アストゥリアス・ロマネスク29
新しい一日。
この日は、アストゥリアスを後にして、お隣のカンタブリアに移動。三泊お世話になったオヴィエドの街とお別れです。
カンタブリアへと向かう道に、いくつか訪ねたい場所があります。
地図の左端にアラミルがありますが、そのさらに左、つまり西がオヴィエド。カンタブリアに向かうには、ひたすら東を目指すことになります。最も快適で早いのは、アラミルの辺りから北上し、ヴィラヴィシオーザを通過する海沿いの高速。要は、サンタンデールの空港からオヴィエドを目指したときの道ですが、わたしが行きたいのは、アラミルからそのまま東へ進む内陸の道。地図でみると、若干山がちのような気配があります。
それに、目指すカンガス・デ・オニスは、ピコス・デ・エウローパという山岳の国立公園の入り口…。出来れば近寄らない方がいいのではないか、とも感じます。
ホテルの人に道の状態を尋ねたところ「内陸の道も国道だし、怖い道ではないけれど、いや、やはり海沿いの高速でしょう。快適だし早いし」と。基本的に走り屋のイタリア人だったら、行きたいところあるなら内陸、問題ない、と言うと思うんですけどね、その辺ちょっと違うかも。
結構うじうじと悩んだものの、やはりここで見たいものを見とかないと後悔する、と一大決心で、内陸の道を行くことにしました。
行く手にそびえているのが、ピコス・デ・エウローパの山塊の鳥羽口でしょう。快晴です。このような広々とした対抗二車線がずっと続きました。結果的には、「案ずるより産むが安し」。目的地ヴィラマジョールVillamayorの町に入ったらしいと思った途端、左側に、特徴的な後陣を発見。
サンタ・マリア教会Iglesia de Santa Maria。
しかし、後陣以外は、ほぼ新しそうな建物です。どうやら既に教会じゃなさそうな。
路肩に駐車して、近づきます。
やっぱり、後陣と、側壁の扉のみらしいです。でも、後陣には、アラミルで一人大騒ぎ、興奮しまくったと同様の軒送り彫刻が並んでいるようです。ずらりと。
おお、シンプルですが、立派な後陣。相当修復したのでしょうが、オリジナルの地面レベルもそのままに、よい感じの保存状態です。
すぐ脇にバールがあり、ちょうど午前中の休憩時間なのか(10時過ぎ)、オヤジたちがくつろいでいましたが、このような辺境の町に一人でやってきて、おお!とか、マンマ!とかつぶやきながら後陣を眺め倒している東洋人を、奇異な目で見ていたような空気を、背中で、ちょいと感じました。ふと振り返ったとき、数人と目が合っちゃったからね。
それはともかく。
横筋にも模様入り。小さな開口部もシンプルながら装飾入り。軒送り彫刻の間や、屋根のひさし部分にも浅浮き彫り入り、とこれまでいくつか見てきた後陣同様の、一部に気合の入った装飾です。
残念ながら、彫刻は磨耗が激しくて、いまひとつでした。
扉周りの装飾の方が、若干状態がよかったかも。
黄色い石。凝灰岩かな。空気に触れるとすごく固くなるっていうやつ。だから丈夫で残っているのかな。
扉口はシンプルなアーチで、縁取りが大好きな市松模様。後陣の横筋と同じです。側柱の柱頭は植物モチーフ。
扉の上の方に並んでいる彫刻、保存がよかったら、かわいらしい感じのする、変な形をした動物モチーフだと思うのですが、残念ながら。
後陣と扉装飾だけでも、意外に喜びが大きく、満足感があったのですが、実は、サプライズがあるんです。続く…。
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- 2014/11/27(木) 07:05:56|
- アストゥリアス中世
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