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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

バルセロナ出身フランス・カタラン在住の、国籍感覚、など。

ルシヨン・ロマネスクその18

前回、オープン時間を越えてガイドをしてもらったコルネイユ・ド・コンフランCorneilla-de-Conflentで、目的達成後はゆっくりランチを、と思ったところ、レストランどころか、カフェすらない村でした。ガイドの方に尋ねたところ、わたしが次の目的地にしている村にはたくさんあるわよ、ということだったので、仕方なく移動しました。
目指したのは、ヴィル・フランシュ・ド・コンフランVille-Franche-de-Conflent。




しかし、この町には参りました。城壁に囲まれた中世の町で、緑の中、高速道路を進むと、いきなりぽかりと出てくるというような素敵なロケーションなのですが、そういう町だけに、かなりの観光地だったんですね。このあたりは、カニグーやら、とにかく山中心に事前調査していたので、山以外は、あまり調べてもいなかったんです。

町を囲む壁に張り付くようにして、外側に駐車場はあるのですが、数が少ない上に、昼時のせいもあるのか、どこも満杯。3箇所くらいを二度ほどうろうろしましたが、なかなか空かないし、運もなかったと思います。もうあきらめようかと思ったのですが、ここを逃すと、おそらくランチを食いっぱぐれます。朝ごはん抜いているし、それは厳しいので、結局、ちょっと村から外れた道路の路肩に無理やり駐車しました。

イタリアだと、多くのこういう町村では、周辺の路肩も満杯になっていますが、どうも、フランスは、規則が厳しいのか、人びとが心配性なのか、駐車場が満杯だと、比較的簡単にあきらめて去っていく人の比率が高いように見受けました。路肩の駐車も、結構少なくて、一瞬心配でしたが、ランチのために、腹を括りました。
って言うほどのことでもないですけどね。

入場。




雰囲気はありますが、ちょっと変に修復していて、趣に欠けますね。
でも、壁の中は、中世の面影をそのまま残すもので、なかなかよかったです。ただし、観光客の数が半端なかったです。



すぐに、目的の教会に向かいました。サン・ジャック教会Eglise St Jacques。聖ヤコブですね。巡礼に関係あるのかな。場所的には、巡礼の人も通ったということかな。




塔の下にある扉周辺の装飾が目的です。
確かに、ここの扉は面白かった!




アーキボルトの根元にある柱頭の彫り物、その柱頭の上に置かれた彫り物、アーキボルトに置かれた小さな顔が、注目ポイント。かなり精巧なまじめなモチーフばかりです。
ライオンにも猿にも見える動物。ポーズが、偉そうって言うのか、寓意的って言うのか、なんかね。




柱頭上に置かれた彫り物。




なんだろう?人の上にライオンぽいんですが、上部が壊れているし、なんだか不明。人も舌をうえっと出しちゃって、なんだろう?普通だったら、入り口の柱の下に置かれたりする、ライオンが人を抱え込んで襲っているタイプの彫り物の変形バージョンって感じもします。とても変形ですけど。

一方、アーキボルトにある人や動物の顔。




ね、ヘタウマ系じゃなくて、どれもすごくうまいんです。
もうひとつあった小さい扉の方は、カベスタニー系の彫り物でした。




この教会、オープンは毎日14/18時で、訪ねたときはまだ閉まっていましたので、ゆっくりとこれらの写真を撮影して、教会の目の前にあるカフェで軽くランチとしました。
カフェはすごく混んでいて、その上、プラスティックのお皿で料理が供されたのにはがっかりしましたが、まずいということもなく、学生さんのアルバイト風の若者たちが、誰もさわやかにてきぱき働いていて、感じもよいのに、ひどくびっくりしました。

そういえば、お土産屋さんで小物を買ったときも、お店のオヤジがとても感じがよくて、観光地なのに…、とびっくりしました。わたしが片言のスペイン語をしゃべったら、とても喜んで、ぼくバルセロナ出身なんだ、と言うので、しばしおしゃべりしました。わたしは、例によってほとんどイタリア語で話したと思うのですが、「バルセロナ出身で、カタランとは言えフランス側に住んで、フランス語とカタラン語を日常に使いながら、自分の感覚としては何人って感じ?」みたいな、結構繊細で興味深い話をしたんですよねぇ。そんな話、よくできたなぁ、と後から感心しちゃったんですが。

さて、ランチの後に、ちょうどオープンした教会に入りました。
古い雰囲気だけはなかなかですが、これと言ってみるべきものもない本堂の中で、さりげなく隅っこに置かれた、この洗礼盤だけが目を引きました。




内部の見学、5分で終了。
本当は、ゆっくりぶらぶら観光すべき町かとも思いましたが、この日の計画は相当欲張りですから、ちょっと後ろ髪を引かれながらも修行再開、次に向かいました。

おなじみのロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2014/06/13(金) 05:01:59|
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