ピエモンテ・グラッパ合宿、その5
前回、まさかの生産者さんにお会いして、予定が若干狂ってしまったのですが、ランチをはしょることで、元通りに。
で、訪ねたのは、ピエモンテでグラッパめぐりをするといえばおなじみ、と言ってもいいかと思いますが、ロマーノ・レヴィです。
Distilleria Levi Serafino
Neive
昨年訪ねたときに、「来週火入れだから、よかったから来てね」、といわれたのが気になっていて、今回、合宿の日程決定に当たっては、ここの火入れ儀式にも立ち会いたい、という気持ちが若干入っていました。というわけで、事前にスケジュールを調整して、火入れに向かったというわけです。
火入れ、って、なんだろうと思うかとは思いますが、ここは、蒸留を、直火でがんがんやっている、いまや、おそらく唯一の蒸留所。で、毎年、その年始めの火入れの日が、この蒸留所のあるネイヴェの町のお祭りにもなっているというような、そういうことなんです。
それにしても、イタリアらしかったのは。
われわれは、ここ、ネイヴェにたどり着く前に、バレストリーノじいさんの蒸留所で、思わぬ時間をとられてしまって、火入れの儀式予定となっている14時には、間に合わないかも、という状態でした。
といいながらも、とりあえずランチ抜きで、急いで向かったところ、14時ごろに、レヴィさん蒸留所に到着したんです。でも、さすがにイタリア。思いっきり準備中。
ということで、近所のバールで、軽いランチをいただいていたら、窓越しに、ブラスバンドご一行様が到着していました。バールの店主と話していたら、あれはレヴィさんのとこの火入れ儀式のためのブラスバンドだと。
それから、バールでお会計して、レヴィさんとこに戻ったところ、ほぼちょうど、ブラスバンドの演奏が始まるところだったとさ。笑。
それにしても、この火入れ儀式、かなりきちんとした地域の儀式になっていて、びっくりでした。村の人たちが大勢やってきているし、食べ物も、かなり豊富(これなら、わざわざバールで、パニーノなど食さなくても大丈夫だった、と思うくらいの量が用意されていました)、そして人々は、何があるかということをよくわかっている人ばかり。
レヴィさんって、戦後、大変苦労して、この蒸留所を立て直した方のようですが、本当にその甲斐のあったことと思いました。
ブラスバンド演奏後に、火入れとなるようで、火入れがうまくいくと煙が出るはずの煙突をみなが注目。そのときに、去年は気付かなかったドンナ・セルバティカに気付いて、嬉しくなってしまいました。
ロマーノ・レヴィさんは、自分の作るグラッパのボトルに貼るラベルを、手書きで描く方で、それが素晴らしいために、グラッパの品質とともに、メーカーとして有名になったのですけれど、彼の描いた絵のメイン・キャラクターが、ドンナ・セルヴァティカDonna selvatica(じゃじゃ馬?)。そのフィギュアが、風見になっていました。
そして、みなが注目している煙突。
うんでもすんでもなかったのに、しばらくすると、モクモクと煙が出てきて、火入れが無事に終わったことが分かりました。
なんだか、バチカンの新法皇選出を待つような気持ちで、集中して煙突に注目していたね、と友人たちと笑ってしまいました。
一応、火入れの現場を、見学。
ここは、昨年、火入れの前に訪ねたときに、今でも現役、ときいて、びっくりした場所。だって、本当に年季が入っていて、およそ現役とは思えなかったんですよね。でも今回、まさに現役なことを、確かめることが出来ました。
左側、青いシャツの人が抱えているのが、乾燥した葡萄粕で、これをストーブのようなとこにほうり込みます。
上に、ほうり込んで、下で燃えている炭で、がんがんに燃やされるわけです。すごい原始的。これで、裏側に蒸留器械があって、蒸留しています。
ちなみに、こちら、葡萄粕を溜めとく井戸のような施設。
前回来たときは、当然がらんどうの穴でしたが、今回は、結構溜められていました。そして、葡萄粕のにおいがすごかったです。
儀式にも参加して、ちょっと並べられたつまみをいただいて、グラッパの試飲までさせていただいて、それで買わずに辞去するのも心苦しいものがありましたが、なんせ、ここのグラッパはお高いです。40ユーロ以上しますからね。そして、昨年買った1本は、まだ栓も開けていないですからね。
ということで、儀式参加のみで、逃げました…。すみません~!
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- 2014/12/15(月) 07:29:26|
- グラッパ
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