エミリア食い倒れ7、最終回
もう一度、最後のランチで食い倒れを完遂する予定でしたが、実は、バルサミコ醸造所のガイド・ツアーが予想外に長引いてしまったために、予約していたレストランをキャンセルする羽目になってしまいました。結局、醸造所の人に聞いて、その近所のレストランでランチをいただきました。
そこは、もう実に本当に、地元のカジュアルすぎるレストランで、そこそこおいしかったのですが、紹介するようなご飯でもなく。
というわけで、食い倒れ旅は、既に終了。最後に立ち寄ったのが、せっかくだから、ということで、近くにあったヴィニョーラの町。
ヴィニョーラといえば、さくらんぼしか知りませんでしたが、こじんまりとした旧市街には、立派なお城があるんです。
ヴィニョーラの要塞Rocca di Vignola。
中世には群雄割拠で、狭い地域にお城がひしめいていた地域。だから、要塞なんですね。戦う城。
今は立派な観光地として整備され、内部は博物館的な展示などもあり、なかなか面白かったです。
戦う城だけに、入り口のつくりは複雑。実は西洋の城のことはほとんどわかってないんですけれど、日本の城を考えれば、まずは入り口付近で敵をたたく工夫があると思うので、この複雑さも分かるし、複雑であればあるほどわくわくするものがありますね。
写真では分かりにくいと思いますが、かなり急で狭い階段です。
居住目的をメインに作られた城だと、もっとゆったりとした、馬でかなりのところまで登れる階段なんかもあるように思いますが、城塞ですから、とにかく守り重視って言うか、見通しの聞かない通路や階段にあふれています。
でも、居住スペースには、このようにほのぼのとした感じの緑の壁画が。
お城には、意外と緑系の絵がありますね。考えたら、お城内には緑がないし、外をゆったりと見られる環境にもない。でも、やはり目は緑を求めるということなのかな。
そういうのって、ちょっとした発見ですね。いや、そういうことかどうかは分からないけれど、要塞であると思うと、なんかそんな気が。緑=癒し、みたいな。
だって、中にこもっていたら、せいぜい中庭に面した、こんな風景しか見えないんですよ、いくら空はあるって言っても。
ちょっとそれますが、わたしは、家を買うときに、とにかく見晴らしのない家だけは嫌だったんですよねぇ。ミラノはそれなりに都会ですから、アパートが立て込んでいるという物件がほとんどで、せっかく広いベランダがあっても、そこから見えるのは前に立っているほかのアパートのベランダだけ、というようなケースばかり。
長く賃貸で住んでいた家は、ベランダの前が、昔ながらの平屋だけの、広い工場だったので、前をさえぎるものがなかったし、自分で買う以上、目の前に他の建物、ということだけは避けたかったんですが、不動産屋さんには、ここはミラノですよ、無理ですよ、と散々言われました。
でもめげることなく探して、最後には、目の前に緑の公園の広がる、つまり、見晴らしのある今のお家をゲットしたのです。エレベーターとか、倉庫とか、本当はほしかった多くのものをあきらめたけれど、見晴らしだけは譲れなかった。
ま、そんなわけで、緑がない、仕方ないから壁を緑で覆う、という発想が、なんかわかるっていうか。
本来物見の場所、トップは屋根付きの回廊になっていて、そこからの眺めはなかなかです。
今は穏やかですけどねぇ。ワイン用の葡萄棚とか、果樹園とか、いかにものどか。
でも、これだけ平地だと、戦時には、立てこもるしかないわけですよねぇ。この物見の回廊にしたって、うかうか出てきたら、いきなり弓矢が飛んできて、みたいな場所ですからねぇ。
回廊の四隅は、まさに物見塔のようになっていて、そこから、このような城の外につながるような構造も見えました。今は、つながっていないしよくわからないんですけれど。
この緑の部分は、かつてはお濠だったものでしょう。こうやってみると、お濠の重要性っていうのがわかるような気がします。
これが四隅の部分です。
中世のお城は、面白いですね。
エミリアには、お城街道みたいな感じでお城がたくさんありますが、これまで、教会ばかりでお城は特に見学することもなくスルーしてきましたが、今後は、機会があれば、きちんと見学しよう、と思いました。
歴史に思いを馳せるには、教会以上に効果的です。
ということで、寄り道、エミリア食道楽メインの旅、終了です。そろそろ本堂のロマネスクに戻らないと、ロマネスク・ファンに怒られそうです。
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- 2014/08/18(月) 06:04:50|
- エミリア・ロマーニャ・ロマネスク
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