アストゥリアス・ロマネスク28
アラミルAramil、サン・エステバン・デ・ロス・カバッリェロス教会Iglesia de S Esteban de los Caballeros続きです。
この小さな小さな礼拝堂の本当の見所は、後陣にあります。
かなり地味な姿です。帯装飾と、ひとつの窓。
でも、ずっとこの旅を追ってきたら、どこが見所が、きっと分かるでしょう。
そうです。びっしりと並んだ、軒送りの彫刻です!
ファサード側から回り込んできて、ここに来て、そうだ、このために、ここに来たかったんだ、と思い出しました。とうとう雨が降ってきたんですが、かまっちゃいられません。
とりあえず、いくつか並べてみます。
軒送りだと、通常かなり高い位置にあるので、双眼鏡がないと細部がよく見えないことが多いですが、ここは教会が小さいので、距離が近いです。だから、それぞれのモチーフの面白さも肉眼で分かるのが嬉しかったです。興奮して、何度も行ったり来たり。
その割には、雨のせいもあって、ぶれた写真も多くて、撮影には少々がっかりでした。普通は、肉眼でよく見えない分、写真を見て感動することも多いのですが、ここについては、写真は、現地での感動にかなうものではありませんでした。
この辺りのモチーフを代表するような彫り物が、どれもかなりよい状態です。それぞれの彫り物に、つながりがなさそうなのが面白いです。変な動物がいるかと思えば、巡礼の人がいたり、植物モチーフや鉋屑などの伝統的なものと並んで、宙返りの人とか。
そして、ヴァルデバルセナのように、それぞれの彫り物の間の壁には浅浮き彫りが施されています。
全体としては、一見地味なのに、細部の装飾は、びっくりするほどの作りこみなんですね。
このあとも、軒送り彫刻には、あちこちで楽しませてもらうのですが、ここが最初の、これほどオリジナルな状態で数多く残っている教会だったと思います。だから、興奮も激しかった。小さい教会で、中にも入れなかったというのに、撮影記録を見ると、30分近くも見学していたようです。最後は、本当にひどい雨となって、傘は持っていたものの、さすがに退散を決めました。
まだ時間の余裕はあったものの、かなり幸福にお腹一杯だったので、この日はこのままホテルに向かいました。
オヴィエドの町で車を置いてから、食前酒にビールを一杯。長い一日、あちこちで出会った素敵なロマネスクを反芻しながらいただくお酒は、まさに至福ですね。ついつい至福を求めすぎてしまうのが、わたしの欠点ですが。
スポンサーサイト
- 2014/11/21(金) 05:08:13|
- アストゥリアス中世
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
> 山下亭さん
ウロボロスって尻尾食べの蛇のことですかね。根っこは同じと思います。が、これは二匹が絡まって、尻尾を食べてる感じはないですね?
尻尾食べ系は、輪になってぐるぐるしちゃって、永遠とかを表すってやつかと思いますが、これは、なんだろう。蛇って、ロマネスクでは、聖書とは別に、時々モチーフとして使われていますが。さてね。
- 2014/11/21(金) 18:56:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]
蛇は脱皮しますから、古来より再生の象徴として崇められて来た歴史が何処の民族にもある様ですよ。
再生復興や生まれ変わり、子孫繁栄等の意味がありそうですね?
- 2014/11/22(土) 00:35:00 |
- URL |
- 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
- [ 編集 ]
> 山下亭さん
そっか、そっか~、再生ですね。どうもいろんなことを覚えていられなくて、自分の記憶能力には、毎度呆然です(笑)。もうちょっとまじめに勉強しないとだめです。
- 2014/11/23(日) 17:34:00 |
- URL |
- corsa #79D/WHSg
- [ 編集 ]