ミラノ記念墓地Cimitero Monumentale
日本から友人が遊びに来て、10日余り、我が家に滞在しておりました。彼女は長い人生で、初めての海外旅行、初めてのヨーロッパ、初めてのイタリア、という初めてづくしで、どうなることかと思っていましたが、事前の企画も功を奏して、行きたい場所に行くことができ、食べたいものを食べることもでき、それなりに充実した滞在になったのではないか、と思っています。
また私自身も、中世修行ばかりしている普段の旅とは違う経験ができて、なかなか面白い日々でありました。
ということで、せっかくなので、ここで初心に戻って、この旅の日々を記録しておきたいと思います。
ミラノでも、非日常体験をしました。
ミラノ在住歴、既に二十数年となりますが、その間、いつか行こうと思いながら、今まで足を踏み入れるチャンスがなかった「記念墓地Cimitero Monumentale」初訪問。
この、正面からの眺めは、これまでに、何度目にしたかわかりません。そもそも、マルペンサ空港からのバスは、この前を通過しますし、この近所にある中華街には、日本食系の食材購入で、ずいぶんとお世話になったもんですからね。
以前からこうだったのかは知りませんが、いまやすっかり観光地となっていて、オープン時間もしっかりと記され、入り口には案内所も完備。地図をくれるし、見所のガイドまでしてくださるので、びっくりでした。そして、われわれ以外にも、訪問しているのは、外国人観光客ばかりです。
受付のある建物の回廊。
19世紀後半に作られた墓地なのだそうですが、全体にロマネスク・テイストがあって、だからなのか、親しみやすい雰囲気が漂います。
とは言え、地図を見ると広大そうで戸惑いますが、受付の人に、端から端まで歩いても10分足らず、と言われ、安堵して、いざ出発です。
入ってすぐにあるのが、ナチの強制収容所に倒れたミラノ人へのオマージュであるモニュメント。
地味ですが、こういうものを、誰もが通る一番の場所に置いたところは、偉いです。収容所でなくなったミラノの人々の名前が記された墓碑が、周りにずらりと並べてあります。
ダッハウ、アウシュヴィッツ、ビルケナウなどの収容所の名前の下に、ずっと、延々と名前が記されています。
無念な気持ちで倒れた人々、ミラノに戻ってくることができたでしょうか。ぐっと来ました。
気を取り直して、いよいよ、本来期待していた記念墓地見学に向かいます。
すげぇ…。
いきなり等身大の人々がずらずらと並び、ヘタなお家よりでかいんじゃないかレベルの家族墓が並び、なんじゃこれは?!と唖然としてしまいます。
もともとは、ミラノの名家のために作られた墓地ですから、貴族様とか有名人とかいろいろいるんでしょうけれど、実はミラノの名家、あまり知らない。とりあえず、まずは音楽関係者である友人の目的である芸術家のお墓を参ることにしました。
トスカニーニ家のお墓。
清楚な白いお墓。歴代のトスカニーニさんが眠っています。指揮者で有名なトスカニーニさんは、ニューヨークで客死したそうですが、こちらに運ばれたそうです。実は、彼の娘婿であるアーチストも、こちらに眠っていらっしゃいます。
鉄扉の間から、無理やり超ズームで撮影したけれど、横過ぎて、一部しか取れませんでした。ピアニストのホロヴィッツさん。
無理やりこういう写真を撮るのもどうよ、と思いつつ、お参りの彼女も、墓地前で買ってきた花を捧げつつ、やっぱり無理無理撮影していたので、そうよね、いいのよね、と言い聞かせつつの撮影でした。トスカニーニさん、こちらに眠っていたんですねぇ。
この他、比較的著名な方では、クレスピ家(なんだか覚えてないけど、何かで有名ってことは知ってる…)、ボッコーニ家(ボッコーニ大学創設者)、カルロ・エルバ家(製薬会社)、カンパリ家(お酒のカンパリ)、モッタ家(あのモッタかな)、などなど、ミラノ人だったら知っているに違いない名家のお墓が目白押し。そして、どれもが、縮尺無視だったり、超有名芸術家の作品を使っていたり、なんだかびっくりの風景なんです。
ちょっと面白いので、次回も。
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- 2014/04/17(木) 05:07:55|
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