fc2ブログ

イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ポリス先導で、修道院を目指す、の巻。

カタルーニャ・ロマネスクめぐり、その15

レスタニーの次に目指すは、街道を挟んで、反対の山側にあるリュサLluca。
事前にグーグルで見ていたときから、行こうかどうしようか、迷っていました。というのも、ストリート・ビューで見る限り、完全に何もない山の中、というようなロケーションで、ということは、かなり山道=坂道(おなじみの苦手)なのではないか、という恐怖があったんです。
でも、ここまで来といて、行かないっていう選択肢もないし~、と思い直し、レスタニーの受付の、ファスナーを直してくれた親切なおばさまに、ちょっと聞いてみることにしました。
ちなみにこのオバサン、英語はだめでしたので、カタラン交じりのカスティーリア語(スペイン語)、わたしは、イタリア語交じりのなんちゃってスペイン語での会話です。

これは行け、ということだな、と納得したのは、リュサと言った途端に、丁寧に行き方を書いた紙の案内図(と言っても手書き)を見せながら、説明してくれたからです。そして、その上に、わたしの虎の巻ノートに、辿るべき道路や、村の名前を書いてくれたのです。
ここからリュサに行く人が多い、っていうことですよね。一般ルート、ってことは、やはり行くしかありません(ここに来るのが、そもそも一般ルートか、といえば、若干疑問ではありますが)。




ナビもあるし、多分大丈夫だと思うけどね、と言ったものの、今メモを見ると、結構しっかり真剣に話を聞いていたようです。
「迷ったら、この番号に電話して、ファンJuanという人に聞けばいいからね。」と、そこまで教えてくれました。なんて親切!このスペイン語能力では、電話しても、多分無駄、そして、携帯電話はローミングしてないから使えないし、公衆電話があるわけもないし、と思いながら、それでも、親切がありがたかったです。

車に乗る前に、美しい後陣を眺めながら、改めて地図と説明を反芻して、気合を入れました。




いざ、出発。
街道までは、一本道で、迷うはずもないので、のんびりと緑の林道をドライブ。山道ですが、前後に車さえいなければ、適度なカーブが連続する下り道のドライブは、結構楽しいものです。快調に進んでいくと、途中で、後続車に気付きました。
やだなぁ、と思っていると、どんどんと近づいてきた車は、なんとパトカー…!
これは嫌です。スピードを出したらまずいし、かといって、余りぐずぐずしているのも、なんだかとても嫌がられそうだし、かなり冷や汗でした。
どうせ、対向車も来ないんだから、抜いてくれたらいいのに、と思い、わざとスピードを落としても、なかなか抜いてくれません。かといって、停車するようなスペースがある道でもなく、停車の勇気もないまま、しばらくパトカーをブロックするような感じで走っていました。
それでも、さすがに途中で、スーッと抜いてくれたので、やれやれでした。
また、当初のように、林間をのんびりと走り、お、街道に出たな、というところで、なんと、件のパトカーが、街道に出る前で停まっています。
わたしは、当然そのうしろで停車するしかありません。

なにこれ?なにこれ?
と、また、冷や汗が出てきました。

わたしが停車すると同時に、パトカーから、警官が降り、こちらに来ます。
冷や汗、どーっ!
え?スピード出しすぎた?だって、パッシングしてきたのは、そっちだろ?そっちだよね?
走馬灯状態…。

運転席の窓を下げると、警官、にっこり。
「リュサに行くんだって?」

一瞬、展開が把握できませんでした。
話を聞くと、どうやらレスタニーの受付のオバサンに、あの東洋人が一人でリュサに行くらしくて、道を聞かれたのよ、みたいな話をされたらしいのです。そういえば、この人、受付でオバサンとおしゃべりしてたかもしれない…、とそのときになって思い出しました警官と言っても、別に警官らしい制服を着用しているわけではなく、山岳警備員みたいなスタイルだったので、まさか警官とは思わなかったのです。
要は、リュサへの道は、この街道を越えた先から分かりにくいし、途中まではぼくたちも行くから、後から付いて来い、という大変親切な申し出をしてくださったのです。

いやぁ、びっくりです。
わたし、ナビもつけていたし、警官もそれは見ているはずなんだけど、信用してないんですね。ナビもわたしの腕も方向感覚も。
このときは、ナビも自信ありげだったのですが、ありがたく、申し出を受けて、パトカーに先導されて、ドライブすることになりました。
運転のプロだけに、こちらへの気遣いは万全で、とてもゆっくりと分かりやすく走ってくれて、何とか付いていくことが出来ました。ナビと違う道を行ったのは一箇所だけだから、意外と難しい道ではなかったようですが、少なくとも、絶対に間違えることがない安心感はありました。

おばさんが記してくれた最後の道で停車して、「ここがぼくたちの警察署だから、お別れだけど、後は、ここを右にずっと、道なりに行けば大丈夫だよ」、というところまで、ゆっくりと連れて行ってくれました。
レスタニーからは、約1時間弱のドライブでしたから、結構な時間、お供していただいたことになると思います。親切ですよね~。

それにしても、パトカー先導なんて、後にも先にもないだろう経験をしてしまいました。ずいぶんと冷や汗もかきましたが、楽しい思い出です。

そんなスペクタクルなドライブの後、目的地リュサの、サンタ・マリア教会。




本当に何もない道沿いに、ぽつんとありますが、それなりに人は来るようでした。




目的は、ここもまた回廊です。
このカタルーニャの旅では、次々とびっくりするほどの回廊攻めでしたね~。

いつものロマネスクは、以下でどうぞ。
ロマネスクのおと

ブログ・ランキングに参加してます。よろしかったら、ポチッとお願いします。


にほんブログ村 美術ブログへ(文字をクリック)
ブログ村美術ブログ


にほんブログ村 海外生活ブログへ(文字をクリック)
スポンサーサイト



  1. 2015/03/27(金) 06:39:22|
  2. カタルーニャ・ロマネスク
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ここでも回廊を一人占め | ホーム | ラブラブ・カップルもあり!>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
https://notaromanica.blog.fc2.com/tb.php/1390-70704522
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)