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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

フランスらしい、緻密な彫り物

ルシヨン・ロマネスクその34(最終回)

夏休み前にきっちり終わるはずが、ほんの少し残ってしまいましたので、忍耐強く続けます。
旅の最後、後は空港に向かうだけ、という状態で、せっかく通り道だから、と立ち寄った町がここ、エスピール・ド・ラグリEspira de l'Aglyにあるサント・マリー教会Eglise Sainte Marie。




正面は、びっくりするくらい平面的な四角で、愛想も何もあったもんじゃありません。かなり街中なのに、この教会の周りは広く開いたスペースになっていて、それも妙なアンバランスです。車が停め放題で、それはありがたかったですが。
それにしても、ここ、みるものあるの?という感じ…。
元修道院とありましたが、そういう雰囲気は皆無。もしかすると、元回廊や住まいのあった場所が、今はただの空き地になっているとか、そういうことなのかもしれませんが。

ここで見るべきは、扉装飾。ファサードには扉はありませんから、側面ですね。右側、つまり普通に扉がある南側。




何もなし。では反対側。




これのようですね。
では、のっぺらぼうの側が、もしかすると後陣?
元来が方向音痴なので、太陽の位置で方向を確認するとかそういうのが苦手なのですが、ここを訪れたのは午前中半ばで、ファサードと思っていた側にサンサンと日が当たっていますから、トップの写真が、東向きで、ようは後陣みたいですね。
塔もあるし、勝手に後陣、と思っていた側は、こんな感じ。




さて、肝心の扉装飾です。




かなり地味ですが、よく見ると、面白いものが並んでいます。
柱頭のひとつ。




こけしのような愛らしいフィギュア。性別不明ですが、子供のようにも見えますね。なぜ胸を触られているのでしょうか。




アブラハムとかイサクとかそのあたりの旧約の話なのかなぁ、とか思ったり。こういう感じって、多分、見たことないモチーフですから、よくわからないんです。すごく緻密に彫ってあって、面白いですよね。




こんなにマイナーらしい教会にも、わずかとは言え、意味のある面白い柱頭があるって言うのが、やっぱり本場おフランス、かな。

このところ、こういった集中した旅が中心で、日々の生活でふらりと近所を訪ねる機会がなくて、聖書に触れることが減った分、いろいろなエピソードも忘却の彼方。自分の記憶力が怖いくらいです(ザルすぎて)。

ということで、とりあえずルシヨン編、終了です。
本年は、スペイン・ツアーを既に二回実施していて、やはりフランスとの違いを大きく感じます。スペイン各地で、素朴な、わたし好みの不思議な彫り物に多く出会っていますが、ふと、フランスのこういう緻密な彫り物を見れば、やはりこれはこれでいいなぁ、ともう次第で、フランスへの再訪も、またすぐありそうな気がしています。

長らくお付き合い有難うございました。本当に長かった~。

おなじみのロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2014/07/30(水) 05:29:52|
  2. ラングドック・ルシヨン
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7
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コメント

No title

タイトルの「彫り物!」に惹かれて覗きに来ました。

フランスはお城巡りはしたのですが・・・・・
  1. 2014/07/29(火) 23:43:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

要塞みたいな教会ですね。胸をさわられているように見えますが、よくみると、この腕は 天使の物だと思います。自分の旨に手をあてている。Monesutirsというサイトでこの教会にいってみると 角の香おを中心とした写真があり、男は顔だけ、下はライオンともとれるとすると、聖書に求めるなら 獅子の谷のライオン、このサイトには反対側の写真もでていてハルピュイアの間にも顔があるので、ダニエルとは限らないかもしれません。天使が悪魔をつかまえていたり、面白いです。上記ともう一つサイトをみつけたのですがここにはリンクがはれませんでした。パソコンが壊れて買い換えたので元のアドレス帳が直ぐにはでてきません。もし私のアドレス(ホームページのHotmailでも}にメールをくださればリンクをお知らせできすのです。既にご存じだろうとはおもいますが文字通り老婆心から。
  1. 2014/07/30(水) 01:25:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

タイプミスが多くて恥ずかしいです。 自分の旨→胸 角の香→顔
この教会、弧帯の根元に モアサックのように 悪魔みたいな顔の口から蔓草が出ていたりもして(グリーンマン)、なかなかおもしろいですね。右側柱頭も上にマンティコラもいたりしてなかなか面白いので HPには 右側の写真もお願いしますね。 たびたびおじゃましてすみませんでした。
  1. 2014/07/30(水) 01:38:00 |
  2. URL |
  3. yk #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
フランスだったら、やっぱりお城めぐりの方が普通ですよね~。こんなしょぼい教会、わざわざ訪ねません。笑。
彫り物って、版画とかされるんでしたか?
  1. 2014/07/30(水) 21:43:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

YKさん
コメント有難うございます。
やっぱりこの柱頭、解釈が難しいですよね。確かに天使の手にも見えますね。でも、ダニエルはちょっと無理な気がします。わたしには、天使というより童子に見えるんですが、後にあるのは翼でしょうかね。ご教示いただいたサイトにも行ってみます。有難うございます。
マイナーな場所になると、フランスでも情報はなかなか探せませんね。
ホームページにまとめる日が来るんでしょうか。遠い目をしちゃいます。
  1. 2014/07/30(水) 21:49:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

お早うございます。

若い頃、宮田雅之氏の作品に惚れて、切り絵に凝った時期もありましたが・・・・・
当然と言うか、物には為りませんでした!
  1. 2014/07/30(水) 21:53:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

山下さん
切り絵でしたか。面白そうです。
わたしは以前銅版をやっていました。このごろはお手軽な創作しかしていないので、時々再開したいものだと思いながら、なかなか。
手を使う作業は、無心になれるのがいいですよね。
石工さんも、そういう感じってあったでしょうね。
  1. 2014/07/31(木) 21:54:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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