アストゥリアス・ロマネスク19
アマンディAmandiのサン・フアン教会Iglesia de San Juan、続きです。
外は、こういう感じで、ファサード前に大きなテラス状のスペースがくっついています。ファサードも新しいし、当然この部分も、後付の建築なのでしょう。
お祭りの行列の到着を、村人がわくわくとしながら待っています。このスペースは結構広いので、狭い村の中で、人々が集まる場所として、今でも役立っているものと思います。
そのポルティコの下に、正面の入り口があります。
アーチが、重厚に幾重も重なっていて、開口部がとても小さいです。周辺部の装飾、シンプルですが、石っぽくて素敵。
柱頭は、かなり凝った植物モチーフですが、右側のひとつだけは、フィギュアが彫りこまれています。
角っこに置かれたフィギュアは子供サイズ。よく見ると、右手でピース・サインのような祝福のしぐさをしているので、おそらくジェズ・バンビーノ。でも、全体の場面はなんでしょうか。いつまでたっても聖書のストーリーが頭に入らず、すぐにお話と結び付けられません。
両脇にも小さな扉がありますが、装飾はとってもシンプル。
後陣に回り込みます。
古び感が、なかなかいい味を出しています。とても赤い石。撮影の場所によっては、いわゆるレンガ色に近い赤さで写りました。設定を変えたわけではないのですが。
ここで初めて、今回、事前学習で気になっていた、軒送りの変なもの達に遭遇しました。
このあと、もっとすごい軒送り特集が続々と出てきますけれど、これが最初。あ、こういうのか~、と楽しみました。相当摩滅も激しくて、きちんと残っているフィギュア系が少ないのですが、それでも、最初だったし、興奮。結構、18禁的な性的表現も多いのが、ここらの軒送り彫り物の特色。左のなんか、そういう世界ですよね。
後陣、窓周辺の装飾も楽しかったです。
チェッカー模様や植物モチーフによる帯装飾もいいし、小円柱に乗っかる小さな柱頭も、どれも楽しいんです。特に右側の、獣が口をあけて、柱を加えているタイプは、かなりあちこちで目にしたモチーフ。でも、ここ以外で、あまり見たことがないような気がします。どうでしょうか。
なんとなくおどおどした風の人々の表情に、親しみを覚えてしまう柱頭。
Villaviciosaという、結構大きな町の、郊外といえるほど近くにありながら、とても素晴らしい教会を持つアマンディ。歴史などはこれから調べるのですが、相当お金持ちの領主がいたとか、そういうことなのかな。このあとに訪ねる、その近所のヴィラヴィシオーザにも、ロマネスクの教会があり、なかなかかわいらしい彫り物がたくさんあります。距離を考えれば、同じ石工集団がかかわっていると考えるのが当然ですが、雰囲気が違うのが面白いですよ。
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- 2014/10/20(月) 01:46:43|
- アストゥリアス中世
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