ラングドック・ロマネスクその2
サン・パプール修道院Abbaye de Saint Papoul続きです。
教会に入ります。
おお、やっぱりこうなっちゃっているのね。構造は、それなりに古いものが残っているようだけど、改築や付け足しやらで、本当のオリジナルの姿が隠れちゃっている上に、中央後陣、バロックですか、きらきらとしちゃって、「うっ」なんだけど、脇の方は、もしかして後代に修復で元に戻したのか、石の壁が見えます。
左後陣。
おや、これはもしかしてかなり古い状態では?と、思わず近づいた見たら、あなた!
ずいぶんつるつると新しく見えた円柱の上に、とってもロマネスクな柱頭装飾があるんで、びっくりしました。いきなり気がはやってきた。
事前にチェックしたこの教会の見所としては、「内陣、後陣、ナルテックス」としかメモしてなくて、具体的にはほとんどわかっていなかった上に、本堂全体の様子を見たら、内陣に何を期待するんだ、という気持ちになっていたので、そういうところでこういうものに出会うと、必要以上に興奮してしまいます。
意味もなく、アワアワしながら、右側後陣へ。
すっごくすっごくびっくりしました!
これって、ほとんどトスカーナの、素朴柱頭密集地であるスティアやロメッリーナにあるやつらと同系列じゃないですか?
こっち側、こんな感じです。
多分、バロック時代には、色を塗りたくられていたか、漆喰がかぶせられていたか、そんな状態だったものなのかな、と思います。場所によっては、柱頭も、半分壁に埋まっちゃったりしていて。それでも、これだけ取り戻されて、今、往時の姿を見られるというのは、奇跡みたいなものです。
ここにある柱頭、どれも面白いです。顔だけ浮かんでいるパターンが特徴的。装飾的なモチーフが背景を飾っているのも面白いし、変に写実的に洋服のひだひだが丁寧なのも気になります。
楽しいので、ついたくさんアップしてしまいました。
ここでは、薄い本を購入したんですが、もちろんフランス語ですから、じっくりと読まないと分からないんですよねぇ。まぁこれらの柱頭がロマネスクのものであることは確かながら、図像の内容にまで触れているのかどうかも分からないのです。そもそも、こういうスタイルの図像だと、推測する以外の意味は、今では分からないことが多いものと思いますが。
それにしても、トスカーナのサンタンティモのカベスタニーにしても、この素朴系モチーフにしても、やはり明らかに、交流があったということなんですねぇ。海が近いから、地中海を航海して、双方の職人さんたちが、呼んだり呼ばれたり、というのがあったのでしょうか。ロマンです。
実はもうひとつの見所がありますが、次回。
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- 2014/02/28(金) 06:08:18|
- ラングドック・ルシヨン
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