ルシヨン・ロマネスクその11
サン・ジェニ・ド・フォントネ修道院Abbaye de St-Genis-des-Fontaines続きです。 ここの教会で最も有名なのは、前回紹介した、今は開かずとなっている主扉口上に置かれた浅浮き彫りですが、そちらは道に面していて、鑑賞は無料。一方、修道院の建物の方は、博物館扱いとなっていて、有料です。
教会は、もはや見るべきものは特にない、という状態ですが、博物館に入場する理由は、修道院時代の回廊です。
建物が、全体に新しくなっていて、この回廊の壁部分も、風情のないのっぺらぼうになっています。アクセスしたときの印象は、あーあ、っていうがっかり感に占められるのですが、実は柱頭に楽しみがあるのです。特にわたしのように、素朴系ヘタウマ系のかわいらしい彫り物大好きタイプには、たまらないものがたくさん並んでいますよ。
いきなりアダムとイブがあったりするんですよね。それも妙に素朴でかわいい~!
ピンクや黒や白や、石の色が多様。彫り物も、違う手を感じます。おそらく時代も。もともと彩色してあったのかしら。でもピンクや黒の石では、さすがに彩色はなさそう。 楽しい柱頭の森。教会本体の建物の新しさが、とっても残念です。修復するにしても、何かもうちょっとやりようがなかったのかな、と思ってしまいます。
ところで、このところ探し物をしていて、あちこちひっくり返すついでに、古い資料などを思い切って捨てたりしているんですが、そういう古いものの中に、十年位前にマイカーでカタルーニャまでドライブしたときの、いろいろな記録を見つけました。 このあたり、通過したのは覚えていたんですが、まさにこのサン・ジェニ、訪ねていました。地図があり、そういえばかすかに記憶が。いや、そのときは、とてもかすかに「教会建築の中ではロマネスクは好きかもしれない」と気付きだした頃なので、特に教会を目指したわけでもなく、多分、この修道院の存在そのものを知らなかったように思います。でも、この前、通ったんだ、きっと、と思い、とても不思議な気がしました。 まさか、いつか、わざわざ、この場所を訪ねることになるなんて、夢にも思っていなかったんですから。面白いものです。
それにしても、探し物が見つからず、途方にくれています。旅のノートで、教会を訪ねたときの記録の宝庫で、これがないと、写真もまとめられないし、自分がどこに行ったかも覚えてないし…。困りました。 とにかく、写真も資料もたまるばかりで、整理が追いついていないため、こういうことになるんだと思い、大いに反省していますが、整理するために必要なノートだけに、気持ちは堂々巡り。あーあ。
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2014/05/28(水) 04:28:26 |
ラングドック・ルシヨン
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