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イタリア徒然

イタリアに暮らしながら、各地のロマネスクを訪ねた記録

ひっそりと、ミラノでお花見

今更ですが、お花見。それも週末の午前中に、酒も団子もなし、カメラもスマホのみ、という、まったく予期せぬお花見。

車で郵便局に行った帰り、丘になっている公園の脇を通り過ぎました。目の端に捉えたのは、花の色。とりあえず通り過ぎたものの、やはり気になるので引き返し、散歩することにしたのです。

この公園は、ミラノ市のはずれにある再開発地域ビコッカの一角にあります。確か、工事で出た瓦礫や土を盛って作った公園。結構小高い丘になっており、時間をかけて、徐々に整備されたものです。
階段を登ると、遊歩道になるのですが、遊歩道以外は、すべてとんでもない傾斜です。そこで、最初に出会った野の花たち。




タンポポの大輪ぶりにびっくりしました。斜面で陽はふんだんだし、地味もいいのでしょうね。そして、走行中、目に留まったピンク色。




手前の木も、よく見たら、まだ花が咲いていたのですが、葉も出ていたので、すぐには気付きませんでした。いわゆる葉桜状態です。




斜面を階段で登ります。花のそばに行きたくても、転がり落ちそうな傾斜なので、骨折が完全に癒えていない身体では無理。




桜系の花は、最近ミラノでも多種みられるようになったと思うのですが、なんとなく、日本とは違う形っていうか。たとえばこれ。




全体に高さもないのに、相当低い部分から、花がびっしりです。




八重だけど、色が薄くて、もったり感が少ない。本当に美しいのですが、全体としてみると、咲きすぎっていうか。





見たことはないのですが、京都に御室桜ってありますね。背が低くて、咲く時期も遅いとか。系統としては、その辺りから発した花なのかなぁ。
ちょっと触ってみたら、はらはらと散るので、この日は、まさに見頃だったようです。

ピンクの濃い方は、いわゆる八重桜。青空とのコントラスト。




一番高い場所は、展望台のようになっています。最近の、変わりつつあるミラノのスカイラインが見えます。いわゆる高層ビルがずいぶんと増えました。東京の、多摩川辺りから見えた武蔵小杉に似てる…。




もっと空気が澄んでいれば、反対側にはアルプスが見えるはずですが、この日は、だめでした。今度は、山を見に来ようと思います。
その、反対側の方は、古い住宅の並ぶ一角があります。




ミラノ市内には、一軒家風の並ぶ地域がいくつかあります。ここが建てられたころは、おそらく周囲には何もない、のどかな田園地域だったのではないでしょうか。奥の方の高層アパートなど、もちろん影も形もなかったはず。そして、この丘すら、ありませんでした。
急な階段を降りてみます。




表の道は、北に向かう幹線道路。先は高速につながる道ですが、この住宅の並ぶ場所は、関係者以外の車は入れない私道になっていました。確か、この一角に、11世紀起源の古い礼拝堂があるはず、と思い、ちょっと歩いてみました。




古いお家。廃屋かと思ったか、ちゃんとお住まいのようでした。外観は相当傷んでいますが、おそらく中身はびっくりするくらいお手入れして、素敵なお住まいになっている、というパターンかもしれません。藤の花も、満開が近いようです。

結局、礼拝堂は、どこにあるのか分かりませんでした。
それにしても、なんかミラノとは思えない地域です。小さな田舎町みたい。

さっきの階段を上り、遊歩道に戻りました。




ぐるっと回ったこととなり、下の方に、自分の車が見えます。




一部、林のようになっている一角もあり、学生さんが、ベンチで勉強していました。ここは、大学の庭のような位置づけでもあるんです。平日は、もっと学生さんがいるかも。




再開発は、大学から始まり、劇場、住宅、そして大企業向けの巨大ビル。実際に、多くの国際的大企業が、この地域に会社を置いています。




最後に、二種の木がほぼ合体してしまって、二種類の花が混在して満開だったものに遭遇。




こうなると、やはり一重の花が好みだと思います。




堪能しました。これまで気付かなかったのが残念だけど、これからは、毎年お花見に来ようと思います。
ちなみに、イタリアにはそんな風流な習慣はないので、犬の散歩の人か、ジョギングの人か、お散歩の老人が、わずかいるだけでした。斜面がきついので、花の下にござを敷いて、というのは無理だけど、おにぎりでも食べたいっていうか。

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  1. 2015/04/12(日) 19:50:34|
  2. 植物、花
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

No title

きれいですね(≧∇≦)!
湿度の関係なのかヨーロッパは横には広がらないんですよね。縦にボーボーって感じ。
日本だとまるで池の上にせり出すように広がる桜に見慣れてるのでヨーロッパのアーモンドの花なんかは少し寂しい雰囲気ですね。
でも不思議に思いますが、ヨーロッパの水仙ってものすごく綺麗じゃないですか?あと、ゼラニウム。気候が合うんでしょうね。
  1. 2015/04/13(月) 00:34:00 |
  2. URL |
  3. はなさん #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

異国の桜は・・・・・

日本の宴会騒ぎの懐かしい花見を思い出させますね?
今年の東京の花見は、天候不順の所為であっという間に時期が過ぎてしまいました。

花見の宴会が出来た日は僅かで、私は花見の宴!
今年は・・・・・
残念です。
  1. 2015/04/13(月) 01:50:00 |
  2. URL |
  3. 古代遺跡めぐり<山下亭> #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 洋吉ちゃん
湿度なんですか!びっくり。
基本的に、実のなる木が小さいっていうのもありますが、それはやはり湿度も含む気候のせいかな。
りんごでもすごく小さな木に、びっくりするくらいたわわに実ってるよ。さくらんぼは、日本のサクラとまた違うし。
ゼラニウムの発色がいいのと、花が大きくなるのは、湿度と紫外線の違いとか聞いたことあります。スイスなんて、気温低いのに、ゼラニウムすごいよね。
  1. 2015/04/14(火) 22:36:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

> 山下亭さん
日本は、ぐっと冷え込んでしまったようですね。

こちらでは、誰も特に気にも留めない花たち。一人、ひらひらと散っていきます。ちっ、地面が汚れる、位に思われる花びらたちが、ちょっとかわいそうになります。
この御室桜系(勝手に決めていますが)も、きっと今、はらはらと散っているんだと思います。
来年は、こっそり缶ビールでも持って、行ってみようかなぁ。
  1. 2015/04/14(火) 22:38:00 |
  2. URL |
  3. corsa #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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