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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ご神体はパン…

アストゥリアス・ロマネスク18

急ぎ足で訪ねた次の場所は、アマンディAmandiのサン・フアン教会Iglesia de San Juanです。
ここは、びっくりするくらい簡単にたどり着いたのですが、これまたびっくりするような坂道の天辺に、教会がありました。




これ、写真で見ると、たいしたことないと思うかもしれませんが、実際に坂道の麓で見たら、相当傾斜しているんです。

ナビに従ってこの辺りにたどり着いて、あれが教会とわかったものの、この坂道には、ちょっと躊躇しました。普段だったら、麓に車を停めるところですが、レンタカーの性能がよかったので、つい本来はできない坂道発進もできるような気になって、坂道を登り、いきなり大後悔。だって、本当にすごい坂道だったんです。坂道発進が苦手な場合、坂道を登り始めたら、絶対に途中で止まるという選択はないですからね。それで大後悔。

その上、村のお祭りらしく、教会の周囲は大混雑。
やっとの思いで、教会脇の道でユーターンして、下り向きに停車。こうしとけば、少なくとも発進の心配はなし。
それにしても、人がどんどんとやってきます。外観は後からでもチェックできるので、慌てて教会に入りました。

で、いきなりすごいインパクトの内陣に呆然としました。




実は入ったときは、薄暗かったんです。でもすぐに、有料の明かりに気付いて、1ユーロを投入した途端、この有様。写真だと、なかなかわかりにくいかもしれませんし、その上、上部が、後代の修復で漆喰の真っ白になっている分、中世的なインパクトが薄いかもしれないんですけれど、実際には、ただ呆然のインパクトだったんです。
だって、それぞれのアーチの元にある、すべての柱頭が、ちゃんと彫り物があって、すごいんです。




細部は、その場で、肉眼では見えないんですが、でもどの柱頭も、本来なら近づいて触りたいくらいの素晴らしさであることはすぐ分かりますから、ズームで写真とりまくり。




どれも、プリミティブな植物モチーフを伴って、素敵に古い時代らしい愛らしさ、全開です。





夢中になって、祭壇部分に入り込みそうな勢いで撮影していたら、かすかに、「ちっ」という舌打ちのような気配を感じて、ふと振り返ると、内陣ぎりぎり、つまりかぶりつきの席には、既にかなり熱心そうな信者さんたち(主に、白髪の女性)が座っていて、わたしの行為を、苦々しく観察しているようだったんです。
おそらく、お祭りに連動したミサが始まる直前だったので、信者さんが三々五々集まりつつある中、特に熱心な方が既に着席されていた中で、それをまったく無視するように、得体の知れない東洋人が、写真に夢中になっている、と、そういう図だったわけです。

というわけで、その雰囲気に気付いてしまった以上、それ以上は続行できず、すみませんねぇ、という顔を作りながら、フェードアウトに努めた、小心者のわたくし。

外に出たら、かなりの村人が押し寄せてきている状態。近くには、民族衣装の子供たちもいました。




坂の下の方から、行列が登ってきます。





なんだろうと思ったら、ご神体(?)は、パンとか地域特産そうなチーズやハムでした。ようは収穫祭的なものなんでしょうね。坂の上の教会周辺に集まっている村人からは、拍手が起こっていました。

お昼休みの前に教会に入りたいと思って、ヴァルデディオスの最後をはしょる形で、車を飛ばしてきたわけですが、その甲斐がありました。もうちょっとで、このお祭りのおかげで、本堂に入れなかったところ。よかった~。

この教会、外観もそれなりにかわいいし、見る価値があるのですが、それでも、中に入って後陣を見ないと、どうしようもないですから。
というわけで、外観は次回。

おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2014/10/18(土) 06:52:39|
  2. アストゥリアス中世
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:14
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コメント

No title

こんにちは
ご神体はパン?とあったので
ご聖体のことかとおもったのですが
こちらがカトリックの教会だとしたら
このおみこしは奉納の収穫物だとおもわれます。
かみさまに祝福していただくために
大きな祭日のときは色々奉納されるんです。
つづき
  1. 2014/10/18(土) 00:25:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

つづき
カトリックのご神体は聖別されて全変化された
パン ウエハースのように白くてまるいかたちの
小さなもの
ごミサの聖変化により
イエズスキリストに御身体 御 血 御霊魂 神性を備えて
なられると信じています
これを信じていない人はカトリック信徒とは言えません
つづき
  1. 2014/10/18(土) 00:30:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

つづき
ご聖体も行列があるんですよ
日本では少しの修道院でしかおこわれていませんが
ヨーロッパのカトリック教会ではどんなちいさな町でも
まだあるようです。
つづき
  1. 2014/10/18(土) 00:32:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

つづき
その場合は、ご聖体は蓋つきの入れ物に入れられ
天蓋付きのおみこしのようなもので運ばれて
後ろに司祭 信徒の行列がつづきます
所々の地点に簡単な祭壇を設けて
聖書を読み 聖歌を歌い 祈り ご聖体による祝福があります
この場合ご聖体は ご聖体けんじだいという入れ物に
入っています。
つづき
  1. 2014/10/18(土) 01:43:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

つづき
ご聖体顕示台による祝福をいただくときはひざまずきます
場合によって違う場合も
ご聖体を県時代にうつすときは
お香をたき ラテン語の歌を歌い 連とうの祈りをささげます
ひざまずいて
最後にけんじだいからご静謐に移られる時も
ラテン語の歌をうたいます。

長くなってしまいました
聖変化のあとのご聖体は
イエズスさまがそこにりんざいされているので
それほど崇敬しなくてはならないものなのです。
カトリック教会にとってですが。
  1. 2014/10/18(土) 01:51:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

つづく
だから、洗礼をうけていないひとやプロテスタントのひとはご聖体がイエズスさまと信じられてないので
ごミサに出席してもいただくことはできません。
カトリックでも罪のある人はいただけません
とくせいのつみになり、頭に炭火をのせるような行為となります。
ゆるしの秘蹟に預かったあとはいただけます。
  1. 2014/10/18(土) 01:55:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

字の間違いがありました

県時代→ご聖体顕示台
  1. 2014/10/18(土) 01:58:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

これは、スゴイ!!! 四つ星級 ★★★★・・・いや五つ星あげてもいいかな・・・。
胸に小鳥・・・鳩かしら・・・を抱いてる天使など、家に持ち帰りたい衝動にかられますね。
全部の柱頭、撮影なさったのでしょうか? まだまだ見たいですねぇ、後陣の柱頭。
  1. 2014/10/18(土) 13:42:00 |
  2. URL |
  3. テルマル #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ガヴィさん
ご丁寧な説明を有難うございます。
いい加減なことを書いて、気を悪くされてたら、ごめんなさい。思いつきで書き飛ばしてしまうので、タイトルもすごく思いつきで…。
聖体の行列は、イースターの頃に、どこでもやっているように思います。火祭りとかスペインが有名だと思うのですが、イタリアでも、イースターのお祭りは、小さな村でもきちんと実施していると思います。
このパンを運ぶ台が、その聖体を運ぶ台に似ていたこととか、あと、全然関係ないんですが、落語の振りに、大名行列の話がありまして…(ますますあきれられそう…)。行列が通ったので、居合わせた旅人が、仕方なく土下座して見送ったところ、やけに短いので、今通ったのはどこの大名か近所の人に聞いたら、あれは将軍様に献上する山芋だべ、という話にあきれるって言うやつでして。
なんかそういう感じで、ちょっと面白く思っちゃったんですよねぇ、このパンの台が。
  1. 2014/10/19(日) 17:47:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

テルマルさん
素敵でしょう。アストゥリアス、プレ・ロマネスクのみならず、ロマネスクもなかなかいいんです。今回、有名どころ中心で、小さいところはかなり切ったので、絶対に再訪したいと思っています。
ここは、どの柱頭も素晴らしいんですが、ひとつには、後陣部分には入れず、近づけなかったこと(手に抱いた鳥も、写真で初めてわかりました)、そしてミサを待つ信者の方々に不快を与えては、という遠慮で、ピンボケ写真の連続となってしまいました。気が弱いって言うか、信者の方々も、素晴らしいものを無知な旅行者に分け与えるべく、寛大になってくれると嬉しいんですが…。まぁ、大切なものを守りたい気持ちの証と思いますので、小さくなって、退散しました。
  1. 2014/10/19(日) 17:48:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
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No title

corsaさん

あっ そうか!わかっていらしたのですね。
ごめん ごめん もし違う風に思っていたら
イタリアニ住んでいるしお知らせしたほうがいいと思っていつものように熱心に話してしまいました、あはは。

すてきな教会に行き ご聖体行列にも出会い

いいなあ・・・って思っています。

私の知らない土地や教会に出会うことできて
corsaさんのブログにはいつも感謝です。

美術関係も何も知りませんがいつも感心してのぞかせていただいていますよ。
  1. 2014/10/20(月) 02:51:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

気を悪るくなどしていませんよ、こちらこそ
ごめんね。
  1. 2014/10/20(月) 02:52:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ガヴィさん
いや、分かっているとは言えないんで、こういう解説、勉強になるし、ありがたいです。今後もよろしくお願いします!
なんか、こういう風にしっかりと説明することができるものがあるのはいいなぁ、と思いました。見当違いですが。わたし、教会は本当にたくさん訪問してるし、いろんなものを見ていますけれど、だからって、いまだに何一つ説明できないですから~。
これからも、是非熱心にご説明ください~!
  1. 2014/10/20(月) 17:50:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

ありがとう!

これからもよろしくお願いします。
  1. 2014/10/20(月) 23:08:00 |
  2. URL |
  3. ガビィ #79D/WHSg
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