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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

エルンの回廊

ルシヨン・ロマネスクその4

次に訪ねたのは、エルンElne。ナビに従って走っていたら、いつしか町に入り込み、どこで停まれるのか分からない一本道で、そのまま通り過ぎてしまいそうになり、慌てて町のほぼ終わりにあった駐車場に停車。




街道沿いに発展した、典型的な町って感じ。町の出口にある駐車場から、歩いて戻り、表示を頼りに教会を目指しました。旧市街が丘の斜面にある立地で、緩やかに登るのですが、とにかく住宅街が張り付いて見通しが利かないので、方向音痴のわたしには辛い土地。頼りは上り坂、ということだけ。
うろうろしながら、何とか、目的地らしき教会にたどり着きました。




塀を回ると、入り口があります。午前中は11時45分まで、とあり、この時点で正午が近かったのであせりましたが、夏季は昼休みなしの営業、とあったので、安堵しました。

ここも、フランスらしく、外観はゴシック入っていますし、さて、どうでしょうか。見るべきとなっているのは、キオストロと、メロヴィング朝時代の石棺。
聖エウラリア・エ・ジュリア聖堂Cathedal de St Eulalia et St Julia。が、観光名所として名高いのが回廊であるせいか、入場口には教会名もなく、「エルン、回廊」とあり、ちょっと寂しい気がしました。仮にもカテドラルなのにね。




入場すると、すぐ、そのお目玉の回廊となります。




回廊が取り巻いている中庭にも、本来は意味づけがいろいろあるはず。ここでは、ラベンダーらしき草花が異常繁茂して、中庭の意義がほとんど保たれていないように思ってしまいます。繁茂に任せてしまうって、どうなんでしょう?取りとめのない中庭になっていますよね。

一番古い時代、12世紀の南側回廊。




あれ?本当に12世紀?と思う感じの、ちょっと洗練された彫り物があります。




獅子。ああ、カベスタニーらしい感じです。この人たち、写実的でうまいんですね。ちょっとオリエントも入っている感じの繊細さがあって。ライオンのたてがみは狛犬系の癖して、妙に筋肉が見えたりするのが、なんかカベスタニーっぽい感じって言うか。

かと思うと、いきなりかなりプリミティブって言うか、ある意味現代的って言うか、手の違う柱頭が。




アダムとイブっぽいですね。イブが色っぽくて、アダムは馬鹿みたいに突っ立っているんですが、ここにはカベスタニーらしさはゼロ、と思いますが、如何。
と思うと、今度はまた違う手で、イブの創造ですかね。




職人さんが多数働いていた感じ。
お、おなじみ、二股人魚。




人魚の性別不明…。でも、おなじみのモチーフに出会うと、意外とほっとするものです。なんかここの回廊、あまり大きくて、どうしてよいのやら、という気持ちになっていたのもあって。
多分、上の写真も、時代混ざっていると思いますが、回廊の他の面では13世紀の作品も多数、ゴシックが入ってきます。とは言え、いきなりルシヨン中世の核心に迫る感じで、びっくり。
続きます。

おなじみのロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2014/03/29(土) 07:07:53|
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