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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

予期せぬ修行…

ベネト・ロマネスク3

サン・ジョルジョ教会Chiesa di San Giorgio、続きです。




結婚式も終わり、本来の空気が戻ってきた教会。やっと中に入ることが出来ます。
全体に、かなりきれいにお化粧されちゃっているんですが、それでも古い時代の雰囲気をよく残した、素敵な本堂です。




三身廊で、身廊それぞれに、後陣がついています。中央後陣の左右両脇の、小さな後陣は、それぞれフレスコ画で飾られているので、おそらくかつては、壁という壁に、フレスコ画があったのかと思います。





でも、13世紀以降の作品のようで、一部をのぞき、わたしの好みではありませんでした。その一部というのは、この祝福するキリスト。




傷みが激しく、修復でも取り戻せなかった色彩ですが、でも、ビザンチンっぽいお顔の感じが、12世紀以前の雰囲気で、これだけはよかったです。

わたしが堪能したのは、中央後陣部分に置かれた、小さなチボリオ。




併設博物館で、イタリア語英語併記の、ちょっとしたガイド本を購入できたので、これらの由来も、ちゃんと読めば分かるのかな、と思いますが、今のところは積読。というわけで、由来も出自も不明なままで、見たそのままを楽しみたいと思います。




状態が、場所によって違うので、再建部分も混ざっていると思いますが、大好きなロンゴバルド系の浅浮き彫りが、大好きでした。ここ、北と南を結ぶ線上にあるし、古代から、交通の要衝。それで、歴史が集積しているんでしょうね。





なかなかよいでしょう。
こんなものにも、目を惹かれました。





1本の円柱の基部に使われているのは、ローマの墓石じゃないかと思いました。碑文が刻まれているし、四角い感じがいかにも。こういう風に、過去のものを、それが墓石だろうとなんだろうと使いまわしちゃう感覚って言うのは、石文化ならでは、です。
美しい結婚式用の花が生けられている石の大きな花瓶も、どう考えても、古い何かで、この一帯が墓地だったことを考えると、やっぱり墓地関係のものであったのではないかと。いい加減って言うか、おおらかって言うか、不思議ですよねぇ。木と紙の文化で育った人には、なかなか理解しにくいことです。




というわけで、思わぬ長居となった見学も、無事終了です。
美しい眺めを楽しみながら、丘を下り、車に向かいます。




で、車にたどり着いたところ、駐車したときに、坂道発進しないですむように、わざわざ下り方面に鼻先を向けといたというのに、なんと、その鼻先ぎりぎりに駐車した奴が~!縦列駐車ですから、そこから出るには、バックの坂道発進という、わたしにとっては、さらにハードルの高い操作をしなければならないじゃ~ん!がっくり…。
乗り込んだものの、多分無理、と、思わず、通りすがった若いカップルに声をかけていました。

坂道発進が下手、ということを分かってもらうのは、イタリアでは結構難しいのですが、この人たちはすぐに分かってくれました。わたしとしては、代わりに操作をしてもらおうと思ったのですが、「オウケイ!大丈夫!じゃあ、ぼくが前を押さえているから、君は彼女の言うとおりに操作をして!」「は?」
なんと、青年が、こうすればさがらないから大丈夫、と私の車の鼻先を支えるようなどすこい姿勢を取ったんです~!いや、私の車小さいといっても、車ってそもそもすごい重量だし、どう考えても、あなた支えられないと思います…!
彼女は、「ハンド・ブレーキ入れて、エンジンかけて、ふかして、ふかして、ふかして~!ハンド・ブレーキ、下ろして~!」と絶叫状態かつ、優しく指示してくださいます。汗だらだらながらも、青年を轢いたら困る~、という危機感でしょうか。一発でエンジンがかかりましたわ~。

いやはや、いい若者たちだった~。そして、本当に恥ずかしかった~。やれば出来るんじゃんねぇ。
実際、このあと他の場所でも、友人が一緒だったので、自然といいカッコしようとしたのか、割と気張ることなく出来たんですよね。やっぱり怖がりすぎで緊張しすぎなのかな。
何とかしないとねぇ。情けないことです。

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  1. 2014/12/23(火) 05:15:31|
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