マルケ・ロマネスク、その5
アスコリ・ピチェーノ旧市街の中世を訪ねます。まずは、最も気になっていたカテドラル、サンテミディオBasilica Cattedrale di Sat'Emidioに向かいます。
え、これですか、と思うと思うんですが、今ある上ものは、正直まったく興味がないのです。ここで向かうべきはクリプタ。ルネサンス以降の装飾びっしりの本堂内部に嫌気がさしても、忘れずにクリプタに向かってくださいね。
今ある教会は、もちろん以前あった教会の基礎の上に建てられたものなんですが、それよりもさらに以前にあった教会に、今に残るクリプタがつけられたのは、11世紀半ばのこと。この教会が捧げられたサンテミディオ(聖エミディオ)の亡骸が運び込まれたことによって、その墓所として作られた場所です。
よくあることですが、聖人の遺骸は、カタコンベから運ばれたそうです。なんか、そういう感覚、まったくわからないですけどね。わざわざ掘り起こして引っ張り出してきたわけですよね。墓堀の人、嫌じゃなかったのかな~。
おお!
ここはすごいです。どこまでも続くトンネル。びっくりしました~!雰囲気ありますよね。
さりげなく、ごろんという感じで石棺などが置かれていて。
でも、こういう場所って、なんか一人で奥まで入るのは、勇気がいりますね。古いだけで、いくら明かりがついていても、ひるみます。今回は友人と一緒だったけれど、それでも他に誰もいないので、躊躇しましたね。まぁ、実際は、この写真で感じられるよりは狭いんですけれど。
実は、ここの地下の位置関係とか、ほとんど忘却の彼方です。本堂からどうやって入ったかも、実はよく覚えていない。このときは時間がなくて、メモをほとんど書いてないので、だめですね~。後日、調べることにします。
で、ここまでは古い部分。
石棺の安置してあるクリプタ本体は、こちら。
とても広いスペースで、かなり新めの部分と、古い部分からなっています。わたしが興味を持つのは、当然古い部分。
二本組みで結び目があったり、こういう風にペアになっていたり、という柱が数本。これは珍しいですね。柱頭は、素朴な植物モチーフが多かったですが、どれも異なり、素朴で愛らしいものでした。意味のよくわからない図像もいくつかあり、調べたら面白そうです。
全体が古いままで残されていたら、見事な中世の遺構となったのでしょうが、半分って言うのが、ちょっと半端。
さて、ここカテドラルでは、そのお隣に立つ洗礼堂Battisteroも必見。
残念ながら、ちょうどお昼でクローズの時間の上に、雨が激しく降ってきてしまいました。友人ともども、間抜けなことに、車に傘を置いてきてしまって、雨宿りする場所もほとんどなくてどうしようもなく、オープンを待つ根気もなく、引き上げる羽目になってしまいました。ひとりだったら、おそらく待っていたのでしょうが、でも、内部は、さほど重要なものがあるわけではなさそうでした(と、”すっぱい葡萄”して、引き上げた次第)。ただ、外壁にちょっと面白いものを発見しました。
なんだか怪しい図像…。直線が、とてもモダンなものなのかとも思わされますけれども。洗礼堂の二面の角に同じ高さではめ込まれていました。気になります。
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- 2013/12/28(土) 03:59:07|
- マルケ・ロマネスク
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