ラングドック、ルシヨン、番外編2
ルシヨンで、最初に泊まったのはプラドという小さい町のホテルですが、ここについては本編で触れましたので省略。
お食事は、町の広場に並ぶ一軒でいただきましたが、思いっきりスペイン料理になっていたのが、興味深かったです。定食(メニュー)のスタイルも、かなりスペイン風で、ワインのお値段もリーズナブルでした。
前菜は冷たいスープ、ガスパチョで、メインは串焼きのお肉。
そして、最後の二泊は、トゥイルThuirという村のすぐ郊外にあるシャンブルドット、ラ・フォヴェイユLa Fauvelle。
ここ、ホテルとしては最高で、強力にお勧めできます。ルシヨンで中世めぐりをするには、どこにも行きやすい、とっても便利なロケーション。
La Fauvelle
60 Avenuede la Fauvelle - Thuir
そして、もともと農場だったのかお屋敷だったのか分かりませんが、古い構造物を活用して、現代的なミニマリズムでデザインしたスタイリッシュなお部屋は、広々として超快適。バスルームも、クローゼットも、すべて素敵…。
緑滴る庭に面して、各部屋が配置されていて、お部屋の前のスペースに椅子を置いて、ゆったりと夕涼みもできます。そして、裏庭には小さいながらプールもあり、芝生も美しく整備されているんです。
わたしは、朝から晩まで駆けずり回って、夕食の時間ぎりぎりに戻る毎日だったので、プールでくつろぐ時間どころか、裏庭を見たのも、出発する日の朝、という有様だったので、ちょっと残念でした。これならもう一日、のんびりと過ごしたかったくらい。
朝食は、中庭で。
たいした朝ごはんじゃないのですが、素敵なスペースで、朝のさわやかな空気の中でお茶を飲むだけで、幸せな気持ちになること請け合い。なんといっても、ここの、オーナーさんなのか、雇われオーナーさんなのか分かりませんが、ホストの男性が、素晴らしいんです。
ハードに走り回った夕刻、たどり着いたときに、笑顔で迎えてくださったホストさん。とっても流暢な英語で、実はそれだけでも救われた気持ちになりました。実に社交的で、親切で感じがよい。そして外国が堪能。絶対にフランス人じゃないのが、すぐに分かりました。なぜそんなに英語がうまいのか尋ねたところ、「それはもちろん、ぼくがフランス人じゃないからだよ(ニヤリ)」。なるほど!
実はポルトガル人で、世界放浪の果てに、今はここに落ち着いている、ということで、母国語に加えて、英語、フランス語、北欧のどこかの言葉(忘れちゃいましたが、結構長く北欧に住まっていたとのこと)、ドイツ語、スペイン語などが、ほとんど同レベルでできるといっていました。残念ながらイタリア語は、まだだめだと。なんかある程度しゃべれない限りは使えないんだ、と言ってました。ほぉほぉ。才能あるんだね。
ここは、シャンブルドットというカテゴリーの宿で、宿泊と、希望する宿泊客に夕食を提供するシステムとなっています。わたしはまったく知らなかったので、予約をしていなかったのですが、一人なら何とかなるよ、というので、ここで食べることにしました。そもそも、村はずれなので、歩いていける場所には何もなさそうだったし。
この宿が唯一寂しいとすれば、その夕食のレベルが、ちょっとね。雰囲気は最高なんですが、お皿がどうにも…。ワイン飲み放題で三皿(前菜、メイン、デザート)で、お値段はフランスにしてはお安いですけれど(23ユーロ)、お食事を疎かにしたくない向きには、ちょっと寂しいかもしれません(宿泊客の皆さんは、基本的に満足していましたが)。この点を考えると、二泊でちょうどよかったかも。
わたしが宿泊した二泊、ちょうど、一人で宿泊されているフランス人の女性がいました。同じテーブルでサーブされたので、英語で話しかけたところ、何とか片言通じました。
さすがにフランス人で、最初は遠慮がちだったのですが、ちょっとお酒が入ったら舌が滑らかになってきて、おしゃべりが盛り上がりました。
何でも、近所に大きな酒造会社の工場(ぺルノーという会社。最近日本で、フレーバー・ワインが爆発的に売れたと自慢していました。わたしがまったく知らないというと、少々むっとしていました…)があり、彼女は本社の総務担当マネージャーで、しょっちゅう出張で来て、このホテルを定宿としているので、ホテルのホストさんともお友達。ホストさんは、特にわたしとのおしゃべりを期待して相席にしたわけではなく、逆に彼女が英語を話しているのは初めて見た、とびっくりされていました(しかし、国際的企業の総務マネージャーで、英語があまりできないというのは、さすがおフランスです)。
翌晩も、息せき切って夕食のテーブルに着くと、もし差し支えなかったら、また相席したいと彼女が言っているんだけどいいか、ということで、二晩続きで、フランスのビジネス・ウーマンと、楽しい夕べを過ごすこととなりました。そういうチャンスはなかなかないので、とてもよい体験。ホストさんの気配りのおかげです。
毎日、今日はどこに行くの、あそこはどうだった、と声をかけてくださり、そういう目的だったら、あそこを紹介してあげとけばよかったね、などと、とても親切で、こんなホストさんは、フランスでは始めて出会った気がします。
これで、夕食のレベルが上がったら、完璧なんだけどな~。
宿代は安くないけれど、ここは、ラングドックと違って、納得でした。もしこのあたりをドライブ旅行される方がいれば、是非試してみてほしいです。
というわけで、番外編もおしまい。ルシヨンは、わたしにとって、強力に再訪したい、と思う初めてのフランスです。うん、絶対また訪ねて、今回見られなかった場所を訪ねたいと思います。
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- 2014/08/01(金) 05:52:07|
- ラングドック・ルシヨン
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