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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ひたすら集積する歴史の意味するもの

ベネト・ロマネスク2

サン・ジョルジョ教会Chiesa di San Giorgio、続きです。




結婚式のミサが終わるのを待つしかない、という状態になってしまったので、外観を見学することとなりました。まずは、こじんまりとした回廊です。
回廊があるということは、かつては修道院があったということなんでしょうが、それにしても、教会本堂と、鐘楼の立派さに比べると、びっくりするくらい小さい回廊。




でも、しょぼいか、と言うと、まったくそんなことはなくて、小さいけれど、存在感はばっちりで、すっごく素敵なんです。





でもそれは、明らかに、修復の賜物でもあります。なので、この教会の、現代も含む歴史には、かなり興味がありますねぇ。幸いにも、教会の脇に考古学博物館併設で、週末にはそちらもオープンしていますので、今回、教会がらみの本もゲットできました(まだ全然読んでいませんが、将来的にはきっちりと読んで、ちゃんとサイトにまとめる、という前向き姿勢はあります、ハイ)。

こちらがオープンしている際には、教会後陣を確認するためには、必ず、入る必要があります(ちなみは、入場無料)。博物館がクローズしているときは、この回廊の場所から、後陣側にアクセスできるようになっているようですが。




後陣。なかなか趣があります。ファサードまたは側壁に一見して感じられるようなインパクトとは違うかも知れないのですが、実は、歴史の集積は主にこちら側にあるので、そういった思い入れからみると、この後陣はなかなか奥深いのです。

というのも、この後陣の下部に、先史時代の遺跡が発掘されているからなんです。




もともと、古い歴史が好きだったりしたものの、でも現実、紀元前とかの遺跡に出会っても、余りにもわけが分からなかったりすることが多いもんで、「だから?」と思っちゃうシーンも多かったりするわけなんですけれど、中世をやってよかったと思うのは、自分の中の歴史に、ワンクッション出来たって言うか。現在からいきなり先史時代、って言うのは難しくても、現代から中世、中世から先史時代、みたいな一区切りができて、若干意味が見えてきた、って言うか。
いや、この辺、感覚的で、説明難しいんですけども。

要は、ここなんかも、歴史で言えば、先史時代から、定住がある場所です。だからって、穴ぼことか、焚き火の跡、とか見せられても、自分的には「ほぉ」で終わりかねない場所なんですが、気持ち的に、自分としては既に、無理なく遡れちゃう中世からアプローチすると、そこから先史時代に遡ればいいので、現代から遡るよりは、ずいぶんと近いって言うか。近いって言っても遠いのですが、でも、先年から節約できるわけで~。

いや、なんか、多分説明しきれてないですが。
いずれにしても、中世をやる前に見た先史時代の遺跡と、中世をやるようになってから見る遺跡は、全然別物なんです、いろんな意味で。

いずれにしても、この場所は、本当に古い時代から、常に定住地であり、神聖な場所であったというお決まりのお話です。博物館のガイドさんは、ボランティアの方だったようですが、中世、特にロンゴバルド系のオタク系で、かなり低レベルって言うのか、あそこ行ったのここは行ったの、で面白かったのどうだったの、というような旅行者会話で盛り上がって、ひどく面白かったです。
博物館は週末だけのオープンですが、そして蚊が多かったのが相当辛かったですが、時間に余裕あり状態で訪ねる方にはお勧め。





村の中心に建つ教会の場所からは、ファサード側からはガルダ湖方面が、そして、後陣側からは、ヴェローナ方面に続く一帯が、どちらもびっくりするくらいの広範囲、見渡せるのですよね。
重要な土地というのは、一方で、どれだけ歴史に蹂躙されてきたか、とか思っちゃって、しばし、瞑想。

おなじみのロマネスクは、こちらへどうぞ。
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  1. 2014/12/21(日) 07:57:07|
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