マルケ・ロマネスク、その10
次に尋ねたのは、サン・ジネシオSan Ginesio、「イタリアで最も美しい村I Borghi piu' belli d'Italia」に登録されている小さな村です。
城壁に囲まれた中世の村です。地味な壁の手前に車を停めて、村に入ります。
この城壁、どうやらかつては城壁の上に登れたようです。小さな木製の階段があり、その入り口部分に「Strada dei Tiratori射手の道」という表示がありました。今では残念ながら門扉が閉ざされていましたので、整備が追いつかないという、イタリアではありがちな、「歴史遺産多すぎで、管理仕様がない」状態に陥っているものと思われます。 では、中心部を目指そう、と思ってまず目に入るのが、こちら。
城壁からすぐ右側にある、立派な建物です。たまげたのはこちらの、かなり手作り感あふれる表示。
「売り物件、巡礼者救護所。旧サン・パオロ教会とその関連施設」とあり、夜間連絡先として、携帯電話の番号が記されていました。
明らかに中世の建物で、そして、かなり美しく修復されているんです。でもきっと、それは外観だけなんでしょうね。 夜間連絡先として携帯の電話番号が記されているということは、既に個人の所有物。たまたま遺産相続した人なのか、または余りに荒れ果てた結果としてぼろぼろの物件を投資物件として安く手に入れたけれど、余りの修復コストに、これ以上はいかんともしがたいと、と思った人なのか、とにかく売りに出ているんですよ、歴史的な物件が! 元は教会となっているわけですから、この建物の裏側には、きっと教会とかのある土地もあるはず。数年後に行ったら、立派なホテルになっている可能性大ですね。 わたしに経済的な余裕があれば、買ってみたいものですが、それにしても、こういうものが、今でも個人所有となっている事実が、やはりヨーロッパって計り知れないものがあります。
全体に中世っぽいたたずまいを残しながらも、何もなさそうな田舎なのに、何で、どこもかしこも、こんなにこぎれいなんだろう、と感じさせる村です。
びっくりするくらい狭い小路の連続で、時々、行き詰まりに教会の建物などが垣間見えたり。お散歩の楽しい村です。
お散歩に来たのかって? もちろん目指すはロマネスクの教会です。 でも教会は村の中心にあり、村の中心までは、緩やかな坂道をうろうろと登らないとたどり着けないわけで、その間、中世のたたずまいを、嫌でも堪能させられるという仕組みです。車はとても入れない小路ですからね。 それにしても人っ子一人いない小路の連続だったのですが、中心の広場では、それなりの活気と、村人がいるので、その落差にびっくり。村人、いきなり中心部に現れるために、どっかに潜んでいるのか?と思ったり。
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2014/02/02(日) 06:19:55 |
マルケ・ロマネスク
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| コメント:4
おやおや、この病院(救護所)売りに出されているんだ。私の訪問した時は、この貼り紙はありませんでしたよ。あるいは見逃しただけかもしれませんが。
たしかに数年すれば、ホテルになってそうな気がします。歴史的建造物ですからね。
2014/02/01(土) 23:18:00 |
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クリス #79D/WHSg
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既に結構修復されていたので、本当は最後まできっちりやりたかったのではないかと思った次第。
どうですが、クリスさん、ここはひとつ、ホテル・オーナー、という道は?よいところですよ~。
2014/02/02(日) 23:13:00 |
URL |
corsa #79D/WHSg
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わたしも先立つものがあれば、ホテル事業、やってみたいんですけどね~。やっぱり宝くじかしらね。
2014/02/04(火) 22:44:00 |
URL |
corsa #79D/WHSg
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