東京の正月休み その4
下町散歩の途上、今回、初めて訪ねた竹久夢二美術館。
今回の散歩の相棒、下町暮らしの長い姉は、定期的に来ているということだったんですが。
竹久夢二といえば、なんとなし、明治の頃の、夢見る乙女のイメージ。ふわふわキラキラ。
実際、そうなんだけど、でも、すっごくモダンなセンスを持つ方だったんですねぇ。
雑誌の表紙などのモダンな絵やイラストに、びっくりしました。
現代のイラストと言っても通じるモダンさです。
そういう意味では、訪ねたときに開催中だった特別展にもびっくりしました。
小田富弥さんという画家の作品展だったんです。
この方って、今の劇画の元祖的な方ではないかと思うんですけどね、とは言え、まったく知らない世界でした。要は、新聞や雑誌の連載小説の挿絵で極めた方。
「極めた方」と言っても、なにそれ?って感じじゃないですか。
しかし、展示もなかなかよくって、順を追って見ていくと、この頃の挿絵がいかに影響力があったかということが分かるわけです。媒体が限られるだけに、おそらく、今の漫画以上に、影響力とか、求心力とか、なんかそういうもんがあったと。
その上で、実際の絵を見ると、これが、恐ろしくうまい!劇画の元祖!絵心があってうまい以上に、映画的な切り取り方が新聞小説的というか、映像的というか。間違いなく、初期劇画に多くの影響を与えていると。
そんなこんなを、漫画好き姉妹(つまり我々)が、ああでもないこうでもない、とおしゃべりしていたら、寄ってきたのが、展覧会の当事者である小田先生の末のお嬢さんでした。
しばしおしゃべりをしましたが、とても面白かった!
小田先生は、明治の方ですが、そういう時代と、まだ袖刷りあうこと、ありなんだ!っていう感じ。丹下作善が、実は、大岡政談という新聞小説から派生したスピンオフだった、なんていう話を、当事者の身近な方から聞ける面白さ。
散々、いろいろなお話をうかがって、本当に楽しかったです。さすが下町って言うか。そういう空気がね。
下町散歩の楽しさを、思いっきり堪能した気がします。次回は、一年後となりますが、既に楽しみ…。
スポンサーサイト
- 2015/01/26(月) 06:55:39|
- 日本徒然
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0