アストゥリアス・ロマネスク31
隠されてばっかりの、アストゥリアスのロマネスクめぐりも、いよいよ佳境です。 恐れていた内陸の道は、幸いたいした山道でもなく、無事にヴィリャヌエヴァVillanuevaへと到着です。 この村の手前から、いきなり「山に入ります」風になるので、一瞬びびりましたが、幸い、「風」にとどまり、本当の山道は、ここから始まるようです。
村に入ったようだと思ったものの、どういう構造かわからない。左手に、門のようなものがあるので、立ち寄ってみることにしました。
なんだろうかと思ったら、これ、カンガス・デ・オニスのパラドールParador de Cangas de Onisの入り口でした。ということは、ホテルの私有地?入っていいのかな?と、とりあえず、門の手前に停車。夏の暑い盛りのことで、日差しをさえぎる何物もない場所。中に入った方が、圧倒的に快適な駐車場になっているようでしたが、妙なところで変に気の弱い私は、そのまま車をうっちゃって、入場しました(内部は立派な広大な駐車場。部外者も入ってオウケイでした)。
広大な敷地を進むと、確かに目的地はここでした。
サン・ペドロ・デ・ヴィリャヌエヴァ教会Iglesia de San Pedro de Villanuevaです。
左手に、近代建築のホテル棟を見ながら進むと、先に、この中世の一角が。修道院をパラドールに改装したものですね。近代的な建築部分は、もう何十年も前からパラドールとして営業していたはず。というのも、ずいぶん昔に、母がここに泊まったことを聞いているからです。でも、修道院の改装は、おそらくそんなに昔じゃない、と思い、後から尋ねたところ、1998年から、ということでした。 そう古くないといっても、15年はたっていました。
修道院つきの教会部分の外観、および本堂を残し、修道院の部分は、構造はそのままに、内装は、一部の柱や壁を再利用しているものの、ほぼ新装。パラドールは、古い構造物を残すひとつの手段ではありますが、かなり大胆な工事をしてしまうので(要は全部壊しまくる)、結果に微妙なものを感じます。とは言え、一度は泊まってみたいかな。 修道院改装部分は、共有スペースとなっているようです。
外観は、時間の制約なしにいつでも見学できそうなので、まずは内部の見学に向かいました。ホテルのレセプションに行き、見学可否を尋ねると、さすがパラドール、というか、一応博物館扱いとなっているようで、びっくりするくらい丁寧な対応でした。パラドールだけに、皆さん英語も堪能。こんなにきちんとしているんだから、何か資料があるはず、と思い確認してみましたら、残念ながら、本はないんです、と。ちょっとした説明がインターネットにあるので、ではそれをプリントアウトしておきますね、と。ネットなら、あとから見ますから、というのに、結局印刷物をくださいました。激、親切。
観光客がうろうろしていますが、ここにいる人の多くは、山リゾートに来ています。宿泊の方は、一応、と教会の見学もするのでしょうが、教会のために来る人は、おそらく決して多くはないのでしょう。 レセプションの方は、本堂にいざなってくださり、「どうぞごゆっくり」と、戻っていきました。貸切です!
とは言え、こんな感じに新しくされてますから、あら、見るものないかな、と思ったのですが。
後陣は、ちょっとよい雰囲気。 これはおそらくバロック期とかに、全体漆喰塗り塗り攻めにあったのを、後代に、内陣部分は元に戻したとか、そういうことではないか、と想像します。 そして、目を凝らすと、柱頭に彫り物が!
グリーンマンならぬ、スネークマン?口から出ているのは、蛇です。顔も、顔らしいというだけで、思いっきり変です。 上部の市松模様も、下部の縄あみあみも、好きなモチーフ~!
動物とそれを扱う人々のフィギュアものが複数。
動物は、牛、ライオン、それから、グリフィンみたいのも。
解説がほしいところです。グリフィンのは、なんか珍しいし、面白いです。 スタイルを変えつつ、モチーフが全部一緒、というのも変わってますよね。
独り占めなので、じっくり見学できたのが嬉しかったです。 でも、この教会の有名どころは、実は外部にあるんです。
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2014/12/01(月) 03:15:36 |
アストゥリアス中世
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