ルシヨン・ロマネスクその22
前回に続いて、かなり地味な教会を訪ねます。エスピール・ド・コンフランEspira-de-Conflentの村のサント・マリー教会Eglise Sainte Marie。
到着するまで、かなり苦労しました。というのも、村の周辺は再開発で、新しい住宅街になっていて、おそらくそのために、アップデートしていないわたしのナビは現在地が読めなくなって、活動停止…。
本来ほとんど持っていない”勘”を頼りに、何とか村にたどり着き、それらしい鐘楼を目指したところ、たまたま当たりだったという次第。
空がにわかに掻き曇り、雷雲が近づきつつある強風の中、駐車した場所から小走りで教会に向かったところ、ちょうどガイド・ツアーの最中でした。
わたしに気付いたガイドさん、「今フランス語でやっているので、この後、英語でやりますよ。」と、とても親切。でも、ちょいと勝手に覗き見た内部は、ほとんどバロックの装飾になっていて、見るべきものはすごく少ない。
一応なめるように見ましたが、中世時代の名残は、多分、これくらい。
事前チェックでは、扉装飾とありますので、外観をチェックすることとしました。
扉は、上の写真にあるように、かなり古い鉄装飾の施された木製。
扉装飾と言っても、地味ですっきりした三重アーチの石積みに過ぎません。
でも、よく見ると、アーキボルトの一番外側の輪に、なにやら面白い形が点々と見えます。
人の顔と、お干菓子状植物モチーフと、ヤモリ系の動物?なんか標本みたいです。
こちらでは、二人の童子が曲芸しているようにも見えます。
磨耗が激しいのですが、石が白っぽくてきれいなのと、他に何もない分、インパクトもあるし、愛らしさが際立つって言うか。やっぱりわたしって簡単。こんなもんで、結構嬉しくなってしまうんですから。
ぐるりと回ってみます。
一番装飾的、というより、唯一の外観装飾は、後陣外側の窓にありました。
それよりも、この教会にくっつくように立ち並んでいる村のたたずまいが、とても美しくて、見どころかと思いました。
一番大きい真ん中の後陣は、再建っぽいし、周囲の建物も、比較的新しく整備されていますが、今でも小路がちゃんと後陣のカーブに沿っているのがいいですね。
教会の周りをぐるりとしたら、村の全体を見たことになるような、そういう村。
新しくされている部分も、程よい古びがあったり、古い町並みそのままに作っているから、とっても自然で、いい感じです。ふと足元に自己主張を感じて…。
テラコッタの雨どいですが、すごい存在感ですよね。これは、他の場所でも目にしましたので、このあたりで普及しているんですね。ただ筒でいいのに、面白い。全体が地味で柔らかい色だから、こういう緑があっても、違和感がないのがすごいです。
この後、雷雨。本格的にひどくなる前に車に戻れたので、ラッキーでした。そうそう、結局ガイド・ツアーはぶっちぎってきてしまいました。
おなじみのロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと
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- 2014/06/19(木) 05:01:52|
- ラングドック・ルシヨン
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| トラックバック:0
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| コメント:2
山下さん 生活に取り込まれている、意味もなく装飾的なものって、なんか気になります。かわいいかって言うと、どうだろうってとこもありますけれど、楽しいですよね、こういうの。
- 2014/06/23(月) 21:37:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
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