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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

つまみ出され、初体験

カタルーニャ・ロマネスクめぐり、その5

幸先よく、最初の訪問地テッラーサで、素敵なロマネスクに出会い、ルンルン気分で移動開始です。
しかし!
次は、迷いに迷いました。

ナビに従って行ったところ、途中まではよかったのですが、後ほんのわずか、という場所で示されたのは、どう見ても、歩行者用の道。というか山道というのか、あぜ道というのか、およそ車では無理でしょう、という道でした。
だけど、付近には尋ねる人もおらず、山道の手前で思案していると、どうやら、わたしとまったく同じような行動をしている車が目に付きました。
初老の夫婦。彼らは、行きつ戻りつした挙句、なんと、山道に入っていきました!ひぇ~、なんというチャレンジャー!
わたしは、結局、手前の村に戻り人々に尋ねる、という正攻法を取ったのですが、結構な田舎町だというのに、英語を話す人に出会い、その後は意外と簡単にたどり着くことが出来ました。

目的地は、サン・ベネ・デ・バージェスSan Benet de Bagesの旧修道院ex Monastirです。




しかし、ここには参りました。
まず、広大な駐車場に、駐車。




実に立派で、美しく整備された駐車場です。なぜこんなことになっているかも分からず、修道院があるらしい方向へ進むと、これまた、予期せぬ近代的な建物がどかん!




インフォメーション?ビジターセンター?なんだろうと思いながらも、実は、午前中は14時までという情報を、事前にゲットしていたのに、既に13時半を回っていましたので、気持ちはあせりまくり。そのため、目の端に飛び込んできた、トップの教会の姿を目指して、一目散に進みました。
教会の後陣側から近づくと、小さな門がありましたので、わき目も振らず、飛び込みました。




しかし、内部はがらんとしています。地図なども置いてあり、受付窓口らしい場所もあるのですが、人っ子一人いません。ままよ、と奥に進みます。





修道院の跡を近代風にした建物や、古いままの廊下などがあり、団体風の人々がガイド・ツアーをやっていましたが、誰一人、わたしに気を止める人もいません。困ったなぁ。教会と回廊を目当てに来たけれど、うろうろしても、それらしい姿がありません。

お掃除の人がいたので、尋ねると、教会は入り口の脇よ、と言うじゃありませんか。
慌てて戻りました。
大慌てで気付かなかったけれど、戻ると、確かに古い部分が多いのです。




そして、確かに入り口脇に、教会発見。
こういう時は、外観は後でも見られるので、とにかく中に入ってしまうこと。




中には、小学生の団体がいて、ガイド・ツアーの真っ最中でした。知らん顔をして、目に付いたクリプタに降りてみたものの、近代化していて、ロマネスクの痕跡、わずか。




戻って、ガラス・ケースに収められた母子像の撮影をしていたところ、ツアー・ガイドの方に、声をかけられてしまいました。




やばっ!撮影禁止だったか、ととっさに思ったら、スペイン語と英語交じりで、「いや、そうじゃなくて、今日は一般にオープンしていないので、あなたはここにいてはいけないのよ。詳しくは入り口にあるインフォメーション・センターで聞いてください」と、結構きつく言い渡されたのでした。
ええ~、こんなにスカスカに入れたのに。
納得できない気分で、それでも、入り口周りの装飾だけは、ちょっと、とほとんどつまみ出される状態だったのに、粘ってしまいました。




ガイドの方、相当憤然とした顔で、隣で怒っています。でも、このために来たんだもん!




そういう状況で撮影した割りに、ぶれることもなく、よく撮れていたのが救いです。

インフォメーションは、実に立派で、英語も堪能な娘さん多数。本日は、サン・バレンティーノで祝日扱いで、見学は予約の団体のみ、明日もクローズ、という非常についてないスケジュールにあたってしまったことが分かりました。彼女たちはてきぱきしていて大変親切で、もうしわけない、と言ってくれましたが、やっぱり納得できず。インフォメーションも、併設のお土産屋(これまた立派)も、オープンしていて、団体は見学しているんですから、一人くらい余計に参加したっていいじゃんか!と思ってしまいますよね。
もうひとつの目的である回廊が見られず、実に残念でした。

帰りに、表示されていた院内地図を見たら、おお、すごい。ホテルまでありましたよ。Hotel Mon。大きな会議場も併設。一大集客所。なるほど。
ホテルはとても現代的な建築だし、全体に新しいので、おそらく昔訪ねたっきりの方は、びっくりするのでは。
でもこれでは、もう一度行きたいという気持ちにはなれませんね。今回、全貌を拝めなかったのが、返す返すも残念です。

ちなみに、インフォメーション・センターを後にして駐車場に向かう道で、初老の夫婦とすれ違いました。疲れ果てた様子のお二人、わたしのことを振り返ってみていたので、行きに、車で山道に分け入ったチャレンジャーなお二方とお見受けしました。
今頃到着しているということは、やはりあの道はとんでもない場所につながっていたのか…。申し訳ないような、つい笑っちゃうような。ふふふ。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

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  1. 2015/02/24(火) 06:44:15|
  2. カタルーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

corsaさんのページが汗と涙の産物である事を改めて反芻しています。
私も特別無計画・衝動派なのでこのハラハラドキドキ感はたまりませんねえ、同志!えっ一緒にするなって?
  1. 2015/02/24(火) 01:00:00 |
  2. URL |
  3. otebox #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

San Benet de Bagesは3年前に行ったところですが、ホテルなんてありましたっけ?気が付かなかっただけかも。見学はインフォメーションセンターで受付してからと、マンレーザから乗ったタクシーの運転手さんが教えてくれました。いろいろあって、私も粘ってようやく回廊を案内してもらえました。手ごわいところですが、あきらめずに再挑戦してみてくださいね。
  1. 2015/02/24(火) 15:15:00 |
  2. URL |
  3. Teruteru #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> oteboxさん
返信、遅れました。
いやはや、汗顔の至り。ご一緒にしていただいて光栄ですよ~。わたし、結構計画するのに、つめが甘いって言うか、こういうことになってしまうのが、残念ですよねぇ、笑。
でも、クローズなのに、勝手に入れちゃうって言うのが、いい加減でおかしいですよね。それなら入れてくれてもいいのにね。
  1. 2015/03/01(日) 21:44:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> Teruteruさん
そうでしたか!
では、サイトにお邪魔してみよう。有難うございます。
この辺りは、バルセロナからも近いので、再挑戦もあるかもしれませんが、あまりの観光地ぶりに、ちょっと引ける気持ちです。
ホテルは、ガラス張りの近代的な建物で、この場所に建てる必要があったの?というような代物です。まぁ、もともと土地だけがあったから、ということなんでしょうけれどもね。
  1. 2015/03/01(日) 21:46:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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