チューリヒ、週末旅行その4
アイスショーのために出かけたチューリヒですが、そういうことがなければ、おそらくわざわざ行くことは絶対になさそうな町です。というわけで、最近、何でも修行状態にしてしまうわたしのこと、事前に、とりあえず観光すべきポイントは押さえよう、とネットで調査。
ところが、さすが、観光地ではなく金融都市。観光資源は、とてもリミテッド。週末旅行にちょうどよい程度の行き先しか見えてきません。多分、歩いているだけで楽しくなるような町でもなさそうだし、とにかく、この季節に行くべき場所だけは、しっかり観光しよう、ということで、到着早々のランチのあとに向かったのは、こちら。
旧市街にある、グロスミュンスターGROSSMUNSTER。要はカテドラル、大聖堂です。
こう見えても、オリジナルはロマネスクということだったので、二度と訪ねることはなさそうな町である以上、やはり行っておかないと、というところです。
扉は、南側に開いていて、どうやら周囲に装飾があるようです。
ほとんどすべて、後代の再建なのが明らか。それでも、モチーフが、とてもきちんと再現されていることには、好感を覚えました。
こんなん、どっかで見たような図像。膝に手を置いて、きちんと座っているライオンっぽい獣が、チャーミングです。
ロマネスク時代の一部が残っていて、そこから想像も含めて再現しているのか、それとも、ロマネスク時代の一般的なモチーフを参考にして再現しているのか、その辺が不明ですけれど、植物や幾何学装飾含めて、忠実なんですよね。この辺り、律儀なスイス気質を感じたりして。
側柱の彫りは、いかにも再建でしたから、ここは、創作だろうなぁ、と分かりましたけれども、木製の扉にも、木彫りが施されていて、とにかく全体に金かかってると思います。スイスだから、という偏見かしら~。
入り口にも、中に入ったところにも、はっきりと撮影禁止とあるんですが、ちょっとだけ、こっそり。
内部も基本、新しいのですが、ふとした片隅に、もしかして、ここだけは古いかも?と思われるようなものが、ひっそりとあるのでした。なんとなく、ですが、こういうものをありがたく思う人は、少ない町のような気もしましたけれど。
それでも、やっぱり古いモチーフをなぞっているのが、不思議な気もしました。
再び外に出て、ファサード。
扉も何もない、二本鐘楼スタイル。ゴシックのフランスの教会みたいなスタイル。
何の変哲もない再建建築。だと思うでしょ。それなのに、片隅には、多分ほとんど誰にも省みられないのに…。
変にかわいいものが~!
誰も見てくれないような場所にあるって言うのが、ロマネスク・メンタルでもあるんですよね~。
チューリヒの町って、丘の斜面にあるので、結構アップダウンが激しく、このカテドラルは、丘の高いほうに建っています。このファサード部分からは、川を挟んで栄えている旧市街が見下ろせて、ビュー・ポイントとなっていました。
そこからだと、さほど大きくもない町なのに、立派な尖塔を持つ教会が、なんだかたくさんあるので、驚きました。
要は、昔からお金が集まる場所だった、ということですかね。
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- 2015/02/13(金) 06:30:36|
- イタリア以外のロマネスク
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