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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

王道といいながら…やっぱり修行…

日本からの友人と、イタリア王道(?)旅の巻、その13

王道旅だから、基本的には封印、と思っていたのですが、どうしても中世を求めてしまいますねぇ。友人の希望優先の旅だったので、積極的に求めることはしなかったのですが、近所を通りかかれば、やはり、ちょっと確かめたくなってしまいます。確かめるというのも変なんですが、そういう気分になるんです。
友人も、わたしがはまっていることに興味はあるので、本当にすきま時間だけを利用して、いくつかわたしがはまっているものの実物を紹介する機会を得ました。

二晩とも夕食をとったトラステヴェレで、ローマの友人たちとの約束時間より、ちょっと前に到着した時間を使って、サンタ・マリア・イン・トレステヴェレへ。




夕暮れが近づいている時間でしたから、教会の中は薄暗いのに、なぜか後陣だけ、明かりが灯されています。これからミサが始まるのかと思いきや、いきなりパイプ・オルガンとソプラノが響きだしました。なんとコンサート・イベントの最中だったのです。




幸いにも、後陣に近づくことを止められることもなく、美しい音楽を聴きながら、夢見心地で、黄金のモザイクの側へ。
この教会の薀蓄については、以下、本業のサイトの方で、語っていますが、あまり写真を掲載していないので、今回撮影した美しい写真を追加すべきかどうか、考えています。





前回訪ねたときは、コインを入れて何分か明かりをつけるという状態で、実際に目でも楽しみたいために、写真はかなりおざなりな内容になってしまいました。今回はコンサート中、びっくりするくらいに明るく煌々としていましたので、細かいところまでよく見ることができたし、撮影も落ち着いてできたんです。ラッキーでした。
テッセラ(モザイクの一片)の粒々まで、撮れています。




中世当時はどうだったんでしょうか。
後陣は東に向いていますから、朝日の当たる時間は、逆光のようになり、おそらく真っ暗。夕日が差し込む開口部があれば、そこに当たる部分だけはきらきらしたと思いますが、今の建物はともかくとして、当時の開口部では、そこまでの日差しを取り込むことはできなかったはず。
大規模なミサがあるなどの際は、ありったけの蝋燭などを灯すことで、きらきらを目にすることができたのでしょうか。天井に近いこの神の手のある場所などは、おそらくほとんどの人が目にすることができなかったのでは。




それなのに、この細かいモチーフのびっしりぶりには、ただ呆然としてしまいますね。煌々とした中で、黄金がますます光り輝き、天上もかくや、と思うような。大げさでしょうか。

この教会は、マリアに捧げられていますので、マリアの生涯が、パネルで描かれています。それも今回はじっくりと拝見。以下、各パネルのマリアをアップで。








受胎告知のマリアと、そしてご昇天のマリア。





はっ…。
つい中世にのめりこんでしまいましたね。
ともかく、友人は音楽にうっとりとして、わたしは改めてモザイクにうっとりとして。本当は疲れた身体を休めるべく、お茶でもしようと思っていたすきま時間が、どちらにとっても、至福の時間にはやがわり。っていうか、お茶もせず歩き続け、結局修行旅状態…。
ということで、他の中世は次回。

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  1. 2014/05/15(木) 05:54:32|
  2. ロマネスク全般
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コメント

No title

いやー!すばらしいですわ。

コンサート中でよかったです。

モザイクなんですね、すばらしいです。

現在いらっしゃるローマの司祭でモザイクで聖画を表現されていらっしゃるかたがおられてとても好きなのですが
ローマの司祭もこういった芸術性を引きついていらっしゃるんだと
思いました。

あるときルルドの記念のためにつくられたという聖母子のモザイクの
アップの絵葉書を友人が送ってくださいました。
それを、まくらもとにおいてモザイクのつぶのひとつひとつをながめていたらこころから感心して好きになったのです。
  1. 2014/05/15(木) 02:23:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ガヴィさん
モザイクはいいですよね。わたしも大好きなんです。イタリアでは、各地に素敵なモザイクがありますが、ローマ中世のモザイクは、知名度で落ちる割に面白いし、素敵なものが多いんですよ。
教会芸術って、建築だって、元は司教さんや司祭さんが、同時に技術者だったわけですから、今でも芸術技術的なことにもかかわっていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。そういう歴史も、結構面白いと思っているんですよね。

粒々に気が付いてしまうと、気が遠くなりますよね。技術や芸術性をおいといて、職人さんたちの根気と集中力に、ただ感服してしまいます。過酷な環境の中で作業を行うには、やはり信仰が基本にあったのではないでしょうかね。その強い思いが芸術性を生み出したところもあるのかも。
  1. 2014/05/15(木) 21:45:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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