エミリア食い倒れ4
この旅の目的は、食い倒れ。というわけで、宿泊は、ロカンダ(レストランつきの旅籠)というカテゴリーを中心に探しまして、見つけたのが、ダメリゴD'Amerigoです。
泊まるのを決めた後で、ボローニャ在住の友人に、あそこのレストランはおいしいって評判だよ、という話も聞いたので、かなり期待していました。
ロカンダのある村に到着したものの、場所がよくわかりません。村の中心道路をゆっくり走ったところ、レストランは、すぐに分かりました。
ちょっと先に車を停めて、戻ってきたところ、宿がある様子がありません。困ってレストランの中を覗き込むと、人がいますので、ノックをしたところ、出てきたのは、コックさんの格好をした東洋人。
まさか、こういう場所で日本人に会うとは予想外だったので、一瞬戸惑ったものの、すぐに日本人であることが分かったので、日本語で会話しました。
でもこれが。日本語なのに、埒が明かない。
宿の場所を尋ねているだけなのに、その説明がまったく要領を得ない。
心底びっくりしました。
われわれ三名、各自20年以上イタリア在住という面子ではありますが、それでも、聞かれたことに対して、日本語が変だよね、といわれるような対応をする人はいない。でも、このとき対応してくれた、おそらく当地で修行中の日本人シェフは、日本語も変だし、コミュニケーション能力にも若干問題あり、本当にびっくりしました。
それでも何とか、このレストランの場所にはロカンダはなく、もう一度町の入り口に戻って云々、ということは分かったのですが、そのあと、ロカンダを探すのにはやっぱりてこずり、村のオヤジたちに尋ねて分かった次第。オヤジたちの方言なまりのイタリア語の方が、コミュニケーション能力のない同胞人よりも、圧倒的に分かりやすかった事実は、少々悲しい現実でした。
で、たどり着いたロカンダ。
外壁にはつたがからまっちゃたりしてるし、一見すごくいい感じだったんですけどねぇ。猫ちゃんがあくびをしてたりね。でも、部屋に入って、がっかりしました。
なんというのか、調度は全体にアンティーク風だったり、デザイン家具風だったり、凝っているのは分かるんです。部屋の内装全体が、ちょっとそういう感じを目指しているんだろうなっていうのも、よくわかるんです。でも、成功してない…。どうしても貧乏たらしい古い部分が消えてなくて、がんばっている分、そういう落差が哀しいって言うのか。
シャワーだけは、とってもよかったんですけどね。
でも、ロカンダって、レストランで食事するのが前提だから、宿泊料金は結構勉強しているのが普通だと思うんですが、ここは、普通のホテル並みのお値段だったんですよね。それでこれかよ、という納得できない感、というのもあったと思います。だって、レストランは、当地では決して安くないんですから。そして、このロカンダで泊まる人は、ほぼ確実にレストランでお食事を取る人たちなんですから。
その上、ロカンダのサイトの写真は、一番いい部屋の写真だけが掲載されていて、当然そういうお部屋だと思うわけで。
実は、夏休みの旅でも、ここを使おうと考えていて、そのお試し気分もあったのですが、夏でも冷房がないということも含めて、まったく納得できなかったので、この旅の直後に、夏の予約は取り消しました。
ま、目的はお食事だし、と気を取り直して、レストランへ出かけました。
一部、ちょっと変でしたけど、おおむね、普通の内装。そして、サービスは、なかなかによかったです。そして、お食事は、うわさにたがわず、おいしかったです。
パルメザン・チーズとかが入ったクリームのお皿。友人が頼んだアスパラのラザニア。前菜は、少々手をかけすぎな感じがありました。お値段も、前菜やパスタは、ちょっと割高感あり。
一方で、メインは、逆に割安感。
バルサミコ煮込みとか、カルチョーフィ(アーティチョーク三種)とか。これはおいしい上に、お得感もありました。わたしは、バルサミコ煮込みのウサギを頼んだんですが、おいしくて~。正直ランチを消化しきれず、かなり厳しい食事だったのですが、辛いと思いながらも食べてしまうおいしさでした。
ワインも、お食事がこのお値段レベル、と思えば、リーズナブルなお値段設定が並んでいて、これはイタリアならでは(フランスでは、こうは行きません)。
このダメリゴD'Amerigoというお店、自分ブランドで、瓶詰め多種作っていて、レストラン脇で販売しています。先日、ミラノのちょっとお洒落な食料品店で、何か見たことのあるような瓶があるな、と思ったら、アメリゴの製品で、びっくりしました。結構幅広く売っているらしいですね。
だから、日本からもシェフ見習いが、来ちゃったりするのか。
そうそう、最初に出会った日本人シェフは、既に数ヶ月いるという話を、後でお店の人に聞きました。うーん、数ヶ月いてあれ?打たれ弱そうだし、今後どうなんだろう?と、ひとしきり話題になりました。
というわけで、ダメリゴに行かれる方は、同ロカンダには泊まらない方法で行くことをお勧めします(ちなみに同じ村に、他にもホテルがあります)(なぜそんな村に何件もホテルがあるかと言うと、実はこの村、トリュフで有名らしいです。ダメリゴも、トリュフ料理で定評のあるレストランらしいです)。
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- 2014/08/14(木) 06:56:20|
- イタリアめし
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