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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ロマネスクのおと、更新のお知らせ(シチリア第二弾)

肋骨骨折のおかげで、楽しみにしていたイースターの四連休、自宅療養となってしまいました。残念ですが、せめても、完治しつつあること、そして、サイトの更新ができたことに満足したいと思います。




先月に続いて、シチリア第二弾、完成しました。
たいした内容ではないのですが、今回、改めてシチリアの中世史を確認したことで、第一弾のときよりも、まとめるのが楽しかったです。

以前「いつか役に立つはず」と思って買ったまま、積読になっていた中世シチリア史の本が二冊ありました。実は、買ったことすらすっかり忘れていた本です。他に資料がなかったかな、と本棚を探していて発掘。びっくりしました。

内一冊は、学術色が強くて、注釈が何ページも続くような、かなり手ごわい内容ですが、今回お世話になった一冊は、大変読みやすい文章で、うまくまとめられています。ノルマンの歴史全般に興味がある向きにも、お勧めできる一冊と思います。

「ノルマン騎士の地中海興亡史」山辺規子著(白水社)




北の方で、法王とローマ皇帝がぐずぐずとやっているとき、シチリアでは、イスラムとビザンチンとギリシャ正教とキリスト教と、もうそれはいろいろな民族や文化が、渾然としていたんです。宗教に寛容って、やはりすごいことなんだ、と改めて思わされました。
混沌とした時代でも、単に利害を考えた結果だったにせよ、宗教に寛容であることで成功した指導者が確かにいたんですよね、イスラムにもキリスト教にも。

中世という時代は、その点だけ考えても、暗黒どころか、とても自由な時代であったのではないか、など考えてしまいます。

それにしても、いつまでたっても、やはり日本語。散々イタリア語で資料をあたったり、まとめてみたりしたのですが、どうも頭に入らないままだったのです。それが、この本を読んだら、すんなりと。
もともと語学の人間じゃないのが、こういうところに出る感じ。いつまでたってもアルファベットで読んだものは、身にならないというような。情けないですが、仕方ありません、今更どうにもならないし。

さて、シチリア第二弾は、パレルモの中世です。
イスラム建築をキリスト教教会に代替したものが多く、その融合が得意な形を作っています。




いつもの石中心のロマネスクとは、ずいぶんと性質が違うのですが、歴史とともに眺めるとき、面白さがじわじわと迫ってきます。




パレルモは、無作為に二つに分割しましたので、この後、第二弾が続くこととなりますが、さて、このリズムで出来るかどうか。




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  1. 2015/04/07(火) 01:54:45|
  2. ロマネスク全般
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

No title

何時かMonrealeの大聖堂にあるモザイクを見に行きたいと
思っています。
殆どビザンチン・イコンと同じ形になっているようです。
イコンや壁画の本は資料として沢山もっていますので、、
ご存知かも知れませんが、
塩野七生さんの「ローマ人の物語」にもシチリアについての
詳しい記述があります。
ロマネスク美術の研究をされている方で本もお書きになっている
勝峰昭というかたのブログがありますが、少し学術的かも?
  1. 2016/11/16(水) 09:17:00 |
  2. URL |
  3. Atsuko #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

Atsukoさん
古い記事まで見ていただき、ありがとうございます。
モンレアーレをはじめ、パレルモのモザイクは、きんきらですごいですよ。モチーフが比較的画一的で、モザイクとしての面白さは、ラベンナやローマの方が、個人的には好きなのですが、イコン、という切り口だと、やっぱり興味深いかもしれませんね。
勝峰さんとは、交流しております。彼はスペイン専門なので、私はイタリア専門で行こうと思うのですが、レベルは全然ついていっていません、笑。
  1. 2016/11/16(水) 22:57:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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