を待っているのか、空き地がたくさんで、緑が多いです。掘れば絶対に何か出てきちゃうんでしょうから、そりゃ開発はできませんね。
足がくがくしながら地上に戻り、教会の後陣の姿もチェック。
修復や再建は激しいですが、再建にしても、アーチや付け柱など、ちゃんと古い姿を残しているのが、好感持てました。
やっぱり世界遺産。整備は素晴らしいし、見せるものを持っているし、進化しているのがいいですね。次回があったとしたら、またきっと何か違うものがありそうな。そういえば、初期キリスト教博物館も、修復直後で組織がちゃんとしてないとかそういう理由で、今は木曜日の午前中だけ、という非常にリミテッドな公開ですが、おそらく近い将来はもう少しまっとうな公開になるんじゃないでしょうか。
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- 2013/12/09(月) 03:34:48|
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