カタルーニャ・ロマネスクめぐり、その10
本来の目的地、レスタニーL'Estanyに向かいます。
結構アップダウンを繰り返す山道でしたが、事前に、グーグル・ストリート・ビューで、数メートルずつ画像を見るという、”坂道恐怖症”にしか出来ない、というより、そんなこと、普通の人は馬鹿馬鹿しくてやらない作業をしていますから、さほど怖い気持ちもなく、無事、見覚えのある風景にたどり着きました。10時をわずか過ぎた所。
町の広場に駐車します。
2月だというのに、見事な青空。
しかし、車を降りたら、意外と寒かったので、慌ててコートを着ました。
広場に面した建物の壁に、いきなり周辺地図。
14世紀におけるレスタニーの修道院管轄地域、ということらしく、わたしの目的には余り関係のないものでした。でも、ことさらに14世紀の状況を表すということは、おそらくレスタニー修道院が最も繁栄した時代ということなのでしょうね。
今はほんのちっぽけな村で、街道からずいぶんと中に入っていますから、人の往来というものも余りなさそうですが、当時は、修道士や巡礼の往来が激しくあった可能性もあります。
教会は、この広場に沿って、建ってます。サンタ・マリア・デ・レスタニー教会Eglesia de Santa Maria de l'Estany。
地味。というよりも、再建はなはだしく、余りそそられないファサードです。レスタニーって、すごく有名だけど、本当にこれ?と疑問を覚えつつ、とりあえず入場。
地味でした、やっぱり。無装飾は、それはそれでいいのだけど、修復感が強くて、余り感じられないのが悔しくて、一応、あちこち宝探し。
円柱の下に、怪しい彫り物。
下半身が火星人化して手を上げている人のフィギュアの脇には、でかい動物がごろごろしています。とっても稚拙な彫り物で、地元の石工さんが、ちょっと彫ってみようかな、とか何とかやってみたような感じ。
一方、柱頭の方は、プロの作品という感じでした。
残念ながら、傷んじゃっています。向かいにあるもうひとつの方は、もっと傷んでいました。
雰囲気がよかったのは、鐘楼の下に当たるクーポラ部分。
こういう一つ一つの石積みって、キュン、という気持ちになってしまいます。ここのは、形がちょっと変則。
もうひとつは、脇の小さい後陣。
大好きな市松の帯と、これ以上素朴になりようのない洗礼盤。これはロマネスク時代のものらしいです。
今更ながら、現地で撮影した説明版を見ていますが、カタラン語は、きびしい。かろうじて、15世紀の地震で、破損したということが分かりましたが…。
現地では、修道院の方の本しか入手できなかったので、今更確認したのですが、なぜかと言うと、ひとつ大きな疑問が。
この写真。クリプタに見えますが、どこでしたでしょう?
この教会の中なのは確実で、構造的には地下のように見えますが、まったく記憶なし。説明版の建物図にも、クリプタは見当たらず。ただの翼廊?
現地を訪ねて、様子を記憶していらっしゃる方がいたら、是非ご教示願いたいです。
いやはや、これまでは、時間がたっても、ことロマネスクに関しては、意外と覚えていられたのですが、このカタルーニャはたったの一年前のこと。記憶力、ますます当てにならなくなってきました。いろいろとスピードアップしないといけませんね。
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- 2015/03/19(木) 01:26:42|
- カタルーニャ・ロマネスク
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