ピエモンテ・グラッパ合宿、その2
マローロで、かなり満足のいくお買い物ができたあと、そろそろ夕暮れも迫ってきたので、宿泊するアグリツーリズモ方面に向かう途中にある蒸留所に立ち寄りました。
もう6時ごろだったけれど、まだ夏時間だから、よい感じの夕方の光に、どっさりと積まれたかぼちゃが、輝いていました。
かぼちゃって、何でこんなにきれいな色なんでしょうね。この秋、趣味で農業をやっている友人が、デコレーション用の小さなかぼちゃをいくつかプレゼントしてくれたんですが、丸や楕円や細長や、どれも形が違っていて、色がバリエーションに富む暖色系で、見ていて、あまりのかわいさににっこりしてしまいます。種を残すだけなら、こんなにいろんな形や色の必要ってあるのかしら。不思議な野菜ですね。
さて、この蒸留所、農道のような通りの先に、ひっそりと建っていて、雰囲気あります。ここでも、今まさにお仕事中。倉庫の中には葡萄粕がどっさり置かれていて、葡萄のにおいが漂っています。
Distilleria Vieux Moulin
Motta di Costigliole d'Asti
まるで普通のお家の居間のような販売所+試飲所です(乳母車が置かれていたり、タオルがかけてあったり。なんか、落語のうなぎの幇間?だったかな?思い出しちゃったな。これでイメージが分かる人はいないだろうけど~)。並んだボトルのラベルを見て、友人共々、「知ってる~!」と叫んでしまいました。
これ、つい最近、その友人がプレゼントしてくれたものだったんです。もちろんとっくに飲んでいたのですが、ラベルを記録しとこうと思って、まだ瓶を捨てていませんでした。
飲んだばっかりだったので、少なくともこのバルベラはこんな感じだった、というのを覚えていたし、販売所でも2種ほど飲ませていただきましたが、わたしの好みではなかったので、購入せず。お値段はかなり安めで、地域のお手ごろな酒屋さん、という位置づけで製造しているお店と思います。
アグリツーリズムに向かおうとしつつ、一日の終わりとしては、ちょっとびしっとしないね、という感じで、結局、もうひとつ訪ねてみることにしました。実は、ランチをいただいたレストランの棚に置かれていたボトルを見て、どこの蒸留所が調べていたのですが、それが、この地域だったのです。
こういうとき、モバイルでネット接続できると、本当に便利ですねぇ。一度スマホを持ってしまうと、確実に後戻りするのは難しくなります。
結構わき道に入り込み、相当でこぼこした道を行った先、いかにも農家、というたたずまいの蒸留所です。
Distilleria Rovero
Frazione San Marzanotto 216
Localita' Valdonata, Asti
www.rovero.it
まさに、そろそろ仕事じまい、というような時間。18時半回っていましたから。幸いにも、ちょうど居合わせたオーナーさん、あと30分くらいで、ちょっとアポがあるんだけど、それまでなら大丈夫だよ、ということで、お疲れのところ、申し訳ないけれど、お邪魔することにしました。
農作業直後ですから、よれよれの格好しているのは当然ですが、このオーナーさん、タバコ片手で(それも古いジェネレーションらしく、指が焦げそうなくらい、フィルターぎりぎり根元まで吸う)、製造所も、整理整頓苦手な様子で、正直、どうだろう?という印象でした。でも、とても丁寧に説明してくださるのは、好感度高かったです。
左端が、その方。なんかちょっと、味のある役者さんみたいな雰囲気ですねぇ。時間があまりないというのに、ゆったりと説明してくださるのは、どこのオーナーさんも同じです。やはり自慢なんですよね。こういうのとっても楽しい。
では、と言って、販売所にいざなってくださいました。びっくりです。
だって、いきなりモダンとクラシックがうまく融合した、とても素敵な空間だったんです。農家空間と、すぐお隣なのに。
実際、ここでは、敷地の一角をアグリツーリズモにして、宿泊できるようになっていました。オーナーさん、意外とやるじゃん。お食事があるのかどうか不明でしたが、かなり素敵な雰囲気なので、今度調べてみようと思いました。
さて、試飲のお部屋もとっても素敵で、自慢のビオ・グラッパをいろいろ振舞ってくださいました。いやいや、試飲か。
ビオ、つまり有機農法で作っています。いろいろと規制も監査も厳しくて、手間がかかって大変なんだそうですが、強い信念を持って作っていることが、伝わってきました。
そして、どれをいただいても、おいしいんです!本当にびっくりしました。全然知らない蒸留所だったから、ますますです。生産量が少ないでしょうから、きっとあまり広範囲では見られないのでしょうね。
どれもおいしかったのですが、今回の目的ビアンカに中心に、結局3本。
ブラケット、ネッビオーロ、そしてバリックしたモスカート。
そうそう、今回の合宿での発見は、ブラケットですねぇ。前回はまったく気付かなかったですが(多分、どっちかと言うとリゼルバ中心だったため)、今回はビアンカ中心だったせいか、どこに行っても、勧められて。ブラケットは、ピエモンテの葡萄ですから、当然なんですが、知らずに、一年存した気分です。
ここのは、ボトルもラベルも、とても行き届いていて、かわいらしいです。開栓するのが楽しみ!
そういえば、前回の合宿も、最初に訪ねた蒸留所は、ランチを食べたレストランでいただいたグラッパがきっかけでした。われわれの合宿が、いかに行き当たりばったりか、ということではありますねぇ。でも、そんなのが、意外といい出会いだったりするのも、実際、面白いもんです。
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- 2014/11/19(水) 05:25:18|
- グラッパ
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