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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

アスコリといえば、オリーブ?

マルケ・ロマネスク、その4




次に向かったのはアスコリ・ピチェーノAscoli Piceno。
ここもまた、アクセスするのに、苦労した町です。町は、高台というわけではないのですが、全体を川に取り囲まれていて、その川は、深くえぐられた谷底を流れているために、町の一面は断崖絶壁の上になるんです。ナビの指示を読み間違えて、一度はその谷底まで降りてしまい、町からの一方出口になっている道に入ってしまいそうになりました。
ナビでは以前もこの間違いでえらい目にあったことがありますが、ナビって、高低差が分からないんですよね。少なくともわたしのトムトムは、二次元で見たら方向も似たような道だけど、ひどい高低差があって、行き先が全然違っちゃう道を最後まで読みきれずに、とんでもない道に誘導されたことが何度かあります。
幸い、このマルケの旅は一人じゃなかったこと、主に、わたしより運転がうまい友人が運転していたことで、大事には至らず、でしたが、結局町を一周回り込んだ挙句に、旧市街には入れず、川の外側の住宅地の一角に駐車しました。

アスコリ・ピチェーノは、マルケの州都ですが、その割りに小ぶりで、旧市街は、中世の面影をよく残す、美しい町並みです。たくさんの塔があることでも有名で、実際、少し離れると、どこからでも何本もの塔が目に付くのです。




橋をわたってアクセスする場所が多いのですが、古い城門が残っていて、趣があります。橋も、すべてが古い時代のままではないとは言え、なんせ深い谷を渡る土地的制約から、どうしても往時と同じようなサイズになるわけで、全体が新しくとも中世当時とそんなに変わらない景色なのではないかと思います。




旧市街は、若干の高低差があるだけですが、川に囲まれていて、それ以上は拡張できない限られたスペースであるためか、建物がぎっしり。道も見通しのきかない小路の連続。そして、見上げるほっそりした天の一角には、必ず、と言っていいほど塔が入り込みます。




こういう立地の町では、どこでも美しい広場がありますね。ここでも限られたスペースの中にも、大小織り交ぜて、印象的な広場がいくつか設けられています。中世の町村って、実によく都市計画がなされていたんですね。広場は、市場や周回や、市民の日常生活になくてはならないスペースだったのでしょうし、また狭い小路の連続の中に暮らしていたら、ほっとする空間でもあったのではないかと思ったりします。




昔、シエナやペルージャで暮らしていたとき、小路を抜けて広場にたどり着くときの開放感ってあった気がするんです。
町で、一番美しいとされているのが、このポポロ広場。




オリジナルは12世紀頃のようですが、広場として完成したのは都市国家が安定した後、ルネッサンス時代のようです。商人組合の建物とか、サン・フランチェスコ教会が一角を占めています。今は市庁舎が中央にあるし、市民なら定期的に訪れざるを得ない場所でもあるのだと思います。




ところでアスコリといえば、つい連想しちゃうのが、わたしの場合はこれです。




アスコリ風オリーブOlive all'ascolana。
このあたりで産するのでしょうが、とても大きいオリーブに種の代わりに肉をつめて、からりと揚げてあるもので、酒、特にビールのおつまみにぴったりなスナックなんです。
さすが、屋台があるんですね。他で見たことないです。焼き栗やチップスみたいに、立ち食い用に売っていて、お祭りだからとかではなく、常にあるような雰囲気でした。また、地元の人たちが結構買っていました。これ、おいしいんですよ。大量にいただけるものじゃないですけれども。

実は雨に降り込められて、若干難儀の観光でしたが、ずっと気になって初めてたずねた町でしたから、うきうきしながら歩きました。
ロマネスクは次回。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2013/12/27(金) 02:16:26|
  2. マルケ・ロマネスク
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