わたしは音楽に関しては、何も分からない人間で、音楽だけを聴くということがめったにないのですが、時々、やたら好きになる人がいたりします。その数少ない例がトム・ウェイツ。好きになったのは、映像とセットで知ったからだと思います。最近は俳優業やってるのかどうか知らないけれど、昔はよく、渋い映画に渋い役で出てたんですよねぇ。浮浪者の役なんて最高で。
で、今日、仕事中に外出して、トラムに乗って、何の気なしに隣の人が読んでいる新聞をチラッと見たら、トム・ウェイツ、3日連続ミラノ公演!土曜日はすでに売り切れ!とあるではないですか。
会社に戻った途端、不在中の電話とかなんかはすべてほったらかして、インターネットで検索です!
なんと、明日から3日。それも自宅から自転車でも10分強という近くにあるホールじゃないですか!なんてこった!
これはいまさらインターネットで買ってる場合じゃない!と、通常より45分早く会社を出て(いいのか?分からないけど、勝手に出た)、一生懸命自転車をこいで、劇場のボックス・オフィスを目指しました。
ゼエゼエ、あの、明日かあさってのチケット、まだなんかあります?あるわよ~、今さっき、明後日のいい席が出たところ!あなたラッキーね!と、いきなりラッキーなわたし。しかし、平土間席、なんと143ユーロ、た、高い…。とは言え、残席は、今さっきキャンセルがあったという10席弱、そして彼をナマで見られるチャンスは、今後いつあるかわからない…。買います、買います!
では身分証明書を頂戴、チケットは記名式なので。ハイハイ、すぐに。あれ?あれ?ない、なぜ今日に限ってないのだ!ス、すみません、ないんですけど(ドキドキ)。あ、姓名と生年月日を教えてくれればいいですよ。ほーっ。
では、143ユーロです。で、クレジット・カードを出すと、あら、現金か、銀行の電子カードしか受けないのよ。ガ、ガーン。あ、あの、現金ないし、銀行のカードもないし(汗がたらり)…、どうしよう、えーと、あ、これ、この郵便局のカードはどうでしょうかっ!(かなり力が入った。なんせすでにチケットはプリントアウトされて目の前に置かれていたのです。)あ、多分、きっと、大丈夫だと思います。カードを器械に通して待つこと数秒、カタカタカタと領収書が出てきたときは、本当に心から安堵しました。
なんか、わたしにしてはとても高い買い物であることを、あまり深刻に考えることなく購入できて、結果的にはよかったかも。それも7列目だし。って言うか、別に彼の場合、そんなに近くから見る必要はないじゃん!と、あとから思いましたが。そうは言っても、遠い席はすでに完売なので、仕方ないですね。
いやいや、楽しみです。かつては、毎週1回はオペラ、ダンス、芝居など中心に、スカラ座他に出没していたのですが、この数年、劇場通いはトンとご無沙汰。で、こういうコンサートって、みんな何を着てくるんだろう、とか、とてもプリミティブな問題に悩んだりしています。明日下見に行こうかな~。なんかすごい田舎者みたいですよね。
Author:Notaromanica
ミラノ在住で、ロマネスクが大好きで、主にイタリア、フランス、スペインを回っています。