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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

落花生の使徒

ルシヨン・ロマネスクその10

前回のサンタンドレから、次に目指したのは、サン・ジェニ・ド・フォントネSt-Genis-des-Fontainesですが、サンタンドレの町に入って以来不調となったナビ。途中でとうとう固まってしまい、結局道路標識などを頼りに自力で到着しました。
単純に電波(?)の具合とかそういうことなんでしょうが、ナビに慣れてしまって以来、ナビが正常に稼動しないと、とりあえずパニックになりますね。考えたら、ナビのない時代の方が長かったんだし、当時は紙の地図と道路標識等を頼りに、迷いながらも運転していたんだから、パニックになることもないのに。
というわけで、今でも紙の地図は必ず携行しますが、このときは大いに役に立ちました。

やっとたどり着いたサン・ジェニ、車を停めた場所から教会がすぐだったので、本来方向音痴のわたしとしては、びっくりです。超地味なファサード。




思わず通り過ぎてしまいそうなたたずまいですが、あの扉口の装飾が、紛れもなく、アレ。




この浮き彫り、サンタンドレのものと非常に似通っていますが、おそらく、こちらの方がより有名なのではないでしょうか。
モチーフは似ていますが、浮き彫りの彫りが、非常に浅くて、これに比べたら、サンタンドレはほとんど彫刻と思えるほどの感じなんです。写真で見ているときは、そういうところの違いというのは認識していないのですが、おそらくはその浅さが、何か違うものを醸し出しているように思えます。

ここも、中心にいるのは、アーモンドの中で祝福するキリスト。まじめな顔をしたおっさんが、ピース・サインをしている風情で、くすりとしてしまいます。




浅い分、二次元的って言うか、漫画的な感じっていうか、そういうもんがあるのかも。
キリストの脇は、天使がいますけれど、セラフィムはおらずに、両脇三人ずつ使徒がいます。
左側。




そして右側。




サンタンドレと同じように、使徒たちは、アーチの下に一人ずつ並んでいるんですが、ここの表現だと、なんか、人型に浮き彫りされているって言うんでしょうか。殻付き落花生の中に人が掘り出されているように見えるんですよねぇ。サンタンドレは、アーチの下に人がいる、って認識できるんですけど。

それぞれの人物の表情が、やっぱり漫画的。でも手の豊かな表情は、同じですね。きっと意味があるんだなぁと思います。

この地味なファサード、この浮き彫りの他にも、いくつか中世の名残がはめ込まれています。




扉の左右に、お墓のような人物像。左。




右。




なんでしょう。子供の大きさの体が横たわっているので、なんか怖い。墓碑なんでしょうかねえ。

上部には、顔がいくつか。





それにしても、建物全体に当時の面影がない中で、よくこういう浮き彫りが、こうやって美しいままに保存されたものだ、と驚きます。それも、オリジナルを、やはりオリジナルの場所に置いているのも、驚きます。
内部は、続きで。

おなじみのロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2014/05/26(月) 01:14:17|
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