ルシヨン・ロマネスクその1
いよいよ、今回の旅の本当の目的地、ルシヨンに移動します。
大雑把な地図では、こんな感じです。北がラングドック、そして南は、もうすぐスペインとの国境のピレネーとなる地域。
旅のルートは、
Cabestany - Elne - Boulou - S.Martine de Fnollar - St.Andre' - S.Genis de Fontaines - Prades - Abbaye de S.Martin - Corneill Conflent - Villafranche de Conflent - Abbaye de S.Michel de Cuxa - Eus - Espira de Conflent - Thuir - Serrabone - Les Clauses - Arles sur Tech - Villelongue dells Monts - Brouilla - Toulouges - Espiera de Agly
たったの三泊と、決して十分とはいえない時間だったにもかかわらず、ピックアップしてあったほとんどの教会を回ることができたのが、驚きです。効率よく回れた要因のひとつとして、この地域が観光に力を入れていて、比較的情報も集めやすかったり、人々がフランス語以外の言葉を解す率が、他のフランスの地域に比べたら高かったり、観光に対する姿勢が積極的だったことなどがあると思います。
最初に訪ねた町カベスタニーの博物館で、入場の際、これは持っている?とすぐに渡してくれたのが、このパス。
パスポートサイズの小冊子で、ルシヨン地域の見所が、コンパクトにまとめられています。多くが中世の教会や城ですが、自然公園などもあったり。そして巻末にはこれ。
要はスタンプ・ラリーみたいなものですね。この冊子そのものは無料ですが、掲載されている多くの場所で、入場料の割引を受けられる上に、このようにシールを張ってくれたり、はんこを押してもらえたりします。そして、有効期限中(一年くらいだったように思います)に、12ヶ所訪ねて主催者に送付すると、抽選で何かもらえる、というような。
わたし、短期間にもかかわらず、11ヵ所訪問して、あちこちでほめられました。あと一ケ所、実は宿泊したホテルの近くにある教会に気付いていたら達成できたんですけれども、出発直前にホテルのオーナーに、あそこは行った?と尋ねられて気付く始末で、残念でした。とは言え、あちこちで割引を受けることもできて、相当お得感を味わったし、妙に達成感もあって、楽しい思いをしました。
ところで、この同じような冊子が、どうやらラングドックにもあったのですよ。これをもらって、ふと思い出すシーンがありました。ラグラースの修道院で、スペイン人カップルが、「これで割引を受けられるって聞いたけど」と受付の人に出していたんですよね。そのときは気にもしなかったのですが。
なのに、いくつも訪ねたあちこちの観光サイトで、わたしにくれる人はいなかったんです。
ラングドックとルシヨン、歴史は似ているし、一緒くたにされる地域ですが、明らかに違う何かがあります。ルシヨンは、田舎なのに、国境に接しているせいなのか、開放的で外国人にオープンなんです。
フランスでは最も外国語が通じる土地なのではないでしょうか。少なくとも英語と、スペイン語ができれば、かなりらくちん。観光客にスペイン人が多いので、地元の人がだめでも、観光客に助けられることも多数ありました。また、フランス人にしても、こちらの片言のフランス語を理解しようとしてくれる人が多かったように思います。わたしにとっては、初めて言葉のストレスが少ないフランスでした。
改めて写真を見て、やっぱりここはすごい、と感心しています。カタルーニャですから、フランスの他の土地に比べると、圧倒的にロンバルディア・スタイルも多いし、教会の建物そのものが古いスタイルで残っているケースが多いので、彫り物やフレスコ画だけを楽しむだけでなく、建物全体のたたずまい、またそれを包む町村全体を楽しめる場所が多いのです。
また多くの場所で、修道女さんらのガイドに出会えたことも、印象を強めた要因と思います。おいおい記事にしていきますが、有名なカニグー以外でも、多くの素敵な方にガイドをしていただく機会を得て、とても幸運だったと思います。
自分が幸せだと、また幸運が舞い込む、みたいなとてもよい循環に入り込んだ感じで、今までのフランスで、最も充実していた旅。
必ずや、再訪を、と思っていたら、イージー・ジェットのトゥールーズ直行便がなくなってしまい、がっかりしているところです。
長いプロローグとなってしまいましたが、次回からの旅、どうぞお楽しみに。
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- 2014/03/25(火) 03:49:58|
- ラングドック・ルシヨン
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| コメント:6
「ルシヨン」ときて急にテンション上がりました。記述にいちいち納得のoteです。Fnollarとか、宿からほあぐらさんにお尋ね電話までしながら見そびれちゃったとこヨロシクお願いします。
Viva catalunya!
- 2014/03/24(月) 23:34:00 |
- URL |
- otebox #79D/WHSg
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私も若い頃にパリで3年ぐらい暮らしていた時期がありました。
特に目的は無かったので、パリ近郊のお城巡りや名所旧跡を先輩の車で、週末に日帰り観光しただけでした。
古代遺跡にも我楽多収集も、20代の半ばでは思い付きませんでした。
ワインを呑んだ暮れていた青春の一コマを思い出しました。
- 2014/03/25(火) 01:13:00 |
- URL |
- 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
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このパスポート懐かしい~!私も最初のカベスタニーでもらいました。確かにフランスのロマネスク巡りのなかではルションは個人でも回りやすいところでした。私の場合はとくにバスがそこそこ便利で遅れもなく、1ユーロ均一というのが嬉しかったです。私は夏の終わりでしたので、季節が違うとまた風景も変わりますし、この後のアップ楽しみにしています。
- 2014/03/25(火) 13:12:00 |
- URL |
- Teruteru #79D/WHSg
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oteboxさん
そうでしたね、ついこの前、みたいな感じですよね。Fenollarは、すごく地味な場所にあって、ここはフランスオンリーでしたが、居合わせたスペイン人カップルの観光客に助けられて、楽しい会話をしたことを思い出します。こっちはかなりイタリア語状態ですが、スペイン人だと、分かってくれるのですよね。
ゆっくりになりそうですが、今後の記事、楽しんでいただければ嬉しいです。
- 2014/03/25(火) 22:00:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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山下さん
パリにもお住まいだったんですか。なんて素晴らしい。
わたしのロマネスク修行は、二十代どころか、ですから、あせってしまうんですけれど、短期間集中、もそれなりに得るものはありますよね。ワインのんだくれという日々もまた、素敵ですし。ちょっと長すぎたけど、のんだくれ期間。わたしの場合。笑。
- 2014/03/25(火) 22:02:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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Teruteruさん
そうなんですか。このパスポート制度、いつからやっているんでしょうね。面白いし、実用的だし、あちこち回りたくなるシステムですよねぇ。
バスでもしっかり回れるのですね。それはそれで楽しそう。いつか時間に余裕ができたら、時間をかけて、スケッチしながらバスで周る旅もしてみたいです。
久しぶりに、ブログお邪魔させてもらいますね。
- 2014/03/25(火) 22:05:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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