マルケ・ロマネスク、その1
プロローグをアップしてから、ずいぶんと時間がたってしまいましたが、やっと、春に訪ねたマルケ特集、開始です。さくさくと行くことにしますね。
ミラノを出発して、まず訪ねた町は、チンゴリCingoliです。
不思議な町の名前。 起源を探すだけでも、なんか面白そうな感じがします。このあたりの古代定住民族ピチェーノPicenoとか、ギリシャに関係しているかも、と思ったり。
市庁舎前は、美しい広場になっていましたが、それを囲むように立てられている柵に、CINGVULVMとありました。ちょっとギリシャとか古代テイストあります。やっぱり起源は古そう。紋章も、鹿と樹木で、それらしいいわくがありそうです。
でも、春の旅を今頃アップしているわけですから、そういうことを調べるのは、とりあえず置いといて、まずは、ロマネスクの旅をしましょう。
ここは、ロマネスク的には、あくまでマイナーな町。町全体の雰囲気は、それなりに中世なんですが、でも、どうしても行くべき場所かといえば、そんなこともなくて。ただ、通り道だったので、一応寄ってみた、という感じです。
旧市街唯一のロマネスクの遺構は、ここ、サン・フィリッポ教会Chiesa di San Filippo。
旧市街の中心部にあります。 ロマネスクの遺構ではありますが、教会建築全体は、修復が激しく、当時の姿とはずいぶんと変わってしまっていて、扉口装飾に、かすかに面影を見ることができるだけです。訪ねたとき本堂はクローズでしたので、内部は分かりませんが、外観から判断するに、内部はおそらくバロック等の新しい装飾になっているのではないでしょうか。
扉口装飾は、地味な上に、排気ガスなどで相当汚れているし、痛みも激しいのですが、今でも彫り物は残っています。 タンパンの人物フィギュア。
上半身が欠落しているのは寂しいですが、意志の強そうなお顔はしっかり残っています。フィリッポさんなんでしょうね、やっぱり。 雰囲気としては13世紀初頭くらいかとも思われました。ロマネスク後期、ほとんどゴシックにかかっている感じでしょうか。 一方で、側柱の柱頭は、動物フィギュア。
左右同じフィギュアみたいでしたが、左の方は欠落と痛みや汚れが激しくて、何かよくわからない状態になっていました。グリフィンとライオンっぽいですよね。感じとしては、やっぱりゴシック入っている感じです。
一応後陣もチェック。
やっぱりだめですね。 多分、この町では、高台からの風景を眺めるのが、多分一番の眼福。
ちょっともやっていはいましたけれど、遠くにアドリア海まで見えて、素晴らしい眺めでした。畑と、土の部分と、うっすらと黄色い花畑の部分と、まさにパッチワーク。 マルケは、丘のうねる土地が多いですが、トスカーナよりも起伏が細かく激しくて、時々ぐっと上に突き出したこういう町が多いように思います。だから遠くまで広がるパノラマを、より印象的に楽しめる場所が多い。うねうねが好きか、激しい高低差が好きか、という丘好きカテゴリーがあるとすれば、チンゴリは後者に受ける町ですね。 ロマネスク、関係ないけど。さくっと行きました。
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2013/12/21(土) 06:28:40 |
マルケ・ロマネスク
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おおチンゴリだ。でも、ここで見るべきは町の外周部にあるサン・エスペランッイオ、サン・フランチェスコ教会(Sant'Esuperanzio e San Francesco)でしょ?
計画では入っていたけれど、どのルートからも少し離れた位置にあって断念した所なんです。しかも美しいイタリアの村協会所属の村ですしね。
2013/12/21(土) 00:26:00 |
URL |
クリス #79D/WHSg
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クリスさん
そうそう、サンテスペランツィオは、一応事前にチェックはしていたんですよ、町外れの墓地にある教会らしい、ということまで。でも、チンゴリはそもそも立ち寄る予定もなかったし、この旅は友人と一緒だったので、余りマイナーな追求ができなかったんですよね。
ま、いずれにしても、ロマネスクゴシック、ということだったし、このサン・フィリッポの時代もほとんどそうだったんで、余り執着せず、通過してしまいました。
町は、たいしたことなかったけど、とにかく景色は素晴らしかったので、それで満足しましたね。
2013/12/21(土) 23:02:00 |
URL |
corsa #79D/WHSg
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